歴史としての戦後史学 ある歴史家の証言 角川ソフィア文庫

網野善彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784044003999
ISBN 10 : 4044003998
フォーマット
出版社
発行年月
2018年09月
日本
追加情報
:
368p;15

内容詳細

それまでの自分の生き方の決定的な誤りに気付いた1953年の夏から40余年間、ひたすらに学問と研究に向き合い、独自の歴史像を拓き続けた歴史家・網野善彦。「一つ一つの仕事、一通一通の文書を大切にするような姿勢だけは崩すまい」―戦後史学の当事者でもあった著者の苦悩と挫折、知られざる学問形成の足跡に肉薄。今後の歴史学に対する危惧を抱きつつも、その新たな展開へ強い願いを込めた自伝的名著。

目次 : 戦後の“戦争犯罪”/ 1 戦後歴史学の五十年(戦後歴史学の五十年―歴史観の問題を中心に/ 津田左右吉氏の学問における「生活」と「科学」 ほか)/ 2 歴史学と研究者(歴史家の姿勢『川崎庸之歴史著作選集3 平安の文化と歴史』解説/ 『論集 中世の窓』について ほか)/ 3 史料を読む(東寺百合文書と中世史研究)/ 4 日本常民文化研究所(戦後の日本常民文化研究所と文書整理/ 古文書の結ぶ縁)/ 5 渋沢敬三の学問と生き方(渋沢敬三の学問と生き方『澁澤敬三著作集 第三巻』解説/ 被差別部落・「原始民族」への言及について ほか)/ インタビュー 私の生き方

【著者紹介】
網野善彦 : 1928年、山梨県生まれ。東京大学文学部卒業。都立北園高校教諭、名古屋大学文学部助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学経済学部特任教授を歴任。専門は日本中世史、日本海民史。著書多数。2004年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • さきん さん

    戦後歴史学の歩みが著者の生き方と重なる。最初は強烈なマルクス史観に基づき、歴史は発展するものであり、階級社会の中で農民や労働者が苦しむという流れで、それに沿った研究が多かったが、史料に先輩から大量に渡されて分析していく中で、支配階級に囚われない多くの人々の存在に気づき、その史観から脱却していった。宮本常一は史料をつまみ食いするなど、研究仲間からの批判、評価も読みごたえあり。

  • さえきかずひこ さん

    鎌倉時代から室町時代にかけての本邦の歴史について幅広く優れた業績を遺した著者の、研究書への解説や日本の歴史学の進みゆきについて回顧するエッセイをまとめたもの。読んでいくと、優れた知性を以って過去を暮らした人々とその営みについて絶えず想いを凝らし、研究に熱く邁進し続けた人となりが浮かんでくる。巻末に収録された20ページ余りのインタビューが凝縮されているので、まずそれを読んでから巻頭に戻るのも良いかもしれない。解説の清水克行が、80年代以降の網野は歴史学会の中心人物だったとはっきり述べているのも印象的だった。

  • tellme0112 さん

    期待した内容とちがった。歴史の本ではなく歴史学についてだった。先人たちへのリスペクト、伝わってくる。歴史って面白いなあ…。日本の中の多様性について、思いを馳せる。

  • はるたろうQQ さん

    網野善彦がスターダムにのしあがる所を見た世代で、法学部生でも新刊の「日本中世の非農業民と天皇」を買って読んだ。本書は網野自身の経験した戦後史学史だが、やはり本の解説として収録されたものは充実している。昔もう一人のスターだった阿部謹也と幾つかの問題につき日本中世史と西洋中世史でそれぞれの見解や考え方を述べ合う対談を読んだが、網野の話は阿部が感嘆する程の日本中世史学の層の厚さを感じさせる研究の現状を解説するものだった。ちょっとそれを思い出した。また、学者の生き方への倫理的な評価が必ず付き纏うのも時代を感じた。

  • tkm66 さん

    知っているエピソードも多数だったが流石に面白い。

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人物・団体紹介

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網野善彦

1928‐2004年。東京大学文学部史学科卒業。日本常民文化研究所研究員、東京都立北園高等学校教諭、名古屋大学文学部助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学大学院歴史民俗資料学研究科教授、同大学経済学部特任教授を歴任。日本中世史を中心に列島の歴史像の変革に挑戦し、「日本」とは何かを問い続けた歴史家

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