アサッテの人 講談社文庫

諏訪哲史

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062767002
ISBN 10 : 4062767007
フォーマット
出版社
発行年月
2010年07月
日本
追加情報
:
15cm,186p

内容詳細

吃音による疎外感から凡庸な言葉への嫌悪をつのらせ、孤独な風狂の末に行方をくらました若き叔父。彼にとって真に生きるとは「アサッテ」を生きることだった。世の通念から身をかわし続けた叔父の「哲学的奇行」の謎を解き明かすため、「私」は小説の筆を執るが…。群像新人文学賞と芥川賞のダブル受賞。

【著者紹介】
諏訪哲史 : 1969年名古屋市生まれ。國學院大学文学部哲学科卒。『アサッテの人』で第50回群像新人文学賞、第137回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 新地学@児童書病発動中 さん

    非常に私好みの作品。最近の芥川賞では『コンビニ人間』が一番気に入っていたのだが、こちらの方が好きかもしれない。少年時代の吃音を経て、「ボンパ」や「ホエミュウ」などのわけの分からない言葉を、発するようになった叔父をめぐる物語だ。この世は余りに決まりきっていて、息苦しさを感じることがある。この叔父さんのように、急にわけの分からないことを叫びだしたくなることは、どんな人にもあるのではないだろうか。「ボンパ」や「ホエミュウ」には突拍子のないユーモアを感じるが、同時にこの世に適応できない悲哀が滲み出ている。

  • ω さん

    ぐはっ…ω これは腹に重く来る作品だぜ。と思ったら書かれた背景がまたすごい。世に出るべくして出た本だの。難しいけれど「アサッテの人」の何たるかが少し分かった気がする。ポンパッカポンパ、ポンパッカポンパ! 2007年群像&芥川賞 ポンパ!

  • Y2K☮ さん

    著者は町田チルドレン? メタな書き出しは又吉の火花ばりにお堅いが、すぐ惹き込まれた。吃音に苦しむ語り手の叔父。突然発するポンパ!やタポンテューが窮屈な世俗をぶち破る。だがナチュラルな個性は人の目を意識すると途端に消え失せる。皆と一緒の凡庸さに憧れていたが、いざなってみると不毛な言葉の渦に押し潰される。多数派を真似る必要は無いが殊更に違いを求めるのも歪だ。既存小説へのアンチテーゼはジョージ・ハリスン「アイ・ミー・マイン」そのものの自分自分な社会への嫌悪。アサッテでも宇宙人でもいい。自然に変態で生きましょう。

  • 燃えつきた棒 さん

    第137回芥川賞受賞作品であり、諏訪が恩師種村季弘からもらった宿題への回答であろう。 ゴーゴリ『外套』以来、久々の「僕の」本だ。 そうとも、僕は「棒になった男」ではなく、「棒になったアサッテ男」だったのだ。 そう思えば、苦しかった時間が腑に落ちてくる。 病みつつ生きること。 このこと以外に何の興味もない。 病みつつ生きる「技法」のみだ。 探偵(私)は叔父(アサッテの人)を追う。 そして、いつのまにか、僕はアサッテの人になる。

  • hit4papa さん

    失踪した叔父の、言葉にまつわる奇妙な行動の原因を、小説という手段を使って解き明かそうとする物語です。哲学的な意味合いが多分にあるのでしょうが、深読みしなくても十分に楽しめる作品になっています。むしろ、奇妙なコトバのリズムに、笑ってしまうかもしれません。

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