双子は驢馬に跨がって

金子薫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309026053
ISBN 10 : 4309026052
フォーマット
出版社
発行年月
2017年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
金子薫 ,  
追加情報
:
192p;19

内容詳細

いつ何処ともしれぬ森の中のペンション―。オーナーなる人物に監禁された父と子は、双子が驢馬に乗って助けにくるのを信じて待ち続けていた。双子が辿るであろう道のりを地図に描き物語を紡ぎあげ、時に囲碁を打ちながら、父子はこの不条理の中、辛うじて精神の均衡を保っていた。いっぽう生まれつき旅と救済を宿命づけられた双子の少年少女は、驢馬ナカタニを得て旅立つが、行く先々で寄り道ばかり。畜獣の如く蹂躙されている人々がいるという噂を聞きつけ、二人は意気揚々と救出に向かうが―一通の手紙が二つの世界を繋ぐ時、眩い真実が顕れる。

【著者紹介】
金子薫 : 1990年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。2014年「アルタッドに捧ぐ」で第五一回文藝賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中 さん

    鉄格子の隙間からでも月を見あげたいから、真っ黒に塗りつぶされた壁を削って円を描いた。広大なキャンバスに双子の救済者と驢馬、困難だけれど絶対に辿りつける道を。砂漠には駱駝、湖には実のなる種を。 旅は終わらないし記憶は失われていく。そんなかなしいことを言わないで。いいえ、それはむしろ神にあたえられたただひとつの恩恵なのです。扉は永遠に閉ざされ希望は失われたけれど、そんなことはもはや重要ではない。まぶたを閉じれば月はいつでもそこで輝いている。

  • tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。 さん

    ☆8.0(5点満点ですが) 一気に読まされてしまった。金子薫の世界観に脱帽です。 「君子危うきに近寄らず」と「君子」の親子ふたりは、何処ともしれぬ森の中のペンションに監禁され、少年と少女の双子が驢馬に跨がり自分たちを救いに来ることを心待ちにしていた。 金子薫の描く異色の冒険譚。 これで金子の作品で未読なのは『壺中に天あり獣あり』だけになってしまった。 もっと金子の作品読みたい、新作をどんどん発表していただきたい。

  • (C17H26O4) さん

    物語は漸く出口へ到達したかと思いきや振り出しへ。振り出しは辛いな、と最初は思った。しかし親子も双子もオーナーの配下等も、それぞれがそれぞれの役割をこなしながら一つの物語というゲームを進めていたようにも、また、彼らがどこかそれを楽しんでいたようにも思えてなんとなく可笑しさが感じられた。姿を現さないメタ的存在のオーナーは何者なのだろう。囲碁の意味するものは。入れ子の中にまた入れ子があり且つ始まりも終わりもない世界に、閉じている苦しさと、閉じているからこそであろう不思議な安心感を覚えた。物語は続く…。

  • キク さん

    今のところ今年のベスト。部屋に監禁された記憶を失った男と少年は「自分達は親子で、驢馬に跨った双子がいつか自分達を助けにくる」と信じて、空想の地図を部屋の壁に描き続ける。アウシュビッツで絶望に囚われないように、8冊だけの秘密の図書館が運営されていたという話しを思い出す。絶望に対抗するために、物語が果たす役割はすごく大きい。なんで不条理なこの小説が、ここまで僕の心を揺さぶるのか考えてみた。部屋に監禁された親子と僕にそんなに違いはなくて、僕がどうかしてるほど本を読む理由も、きっとその辺に繋がっているからだろうな

  • keroppi さん

    何で、この本を読もうと思ったんだろう。いつか、書評か何かで見かけたのかもしれない。記憶も定かではなく、監禁された親子が驢馬に跨った双子を待つという設定に惹かれたからなのだろう。記憶がない登場人物たちの寓意に満ちた絶望と希望の物語。監禁された親子も、旅する双子も、この後、どうなっていくのだろう。

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人物・団体紹介

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金子薫

1990年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学専攻卒業、同大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。2014年、『アルタッドに捧ぐ』で第51回文藝賞を受賞しデビュー。2018年、第11回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。同年、『双子は驢馬に跨がって』で第40回野間文芸新人賞受賞

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