基本情報
内容詳細
「琉球処分」から沖縄戦、アメリカ統治時代をへて日本復帰そして―生き、動き、変容する沖縄の現在を歴史をめぐる多彩な記述から重層的に捉える近現代沖縄民衆史。
目次 : 解説 交錯する沖縄民衆史(原知章)/ 八重山群島住民の言語及び宗教(田代安定)/ 南島研究の現状(柳田國男)/ 沖縄歴史物語 第八章(伊波普猷)/ 王国の消滅と沖縄の近代(赤嶺守)/ 沖縄に存する我が古代信仰の残〓(一)(折口信夫)/ 沖縄の世界観についての一考察―東村平良を中心として(渡邊欣雄)/ 沖縄、その危機と神々(谷川健一)/ 南島人の歴史意識(いれいたかし)/ ユタの弾圧史―ジュリとの比較から(塩月亮子)/ 「伝統の創出」としての門中化―沖縄のユタ問題ともうひとつの「創造の共同体」(小田亮)/ “池間民族”考―宮古島嶼文化の個性と文化的個性の強調(笠原政治)/ 村落の歴史的環境保全施策―沖縄県竹富島の町並み保存の事例から(藤岡和佳)/ 記憶の覚醒と地域づくり―沖縄の都市近郊の事例から(宮下克也)/ 戦死者の魂が語り出すとき―戦後沖縄の心象風景(北村毅)/ プロセスとしての“共同体”―沖縄・波照間島の「戦争マラリア」をめぐる語りを事例に(加賀谷真梨)/ 人間‐環境系の沖縄的特質(松井健)/ 基地と「風水」―沖縄読谷村における米軍基地撤去運動と地域づくりの事例から(原知章)/ 沖永良部島民の歴史、文化、アイデンティティ(高橋孝代)/ 複数のオキナワ・アイデンティティ―沖縄県南大東島の事例(進尚子)/ フィールドでの「濃いかかわり」とその落とし穴(安渓遊地)
【著者紹介】
谷川健一 : 1921年熊本県水俣市生。東京大学文学部卒。平凡社『太陽』の初代編集長をへて、1970年代に『青銅の神の足跡』や『鍛冶屋の母』などを発表し、民俗事象と文献資料に独自の分析を加え、日本人の精神的基層を研究する上での「地名」の重要性を指摘する。1981年神奈川県川崎市に日本地名研究所を設立し、所長に就任。1992年、第2回南方熊楠賞受賞。2007年、文化功労者。2013年死去。著書に『日本庶民生活史料集成・全20巻』(共編、三一書房、1973年、第27回毎日出版文化賞)、『南島文学発生論』(思潮社、1991年、第42回芸術選奨文部大臣賞)、『海霊・水の女』(短歌研究社、2001年、短歌研究賞)他
大和岩雄 : 1928年長野県生。旧長野師範学校(現信州大学教育学部)卒。1952年雑誌「人生手帖」を創刊。1961年大和書房を創立。出版社経営の傍ら古代史研究に着手、季刊「東アジアの古代文化」編集主幹を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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