学力と階層 朝日文庫

苅谷剛彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022617347
ISBN 10 : 4022617349
フォーマット
出版社
発行年月
2012年08月
日本
追加情報
:
342p 15cm(A6)

内容詳細

「学習資本」の階層差がますます拡大する日本の教育。「出身階層」という社会的条件の違いが子どもたちにもたらす決定的な差について警鐘を鳴らす。90年代以降、迷走を続けた教育政策を豊富なデータとともに検証。学力問題の第一人者が説く処方箋。

目次 : 1章 階層で学力が決まるのか、学力が階層を作るのか/ 2章 義務教育の機会は平等に保たれているか/ 3章 これが教員勤務の実態だ―学校週5日制完全実施後の「教員勤務実態」調査報告から/ 4章 教育政策をめぐる論点、論争/ 5章 教育の綻びをどう修正したらいいか

【著者紹介】
苅谷剛彦 : 1955年東京都生まれ。社会学者、オックスフォード大学教授。79年東京大学卒業。88年米ノースウエスタン大学大学院修了(Ph.D社会学)。専攻は教育社会学、比較社会学、現代日本社会論。『階層化日本と教育危機』で大佛次郎論壇賞奨励賞受賞。『教育の世紀』でサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • マッキー さん

    親の社会的階層が子供の学習意欲にも多大な影響を与えている、ということを統計学で示した本です。正直ね、私は悲しい。なぜ自分の意思で生まれたわけでもないのに人生のスタートラインがあの家庭とこの家庭でこうも違うのか。この格差はとてもじゃないが義務教育だけで補正できるものではない。なぜなら「努力すること」も階層によっては到底不可能なことだからである。教育の機会は均等に与えられているが、努力は誰にでもできるものではない。この現実を突きつけられて、我々教員はどう現状と向き合っていけばよいのでしょうか。

  • isao_key さん

    2008年出版の本を文庫化。学力、教育についての格差、不均衡、親の社会的階層と教育の優劣による影響など多岐にわたって論じている。予測できてはいたが、親の社会的階層が高い子どもほど「自ら学び、自ら考える力」の学習にも積極的に関わり、逆に低い子どもは関わりが弱いことが明らかになっている。小学生の段階ですでに大きな階層差がついており、学習能力にも影響を及ぼす。ここで躓いてしまうと後々の将来の学習機会の選択も限られたものになってしまう。後半では学習という社会的行為が人的資本主義に求められてきていることを指摘する。

  • Moloko さん

    子供の学力や学習意欲が社会階層や家庭の文化資本(≒家庭教育。分析の独立変数では子供の基本的生活習慣)によって左右されることを実証した論考や、価値の多様性を基本にする自由・民主主義と抵触するように見える「道徳教育」の教育基本法への盛り込みとその問題点、少子化にも関わらず高齢化した教師の大量退職によって教師の人件費が増加するという分析、学校週5日制等の教育改革に対する現場の教師達の批判を如実に表したアンケート調査、「学習資本主義」によって学習機会の選択がますます個人の責任とされていくという論評等を含んだもの

  • hyoshiok さん

    階層で学力が決まるということをファクトベースで示す。授業の理解度、学習意欲に示される格差がある。家庭的背景が学力(学ぶ意欲)に大きな影響を及ぼす。戦後の義務教育は機会均等をほぼ全国均等に行ってきた。それが近年地域格差をもたらし始めた。文部省の中央集権的方法は「画一教育」と呼ばれていたが全国どこでも同じ教育を受けられることのメリットは確かにあった。(125頁)ナレッジワーカー(ドラッカー)の重要なスキルとして「学習」(247頁)。「自ら学ぶ力」(学習資本)が重要になる(250頁)学習資本主義が出現した。

  • koheinet608 さん

    この本の逸脱な所は、統計調査から精緻な分析を行い、 そこから導きだされたファクトを世に知らしめたことです。 日本は既に「階層化」していると喝破し「親の学歴は、子の学歴や学習へのやる気」に多大な影響を与えているとしています。 「何となく、そうだろう」と思っていたことが、はっきりと社会科学的に証明されたからです。 今後、日本社会は、【学習能力】が資本になるということです。そして、その学習能力の資本が、社会のあり方と人間形成に深く関わるようになるとの指摘です。

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苅谷剛彦

1955年生まれ。現在、オックスフォード大学社会学科及び現代日本研究所教授

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