保守思想のための39章 中公文庫

西部邁

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784122057357
ISBN 10 : 4122057353
フォーマット
出版社
発行年月
2012年12月
日本
追加情報
:
16

内容詳細

保守思想について述べた本は少なくないが、古今の思想史の中に位置づけた本は決して多くはない。保守思想自体に体系化を拒む面があるからだ。本書はその数少ないうちの一書であり、入門書にして思想の深奥にまで触れた名著である。歴史の知恵が凝縮した保守という考えを、危機の時代にあって明晰に捉えた本書の価値は、いま極めて大きい。

目次 : 地球の危機―帝国主義が蔓延する/ 情報の空虚―ITが空回りする/ 「戦後」の完成―アプレゲールの末路/ 感情の優位―合理の前提はどこにあるのか/ 葛藤の遍在―感性は錯綜している/ 平衡の必要―健全な精神は精神の曲芸を要求する/ 幻覚の不可避―精神のはたらきはすべて仮想である/ 持続の意義―リアリティの根拠を求めて/ 成熟の希求―常識という「死者の書」/ 愛着の必然―手段へのこだわりが生をゆたかにする〔ほか〕

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ドクターK(仮) さん

    近代主義、個人主義、進歩主義etc…本書は今日の社会を牛耳るこれらの思想を糾弾し、保守思想の可能性を愚直なまでに追求する。我が国において、(まともな)保守思想は瀕死の状態にあると言えるが、「文明を再建するための礎石は保守思想のほかにはありえない、と気づかれるときがやがてやってこないともかぎらないのである。」(p.227)とあるように、氏は希望を捨てているわけではない。わずかな可能性であっても、自らが信じる道に生のエネルギーを注ぎ込むその姿勢こそが、保守思想の本質を体現しているのかもしれない。

  • くらひで さん

    人間の営為は常に進歩するという前提に近代の文明社会が発展してきたというのは思い上がりかもしれない。今の政治経済・社会情勢・科学技術・外交防衛など、多方面でそのほころびが出ている。著者は、米国の属国として何の疑いもなく追従する大衆(=愚衆)国家である日本に警鐘を鳴らす。日本の歴史・文化・慣習を元に自省し、未来の指針を見出そうとする保守思想の特徴を解き明かす。保守主義を帝国主義・軍国主義・ナショナリズムと同一視するのは間違いだが、その傾向に走りがちになる世情に知識人が常に監視し正しい発言力を持つ必要があろう。

  • 代理 さん

    59頁の、変化による利益と損失は、利益は不確実だが損失は確実だ。というオークショットの言葉が良かった。タイトルに主義を入れなかったのはなるほどなと思った。

  • しろくまZ さん

    ようやく通読できた。一度では、とても著者が言うところの「保守思想」の全容は理解できない。多分、これから何度でも読み直すだろう。

  • 双海(ふたみ) さん

    近代主義への懐疑なき自称保守たちの振る舞い。彼らは自らを反左翼的だとして得意になっているが、その実態は・・・。氏は言う「あろうことか、保守派を自称し他称される人々が、知識人とよばれる連中を先頭にして、このアメリカナイゼーションという名の大衆化の歯車がさらに急速に回転し、そしてさらに大量に増産されるのに協力している。」 パクス・アメリカーナの渦中にある日本、これから一体どうなってしまうのか・・・。

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西部邁

1939年、北海道生まれ。思想家。東京大学教授、秀明大学教授・学頭、雑誌「発言者」主幹、「表現者」顧問を歴任。著書に『経済倫理学序説』(吉野作造賞)、『生まじめな戯れ 価値相対主義との闘い』(サントリー学芸賞)、『サンチョ・キホーテの旅』(芸術選奨文部科学大臣賞)、『ファシスタたらんとした者』ほか多

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