田紳有楽 シリーズ日本語の醍醐味

藤枝静男

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784904596043
ISBN 10 : 4904596048
フォーマット
出版社
発行年月
2012年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
352p;20

内容詳細

私小説が「私」を超えたとき、なにが姿を現したか。初期の創作説話から「私倍増」小説にいたる藤枝文学の特異な軌跡を刻印する。

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • マリリン さん

    「龍の昇天と河童の墜落」は、説話を知らなかったものの、山・海・川に千年棲み昇天する龍の話を怪奇変奏曲にした味わいは好み。文平の生涯を描いた「文平と卓と僕 」風変りという言葉で言い表せない独特な世界に惹かれた。「静男巷談 」「壜の中の水 」「みな生きものみな死にもの 」「老いたる私小説家の私倍増小説 」も読み応えあり。どこに行くのか何が起こるのか解らない刺激感。著作も名前も知らず、好きな作家さんが触れていなかったら読む機会を逸したと思う。私小説という枠の中に幻覚や幻想・怪奇が潜み時に官能的でもある。

  • Ayumi Katayama さん

    読んでいて筒井康隆の『虚航船団』を思い起こしたのだが、解説によると『虚航船団』こそがこの『田紳有楽』に触発されて書かれたものなのだそうで、なるほどそうであったかと深く納得した。志野、丹波、柿の蔕が躍動する。グイ呑み、丼鉢、茶碗である。加えて、弥勒や妙見や大黒も交えて、西に東に過去に未来に忙しい。大黒がやって来るところは圧巻でついつい何度も読み返してしまう。大粒の雹が降りドシンと雷が落ちでたらめに火柱が閃く。身の丈十メートルの妙見と六メートルの大黒。並んで立った姿をご覧いれよう。と思ったが長いのでやめる。

  • 三柴ゆよし さん

    「田紳有楽」はそれだけ読んでも傑作だが、たとえば本書併録の「龍の昇天と河童の墜落」「壜の中の水」をあわせて読むことで、藤枝静男というおかしな小説家の主題と方法とが、もうすこしはっきりみえてくる。人間はどこまでいっても<個>でしかありえず、そこには真物も贋物もない。とはいえこの浮き世ではだれもかれもがマウントの取り合いに終始し、寝首を搔くを狙い、どうしたって物事の白黒をつけたがる。エーケル、エーケル。すなわち、嫌悪。厭離穢土。生物と無生物の境界を容易く横断し、真贋の別を自在に転倒させる藤枝静男の作法は(続)

  • ksh さん

    なんといっても表題作である。痛快、痛快。ぐい呑みと金魚C子による色事の荒唐無稽さには腹を抱えて笑ったし、茶碗は人間に化け、丼鉢は大河ドラマのごとく主人ラマとともに諸国漫遊、飛翔の術を会得し、池のなかに居を構えている。これが私小説だというのだから藤枝静男はどうかしている。何が私なのか。しかし、抜群に面白い故にそんなことはどうでもよくなってくる。ところがふと、これは化かされているんじゃないかと疑問が湧く。馬鹿馬鹿しさの上に非常に醒めた宇宙観があることに気付く。だが、それを語るのも野暮だろう。山川草木悉皆成仏。

  • nightowl さん

    ねじくれた一個人の「私」の世界を思いがけず覗き込んでしまった感覚。急に妙な方向へ飛ぶ「静男巷談(抄録)」、焼き物の心理描写(?)にどう受け取っていいものか戸惑い最後も唖然とする表題作など現在出版されている日本語の醍醐味シリーズで最も突飛な作家。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

藤枝静男

1907・12・20/戸籍上では1908・1・1〜1993・4・16。小説家。静岡県生まれ。旧制八高時代に平野謙、本多秋五を知る。1936年、千葉医科大学卒業。42年、海軍火薬廠付属病院に勤務。戦後は妻の実家で眼科診療を手伝い、50年、浜松市で眼科医院を開業。この間、47年、最初の小説「路」を平野、

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品