餓死した英霊たち ちくま学芸文庫

藤原彰

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480098757
ISBN 10 : 4480098755
フォーマット
出版社
発行年月
2018年07月
日本
追加情報
:
288p;15

内容詳細

第二次大戦で死没した日本兵の大半は飢餓や栄養失調によるものだった。彼らのあまりに悲惨な最期を詳述し、その責任を問う告発の書。 解説・一ノ瀬俊也

【著者紹介】
藤原彰 : 1922‐2003年。東京に生まれる。陸軍士官学校卒業後、中国各地を転戦する。復員後、東京大学文学部史学科に入学し、1949年卒業。千葉大学文理学部、東京都立大学人文学部、東京大学教養学部などで講師をつとめ、一橋大学社会学部助教授を経て、1969年より同大学社会学部教授。1989年より女子栄養大学教授。専門は日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ベイス さん

    加藤陽子さんが必読書にあげていた。アジア太平洋戦争の日本軍戦没者230万の過半数は、戦闘で死んだいわゆる「名誉の死」ではなく、餓えと病気による「餓死」である、との告発。第一章でガダルカナルやインパールなど個別の戦場の実態が、第二章でなぜこんな無惨な事態が繰り返し引き起こされたのかの検証がなされる。著者本人が従軍していたこともあり、その筆はマグマのような憤りが沸沸と横たわりつつ、理路整然としていて鋭い。類似の『失敗の本質』より、こちら方が腹に落ちた。中でも「幼年学校」による偏狭な教育の弊害を指摘したは白眉。

  • kinkin さん

    日中戦争、太平洋戦争で230万人もの兵士が戦死したうち180万人が飢餓や病気だったことに改めて驚く。ガダルカナルやインパールは有名だが、どこの戦場でも補給物資が届かないため戦闘することなく死んでいった。原因は、ほとんどが軍幹部の無策、精神論の強要だ。、いわゆる放ったらかしだ。それは本人も餓死しない者も悲惨であったと思う。以前インパール作戦で生き残った老人が、涙を流しながら戦争について語っていたテレビ番組を見たことがある。戦後80年経過する中、戦争のような愚弄なことは絶対やめなければならない。

  • かおりんご さん

    歴史。何が一番ショックだったかというと、先の大戦で亡くなられた方の大半が戦病死だったこと。華々しく戦ってなくなられた方も勿論おられたけれど、火力装備軽視、兵站軽視の白兵主義で、ただ精神力だけで戦った方たち。戦病死には、マラリアや赤痢、栄養失調で命をおとした方が含まれます。日清日露の歴史から学ぶことなく、机上の空論、理想だけで作戦を実行していったのでしょう。さらに、戦病死に拍車をかけたのが『生きて虜囚の辱しめを受けるな』という軍規。人の命を軽視しすぎです。読んでいて、とてつもなく切なくなりました。

  • nnpusnsn1945 さん

    中国戦線だと、食事に困らないかと一見考えてしまうが、大陸打通作戦で食料不足や疫病が深刻であったことが伺える。著者が作戦に参加したからこその貴重な体験である。安定した補給がないことも、占領地域の住民の反感を買ったのであろう。食料不足だと将兵の性格が荒れるのは当然のことである。仙台の護国神社にガダルカナル島で亡くなった将校の日記があったが、自己を奮い立たせる言葉に混ざって食事情の厳しさも書かれていた。もし靖国神社の遊就館に行くことがあれば、勇ましい展示の裏側に、本書のような事例があったことを思い返してほしい。

  • Ex libris 毒餃子 さん

    このときの失敗を徹底的に追及しなかったこと、総括も粛清もしなかったことがのちの日本社会における組織的宿痾につながっていると考えられはしないだろうか。補給線の軽視、精神主義への偏り、エリート主義による現場軽視はいまも続いてはいないか。今の若者は餓死せず、メンタルを病み、死しても英霊になれないのだ!戦前から続くレジームからの脱却は必要なのである。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

藤原彰

1922‐2003年。日本近現代史・軍事史。1941年7月陸軍士官学校卒、10月に少尉任官。華北における治安粛正戦、満州における対ソ警備、大陸打通作戦に参加した後、本土決戦のための大隊長として敗戦を迎える。1949年東京大学文学部史学科卒。1969‐1986年一橋大学社会学部教授(本データはこの書籍

プロフィール詳細へ

哲学・歴史・宗教 に関連する商品情報

おすすめの商品