完全版1★9★3★7 上 角川文庫

辺見庸

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041049525
ISBN 10 : 4041049520
フォーマット
出版社
発行年月
2016年11月
日本
追加情報
:
288p;15

内容詳細

1937年中国で父祖たちはどのように殺し、強姦し、略奪したか。いかに記憶を隠蔽し口をつぐんできたか。自分ならその時どうしたか。父の記憶をたどり、著者は無数の死者の声なき慟哭と震えに目をこらす。戦争の加害にも被害にも責任をとらず、総員「忘れたふり」という暗黙の了解で空しい擬似的平和を保ってきた戦後ニッポン。その欺瞞と天皇制の闇を容赦なく暴きだした衝撃作。文庫化にあたり大幅加筆、新章を加えた完全版。

目次 : 序章 いま記憶の「墓をあばく」ことについて/ 第1章 よみがえる亡霊/ 第2章 屍体のスペクタクル/ 第3章 非道徳的道徳国家の所業/ 第4章 かき消えた「なぜ?」/ 第5章 静謐と癇症/ 第6章 毛沢東と三島由紀夫と父とわたし

【著者紹介】
辺見庸 : 作家。1944年、宮城県生まれ。早稲田大学文学部卒。70年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、編集委員などを経て96年、退社。この間、78年、中国報道で日本新聞協会賞、91年、『自動起床装置』で芥川賞、94年、『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞受賞。2011年、詩集『生首』で中原中也賞、翌12年、詩集『眼の海』で高見順賞、16年、『増補版1★9★3★7』で城山三郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • KEI さん

    1937年、日本は中国に対し何をしたか?南京大虐殺の詳細を多くの知見と共に自説を述べる。私にとって、自分が生まれる前の過去のもの、そして中国側が発表した被害者数の矛盾(南京の人口より被害者が多い)等により、忘れ去るべき事として捉えていた事が間違いであったと思い知らされた。「殺、掠、姦」という蛮行を許し宣戦布告なき戦争をしたニッポン、その時、自分の父祖はその戦いで何を思ったか、自分だったらどう対応したのだろうかと何度も自問する著者の思いに共感する。現在と何が変わったのか?戦慄する。著者の渾身の力作。

  • jahmatsu さん

    南京大虐殺に関して他の作品等読んだが、レベル違いの重さ、よくぞここまで書き、まとめた。著者の怒り、失望、傷心が言葉に滲み出ていて活字にもの凄い力を感じる。一呼吸して下巻へ

  • sashi_mono さん

    「未来は過去からやって来る」…自壊しつつある現代日本の謎を解くカギは1937年にあると作者はいう。本書は1937年の時代状況を踏まえて、日本および日本軍がおこなった当時の蛮行を炙り出しながら、作家が徹底的に自問をも課す審問の書。「日本論」「日本人論」としても読める。下巻に続く。

  • おおにし さん

    2015年に初版が週刊金曜日から出て、翌年河出書房新社から増補版が出たと思ったら、その年のうちに角川文庫から完全版が出版。どうしてこんなに目まぐるしく改訂が繰り返されたのか事情はよくわならないのだが、そのせいなのか角川文庫からでたとき、あまり宣伝されなかったようだ。新聞の書評でも取り上げられていなかったのでは?日中戦争で日本人が中国人に対して行った残虐行為に対して、作家や文化人がどのようにとらえていたのか本書でよくわかった。我々はあの戦争についてどうとらえたらよいだろうか。深く考えさせられる本。

  • 呼戯人 さん

    私たち日本人の心性には、根本的には自滅への願望が隠されているのだろうか。天皇制ファシズムが再び鎌首をもたげ、滅亡への道を生き急いでいるように見える今日、その根本的な日本人の心性を暴き、白日の下にさらしだそうとする辺見庸の試み。彼の掲げる歴史の鏡に映し出されて、日中戦争の始まった1937年を鏡として2016年現在の日本の姿が映し出される。その恐ろしい姿に戦慄を覚えないものがいるだろうか。私たちの心の奥底に流れる「海行かば」の旋律。この奥底の旋律が死と破壊への願望なのだとしたら、私たちには何ができるのか。

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辺見庸

1944年宮城県石巻市生まれ。70年共同通信社入社、北京特派員、ハノイ支局長、外信部次長などを経て96年退社。78年中国報道により日本新聞協会賞受賞、87年中国から国外退去処分を受ける。91年『自動起床装置』で芥川賞、94年『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞、2011年詩文集『生首』で中原

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