硬きこと水のごとし

閻連科

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309207360
ISBN 10 : 4309207367
フォーマット
出版社
発行年月
2017年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
360p;20

内容詳細

文化大革命の嵐が吹き荒れるなか、血気盛んな人民解放軍の若者・高愛軍は、故郷の貧村・程崗鎮に復員し、美しき人妻・夏紅梅とともに革命を志す。中国古来の価値観が残る村は、対日抗戦の殊勲者たる名家の人々が支配していたが、現状に不満を抱く若者たちを煽動して革命委員会を樹立し、村幹部を追放し実権を掌握していく。アメリカ帝国主義、ソ連修正主義に囲まれ、世界的な反中国の逆流のなか、マルクス、レーニン、スターリン、毛沢東ら、革命の聖人たちを奉じ、愛情の力で邁進する二人。やがて二人は愛軍が掘った「愛のトンネル」を通って夜な夜な逢瀬を重ねることとなる。近年ノーベル文学賞の候補と目される最重要作家による、セックスと革命、血と涙と笑いが交錯するドタバタ狂想讃歌!!

【著者紹介】
閻連科 : 1958年中国河南省嵩県の貧しい農村に生まれる。高校中退で就労後、20歳のときに人民解放軍に入隊し、創作学習班に参加する。80年代末から小説を発表。軍人の赤裸々な欲望を描いた中篇『夏日落』(92)は、発禁処分となる。その後も精力的に作品を発表し、中国で「狂想現実主義」と称される長編『愉楽』(2003)は、05年に老舎文学賞を受賞した。一方、長篇『人民に奉仕する』(05)は2度目の発禁処分となる。さらに「エイズ村」を扱った長篇『丁庄の夢』(06)は再版禁止処分。大飢饉の内幕を暴露した長篇『四書』は大陸で出版できず、2011年台湾で出版された。09年には父の世代への追憶を綴ったエッセイ『父を想う』がベストセラーとなる。2013・16年国際ブッカー賞最終候補、2014年にはフランス・カフカ賞受賞

谷川毅 : 1959年広島県大竹市生まれ。名古屋経済大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • やいっち さん

    『愉楽』以来の二冊目。『愉楽』ほどじゃないが、マルケスばりの魔術的想像力炸裂。文化大革命の真っ最中のドラマなので、毛沢東語録などが随所に引かれ、革命中国の堅苦しさが満々なのだが、その桎梏を敢えて課しながらも、革命の想像上の内実をとことん描き切っている。

  • キムチ27 さん

    18禁など安っぽい言葉は霧散しそう。強烈もここまでくると突き抜けたというか。文革の内容をある程度の知識で持っていないと 読み進める気力が萎えてしまう。筆者の筆力に惹かれてぽつぽつ読み続けているが彼のペンのコアはこれじゃないかという気すらした。高校中退で就労をしつつ、80年代にはかなり執筆をこなしていた筆者。当作は2000年に第3稿を終えている。何度も筆者の写真を見つつ、ただそのエネルギーに口あんぐり。12歳頃まで村から一歩も出ず小学校の体育館の様なところで学び続けショパコン優勝のユンディ。彼が優勝した時に

  • ヘラジカ さん

    のっけから吹きつける文章の熱量!なんだかんだで閻連科作品は5冊目なのに、毎度毎度この熱気には気圧される。『人民に奉仕する』の性的エネルギーもスゴかったが、こちらはもっともっと剥き出しで怒涛のごとく押し寄せてくる。革命精神と愛欲が混じり合って炸裂するエロティシズムは、正に中国文学しか生み出せないものだろう。ただのドタバタ官能的滑稽譚でないことは明らかだが、日本語版に寄せられた文章を読むと、作者がいかに文学に対して真摯な思いを持っているかが分かり感慨深いものがある。世界文学を読む理由のひとつがこの作品だ。

  • ネコベス さん

    文化大革命の波が押し寄せる河南省の山間部の村で革命に目覚め立身出世を望む高愛軍は出会った瞬間惹かれ合った夏紅梅と共に封建体制打倒を目指し革命理念を追求する。やがて二人は権力の魔力に取り込まれていく。いちいち高愛軍が大真面目に毛沢東の大仰な革命詩を引用するのが滑稽に映る。先祖を祀ったり、土地を分配して生産性を上げると反革命として処罰される理不尽さをユーモラスな筆致で描き出す。二人が拷問を受ける真の理由も皮肉が効いていて面白かった。人が生きる濃密な情念が詰まった小説。

  • かふ さん

    文化大革命をパロディ化した壮大なマジック・リアリズム。主人公の愛軍は毛沢東のパロディとしとドン・キホーテのように革命を推進していく。しかし、それは愛人である紅梅との欲望愛の為である。毛沢東と江青の関係を二人の若い恋人で戯画化しているのだ。よく中国でこんな本出せるなと思うが全編に毛沢東語録(それに類した毛沢東の詩とか)が散りばめられている。真面目に読めば革命書なのだ。しかしフィクションとしては、毛沢東版「ドン・キホーテ」。

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