アリス狩り

高山宏

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784791764303
ISBN 10 : 4791764307
フォーマット
出版社
発行年月
2008年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
22cm,355p

内容詳細

夢と現実、非論理と論理、狂気と正気が交錯するノンセンスの王国。そのノンセンスの宇宙を彷徨う美少女アリスの受難を、投影されたキャロルの不安として読み取り、進歩と退廃が共存する「芸術」の時代の本質を探る。

【著者紹介】
高山宏 : 1947年生まれ。東京大学大学院修士課程修了、英文学専攻。東京都立大学教授を経て、明治大学教授。専門は、17世紀綺想派詩人とマニエリスム演劇だが、17世紀以後の異言語現象と、それを生んだ視覚を中心とする肉体的、社会的条件というテーマからキャロルに親しむ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 白義 さん

    高山宏の初単行本だけあり、直線の近代とそれに抗うキャロルという図式が後の著作より硬いかなと思ったが杞憂杞憂全くの杞憂、ありとあらゆる真っ直ぐなものの支配力が増す近代社会で独特のテクストの宇宙、円環の迷宮を作り出した作家たちを魅惑的に語る名著だった。世界のテクスト化をホームズというレンズから読み、時代の下層、肉体への肯定を込めてラブレーとスターンとホガースを繋げる。ウィルソンのとは違うがまさに創造する(あるいは創造できない)アウトサイダー賛歌、そこから文化史を読み直す試みの始まりでもある

  • amanon さん

    ある程度知っていたつもりになっていたルイス・キャロルだが、思った以上にややこしい人間だったと知ってびっくりだった「キャロル小伝」。そして、メルヴィル、ホームズ、スターン等々の英米文学者を著者お独特の語り口で語りつくすその手際には毎度のことながら魅惑されることしきり。題名は知っていたものの、手に取る気にさえならなかったキャロルの『シルヴィー〜』に新たな興味がわいたのが、とりわけ収穫だったか。それと、著者の卒論のメルヴィル論は、学部生とは思えないできでびっくり。後、旧版のあとがきで父親にふれていた件に涙。

  • あかふく さん

    「異次元の夢の本」だと言う。また、自身を「美的気質」とし、澁澤龍彦になずらえて「イコン的人間」とも言う。高山宏の業績を評価するとしたら、「文学的」なものと「美学的」なものがあり、むしろ後者の側に多くの研究があるということになるのかもしれない。キャロル、メルヴィル、ドイルなどといった文学テクストに接しながら「美学的」に解釈していくようなやり方はむしろ aesthetics といわれる「美学」的に感覚的な部分をいかに読むかということに行きつく。

  • あかふく さん

    精緻を目指す。それはあるものを一つの、単純な相のもとで見ようとする。しかしそこから排除されたものに目を向ける人もいる。自らもまた排除されたのだという意識のもと、ということはある意味でナルシスティックな体験なのだろう。細部へ神を宿らせるレクリエーションはそもそも世界が精緻に見られなどしないという点から、細部を肥大化させ、歪にする。その歪さは何か、口を開いて、誘うようだ。

  • あかふく さん

    隠喩という意味のなさにおいて遊ぶはずの技術が、いつの間にか変身という意味ー肉体的現象にすりかわってしまうキャロル的恐ろしさがはじめに書かれる。それについて語るためには常に解釈し続け、語ること、しかもその語りを正解だと定めないところで語ることが必要となる。高山宏がどんどんナルシスティックに語るようになっていくのは、そのマニエリスム的態度においてのみ許されている。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

アート・エンタメ に関連する商品情報

おすすめの商品