基本情報
内容詳細
ベストセラー「医者に殺されない47の心得」の近藤誠書き下ろし最新刊!
がんと免疫については、世間の人々が誤解していることがたくさんあります。たとえば「免疫力が高いと長生きできる」。
これが社会通念であるため、健康診断の採血結果で白血球数が(平均より)多いと喜び、少ないとがっかりしてしまう人が多い。しかし統計では、白血球が多い人たちのほうが、生存率が少し低くなるのです。
別の誤解は「免疫力を上げると、がんにかかりにくくなる」。
それでがん治療に際し、免疫力増強に励む患者が多数を占めます。しかし実際には、免疫力が高くなった症状「炎症」があると、がんの発生率が上がるのです。慢性肝炎があると、肝がん発生率が跳ね上がります。安倍首相の持病である潰瘍性大腸炎も、経過が長くなると大腸がんが発生しやすくなることが知られています。
私が一番問題だと思うのは、それらの誤解があるために、あたら命を縮め、財産を失う患者・家族が大勢いることです。
命を縮めるというのは、治るはずの患者が免疫療法によって亡くなってしまう、あるいは、免疫力増強に励んだ結果、体力を落として早死にしてしまうことが少なくないのです。本書では、その実例を示します。
財産を失うというのは、市中の免疫療法クリニックによるサギ被害です。じつは、それらのクリニックの免疫療法で、治癒効果や延命効果が実証されたものは一つもありません。それらで行われている「免疫細胞療法」「樹状細胞ワクチン」「ペプチドワクチン」「爪もみ療法」「丸山ワクチン」など、全部デタラメです。
それなのに患者・家族は、白衣を着たサギ師たちの甘言に乗せられ、数百万から数千万円を巻き上げられているのです。本書では、その解決策を探ります。
【著者紹介】
近藤誠 (医師) : 1948年、東京都に生まれる。慶應義塾大学医学部放射線科講師。慶應義塾大学医学部を卒業後、アメリカに留学。帰国後は、がん一般の治療を専門とし、乳がん治療では早くから乳房温存療法を実践。一方で、日本の医療界の変革と、患者本位の医療を実現するため、医療現場からの情報公開に力を注ぎ続けている。2012年、がん治療における先駆的な意見を一般人にもわかりやすく発表し、啓蒙を続けてきた功績により、第60回菊池寛賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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sas さん
読了日:2014/07/27
手ぬぐいゲッター さん
読了日:2016/04/10
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人物・団体紹介
近藤誠 (医師)
1948年10月24日生まれ。2022年8月13日逝去。1973年慶應義塾大学医学部卒業後、同医学部放射線科に入局。79〜80年、アメリカへ留学。83年から同放射線科講師を務める。96年に刊行した『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋)で抗がん剤の副作用や、拡大手術などがん治療の問題を率直に指摘し、医療
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