指導者(リーダー)の不条理 組織に潜む「黒い空気」の正体 PHP新書

菊澤研宗

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784569853673
ISBN 10 : 4569853676
フォーマット
出版社
発行年月
2022年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
279p;18

内容詳細

人と組織は合理的に失敗する。とくに日本の組織において表面化するこの「不条理」のメカニズムの解明に挑んできた著者。その長年の「不条理」研究を発展させ、集大成として書き下ろしたのが本書である。失敗する組織内では、指導者たちの合理的な判断によって、「やましき沈黙」が生じ、潜んでいた「黒い空気」が、いつのまにか組織全体を覆ってしまう。日本近代の戦史から現代の企業経営史まで、この絶えることのない「不条理」現象に着眼し、本書では最新経済学や経営学、さらには哲学を援用して、組織を汚染し、破滅に至らせる病への処方箋を、現代を生きるリーダーに向けて提示する。

目次 : 序章 日本の戦史にみる失敗の真因―指導者は不条理な「黒い空気」に覆われて失敗する(「戦艦大和の沖縄特攻」はなぜ実行されたか/ 「戦艦大和の沖縄特攻」に対するこれまでの定見 ほか)/ 第1章 「不条理」への経済学的挑戦―戦史にみる「黒い空気」発生のメカニズムと最新経済学(不条理な「黒い空気」と戦争指導者たち/ 日本の戦史を「取引コスト理論」で読みなおす ほか)/ 第2章 「不条理」への経営学的挑戦―ダイナミック・ケイパビリティ論とドラッカー経営論の援用(ダイナミック・ケイパビリティ論による理論的解決とその可能性/ ドラッカー理論と「黒い空気」支配からの回避 ほか)/ 第3章 「不条理」への哲学的挑戦―哲学者カントの「理論理性」と「実践理性」の援用(「理論理性」の再把握/ 道徳的に価値判断をする「実践理性」の再把握 ほか)/ 結章 不条理な「黒い空気」に支配されないための処方箋―「理論理性」と「実践理性」の重層的なマネジメントが鍵となる(「重層的マネジメント」とは何か/ 「不条理」の克服に向けて―戦史と現代の事例比較から ほか)

【著者紹介】
菊沢研宗 : 1957年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。同大学大学院博士課程修了後、防衛大学校教授、中央大学教授などを経て、2006年から慶應義塾大学商学部商学研究科教授。この間、ニューヨーク大学スターン経営大学院、カリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院で客員研究員。専門は新制度派経済学(組織の経済学)とダイナミック・ケイパビリティ論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • C-biscuit さん

    新品購入。興味深いタイトルである。中身も非常に面白ろかった。合理的失敗のことをこの本では「不条理」と呼んでいる。この本ではその不条理を克服する方法も論じられており、結局のことろ哲学的な話になるのである。人間に元々備わっている良心本心の部分だと認識。気咎めがある行為はやはりリーダーとしてもすべきでないとの再認識。太平洋戦争や現在の経営者や不祥事を起こした会社など事例を活用しながら、なるべくしてなる「黒い空気」に包まれる情景もよく説明している。今なお、さまざまな場面にそのようなものが存在しているようにも思う。

  • hiyu さん

    不条理に込められた意味について、カント等も交え、すんなりと理解できた気がする。同時に意図自体は分かるのだが、途中、こういう解釈では一面的ではないかという印象もないわけはなかった。この点自分自身、感情的になっているという自覚はあるのだが。

  • miohaha さん

    負けるとわかっているのに米国との戦争に進んだ日本とコロナ感染拡大下でオリンピックパラリンピック開催に踏み切った日本。そこには黒い空気が存在したということ。リーダーとして、黒い空気を晴らし、正しい判断をするにはとうあるべきか考察しています。自分の会社や我が身を振り返りつつ読みました。

  • 難波猛 さん

    #読書 ◆組織は合理的に失敗する=不条理 ◆「合法的な不適切」に進む「黒い空気」を浄化する ◆取引コストが大きいと非効率や不正を合理化する ◆損得勘定や経済的合理性に道徳的勇気と倫理的正当性を加えた重層的マネジメントが必要 ◆頭の良いリーダーほど見えない取引コスト(人間関係や利害関係)が分かり「黒い空気」で決断する ◆パラダイム変革には膨大な取引コストが必要 ◆リーダーのダイナミックケイパビリティ(変革能力)が重要 ◆理論理性(他律的行動=無責任と傍観)だけでなく実践理性(正しさ、人間主義的)が必要

  • ぐんまくん。 さん

    日本軍が太平洋戦争を起こした理由を、有名な山本七平の「空気」を否定する。その代わり、非効率や不正を維持した方が合理的だと判断するとき、組織は不条理な「黒い空気」に支配され合理的に失敗すると説明する。そしてその不条理を解決するためにカント哲学を持ってくる。一見難しそうにも思えるが、思いのほか読みやすく、わかりやすい。

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