武家か天皇か 中世の選択 朝日選書

関幸彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022631237
ISBN 10 : 4022631236
フォーマット
出版社
発行年月
2023年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
関幸彦 ,  
追加情報
:
264p;19

内容詳細

日本の中世は、武家の権力体を創出させたことで特異な国家システムを創り、その後の歴史を規定した。天皇と武家の両者が権威と権力を分掌する補完関係を形成―その武家の権力機関は「幕府」と呼称される。東アジアにあって、中国やその周辺諸国とは異なる武家(幕府)を胚胎させたことで、中世以降の王権(天皇)は象徴的存在として機能する。その点では、武家は日本史上で“健全なる野党”を演じ続けることになる。ここにいう“野党”とは国家権力を一つの機関による専制から防ぐ政治権力を指す。中世の時代は幕府を誕生させたが、天皇を戴く公家(朝廷)を解体させることはせず、存続させる方向を選択した。「奪ったのか」「委ねられたのか」?わが国の中世が選択した権力システムの行方を問う一冊。

目次 : 序 謡曲『絃上』の歴史的回路―虚構を読み解く、「王威」そして「武威」/ 1 武家か天皇か(「本朝天下ノ大勢」と天皇/ 「本朝天下ノ大勢」と武家)/ 2 内乱期、「王威」と「武威」の諸相(東西両朝と十二世紀の内乱/ 南北両朝と十四世紀の動乱)/ 3 近代は武家と天皇をどう見たか(近代日本国の岐路/ 武家の遺産/ 再びの武家か、天皇か)

【著者紹介】
関幸彦 : 日本中世史の歴史学者。1952年生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士課程修了。学習院大学助手、文部省初等中等教育局教科書調査官、鶴見大学文学部教授を経て、2008年に日本大学文理学部史学科教授就任。23年3月に退任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    朝廷と幕府の並存という日本史上の特性を、体制内での与野党の政権交代と解釈する。中国や朝鮮では革命による王朝交代が繰り返され、前王朝の継承者は根絶やしにされてきた。しかし貴族政治が硬直化した平安末期、朝廷に仕えて実力を蓄えた武家は自らの政府を求め、平氏政権を経て鎌倉幕府を成立させた。当初は東西に権力中心があったが、承久の乱以後は優勢になった武家も政治に失敗すれば幕府と将軍が交代し、朝廷も武家に抑えられながら伝統と名誉の力で存在感を保ったのだ。明治維新で徳川が滅ぼされなかったのも、その延長とすれば納得できる。

  • 田中峰和 さん

    日本の中世は武家と天皇という二つの権力を並立させた特殊な政治システムだった。中世から近世の武家は、朝廷からみれば体制内の野党のような存在だった。天皇・朝廷を中心とする今日の政治軸と、武家を軸とする鎌倉や江戸の政治軸は併存していた。こうした形で登場し維持された幕府は、一国二制度という政治システムを我が国に定着させ、武家の権力は700年にわたって続いた。この特殊な権力構図は東アジアにあっても特異だった。それを残したせいで、尊王志向が高まって、王政復古が実現し、天皇を神とする軍国主義に移行して破滅に繋がった。

  • お抹茶 さん

    著者の最終講義にあたる本。鎌倉殿が官職体形に包摂されていく過程を考察する。武家による幕府のシステムは,天皇との同居を前提とする権力秩序で,至尊と至強を併有していた天皇から至強的要素が将軍に分離。鎌倉殿は朝廷を排さずに,御家人との主従関係による私的要素と,将軍としての国家公権による公的要素を併有した。江戸や明治時代の学者が中世をどう見たかも論じる。漢風ではなくローカルな呼称を用いた村上天皇の十世紀は中国の影響を受けたグローバルな文明主義から本朝回帰による王朝国家に脱皮した時期,という目の付け所もユニーク。

  • おおい さん

    参考になった。

  • onepei さん

    パワーバランスというか利用関係というか

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