地下の鳩

西加奈子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163810607
ISBN 10 : 4163810609
フォーマット
出版社
発行年月
2011年12月
日本
追加情報
:
223p;20

内容詳細

大阪、ミナミの繁華街―。夜の街に棲息する人々の、懸命で不恰好な生き様に、胸を熱くする力作誕生。

【著者紹介】
西加奈子 : 1977年テヘラン生まれ。カイロ、大阪で育つ。関西大学法学部卒業。2004年『あおい』でデビュー。05年、2作目の『さくら』がベストセラーとなる。07年『通天閣』で織田作之助賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 風眠 さん

    ダメ男とダメ女のラブストーリー、人間の内側に在る闇が淡々と描かれている。有り金全部遣って食べては吐きを繰り返す女、そうすることが自分を内側から空っぽにしてくれると信じている。そして、そんな女が生活の全てを面倒みてくれるのは、自分に魅力があるからなんだと現実の苦しさから逃げ続けている男。傍目には歪んだ関係に見えても、離れられないふたり。男女の関係は善悪ではないから簡単ではない。大阪ミナミを舞台に、夜の中でしか生きていけない男女の哀しみが痛々しく描き出されている。スピンオフのミミィさんの物語もとてもよかった。

  • 新地学@児童書病発動中 さん

    夜の世界で働く男女を描く連作。どちらの短編も巧い。斬新さはないのだが、第一線で活躍している作家の勢いを感じた。「地下の鳩」の方は、吉田とみさをの恋が切なく、胸に沁みる。二人とも大空を飛べない地下の鳩で、地下の鳩同士がくっつき合って、心の傷を癒そうとしている感じ。「タイムカプセル」はおかまのミミィの生き方を陰影深く描いた短編。終盤でミミィが店の客に怒りを爆発させるところが、心を揺さぶる。故郷に帰って、自分の生き方を振り返り、自ら命を絶った姉のことを思い出す場面では泣けた。

  • りずみぃ さん

    この暗さは気持ちええわ。夜の世界で刹那的に生きている人たちを丁寧に愛情を持って描いた作品。どんどん地面を掘り下げて行ったら、ブラジルに着いてもぉた。みたいな不思議な達成感と爽快感を味わえました。

  • myunclek さん

    西加奈子って、つかみが本当に上手だなって思います。新しい本の読み出しは、流れに乗るまでページを戻ったりして登場人物の関係に戸惑うことがよくあるんです。話の始めから流れに乗れる文章は心地良いことこのうえない。話の内容はまた、別問題ですがね^_^ おかまのミミィには泣かされました。

  • ゆみねこ さん

    タイトルの作品と、小編「タイムカプセル」の2つの作品。タイトル作は主人公「吉田」に共感出来なくて重く苦しい読後感。タイムカプセルは好きな作品で、これを読めて良かったです。

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人物・団体紹介

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西加奈子

1977年イラン・テヘラン生まれ。エジプト・カイロ、大阪府で育つ。2004年に『あおい』でデビュー。07年『通天閣』で織田作之助賞、13年『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、15年に『サラバ!』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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