美女 集英社文庫

連城三紀彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087472134
ISBN 10 : 4087472132
フォーマット
出版社
発行年月
2000年07月
日本
追加情報
:
16cm,358p

内容詳細

この里苧のような女に、俺の「浮気相手」が演じられるのだろうか?妻の妹と関係を持った男は、妻の疑いをそらすために、馴染みの居酒屋の女将に一芝居打ってくれるように頼み込んだ。男の前で、妻とその妹、女将―3人の女の壮絶な「芝居」がはじまる。逆転、さらに逆転劇!(表題作「美女」)息を呑む超絶技巧で男と女の虚実を描く、8篇の傑作ミステリアス・ノベル。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • おかむー さん

    男と女にまつわるミステリ…というよりはイヤミス短篇集。『可もなし不可もなし』。あらすじの「息を呑む超絶技巧で男と女の虚実を描く」はどう見ても盛りすぎですね(笑)。文章にも展開にも熟れた安定感があるけれど、いい意味でのとんがったところのないどこかで見たような小品ばかりといった感触。どの作品も夫婦と浮気を軸としてほぼ登場人物のひとりの独白のみで構成されているので、内容はそれぞれ違っているのに読後感はどの作品も似たり寄ったり。短篇集という形をとるならもうちょっと幅をもたせて欲しかったなぁ

  • じいじ さん

    緻密に練られた連城氏の8中編ミステリーは、どれも甲乙つけがたい面白さだ。個人的好みで3編を選んでみた。まず、美容整形の医者夫婦の【夜光の唇】。13年間にわたって続けられる夫婦の静かな闘い。女の方が役者が一枚上だった。【夜の二乗】:同時刻に100qも離れた場所で起きた、よく似た二つの殺人事件の謎⁈「嘘をウソでひっくり返す、巧妙な嘘」オモシロイ。最後は表題作の【美女】だ。「また、浮気ですか?」朝食の時、浮気に目ざとい妻のドキッとする一言。この作品だけ、最初と最後に2度読んだ。緻密に組み立てられた傑作である。

  • セウテス さん

    「夜の二乗」「夜の右側」は、ミステリをすんなり感じる作品。その他は、ひとつの物語にミステリテイストで盛りつけた様な作品であり、作者らしい騙し絵を観ている様な感覚になる。物語が始まり読者が今まで信じてきた設定が、最後の瞬間がらりと入れ代わってしまう。その筋書きを読者に覚らせない内に、ストンと反転させてしまうから驚きが在るのだが、あまりにもサラリとやってしまうとオチが不明瞭という事もある。「喜劇女優」はこれまた考え抜かれた構成で在るのだが、犯罪が起きないという事が、ミステリとして理解の難しい処かも知れない。

  • アッシュ姉 さん

    男女関係に嘘や芝居はつきものだが、それにしても、、どんだけーー。反転のラッシュに目眩をおぼえる。ついていけたのは比較的シンプルだった表題作ほか半分位。解説者絶賛の「喜劇女優」は個人的には懲りすぎてしんどかった。「他人の家」はオチが分からず、「砂遊び」は難易度マックス。ん?なになにどういうこと?と読まされるが、ぶんぶんぶんぶん振り回されたあげく、ぽーんと放り投げられる。砲丸投げである。そして球がどこへ飛んだか見失う。へ?は?どういうこと?取り残される。チーン。私には複雑すぎたようだ。

  • yumiko さん

    大好きな連城さん中期の短編集。男と女の繊細な機微を描いた恋愛小説家であり、あっと驚くどんでん返しを得意としたミステリー作家でもある著者。 どちらが好みかで選ぶ作品は異なるだろうけれど、今作はおそらくどちらのファンも楽しめるはず。ただそこまで捻らなくても的な作品もあったのは否めず…個人的にはもう少しシンプルなものが好き。お気に入りは「夜の二乗」と表題作「美女」。前者は白井君並みにきれいに決まった捻りに感嘆。後者は三人の女と一人の男の心理模様が綾織りのように美しく、芸達者揃いの映像で見てみたい気がした。

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人物・団体紹介

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連城三紀彦

1948年愛知県生まれ。早稲田大学卒業。78年に「変調二人羽織」で「幻影城」新人賞に入選しデビュー。81年「戻り川心中」で日本推理作家協会賞、84年『宵待草夜情』で吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で直木賞を受賞。96年『隠れ菊』で柴田錬三郎賞を受賞。2013年10月、死去。14年、日本ミステリー文学

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