周縁から見た中世日本 日本の歴史 14 講談社学術文庫

網野善彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062919142
ISBN 10 : 4062919141
フォーマット
出版社
発行年月
2009年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,403p

商品説明

列島「周縁部」に湧き上がるエネルギー
国家の枠組を越えた活力、繁栄、交流

国家の求心力が弱かった12〜15世紀、列島「周縁部」で起こった国境を越えた人々の自由な活動。安藤氏による津軽・十三湊の繁栄、琉球王国の成立と中継貿易の展開等、海域での国境を越えた交流により、交易を基盤とした自立的な権力は形成された。多様な民俗と文化が織りなす、もう1つの日本史を追い、京都中心の一元的な歴史展開を相対化する。

【目次】
第1部 北の周縁、列島東北部の興起
 序章 日本国の東の境界
 第1章 外が浜と奥州藤原氏
 第2章 奥州十三湊日之本将軍
 第3章 日之本地域の解体
第2部 琉球の形成と環シナ海世界
 序章 琉球という主体の登場
 第1章 統一王国の形成
 第2章 アジアとの交流
 第3章 尚真王の時代
 第4章 組織化された島々
 終章 アジアの変動のなかで
第3部 海域世界の交流と境界人
 序章 海域世界という見方
 第1章 境界としての対馬島と鬼界ヶ島
 第2章 港町
 第3章 移動する人々
 終章 海域世界の変貌

内容詳細

国家の求心力が弱かった十二〜十五世紀、列島「周縁部」で起こった国境を越えた人々の自由な活動。安藤氏による津軽・十三湊の繁栄、琉球王国の成立と中継貿易の展開等、海域での国境を越えた交流により、交易を基盤とした自立的な権力は形成された。多様な民俗と文化が織りなす、もう一つの日本史を追い、京都中心の一元的な歴史展開を相対化する。

目次 : 第1部 北の周縁、列島東北部の興起(日本国の東の境界/ 外が浜と奥州藤原氏/ 奥州十三湊日之本将軍/ 日之本地域の解体)/ 第2部 琉球の形成と環シナ海世界(琉球という主体の登場/ 統一王国の形成/ アジアとの交流/ 尚真王の時代/ 組織化された島々/ アジアの変動のなかで)/ 第3部 海域世界の交流と境界人(海域世界という見方/ 境界としての対馬島と鬼界ヶ島/ 港町/ 移動する人々/ 海域世界の変貌)

【著者紹介】
大石直正 : 1931年生まれ。東北大学卒業。現在、東北学院大学名誉教授

高良倉吉 : 1947年生まれ。愛知教育大学卒業。現在、琉球大学法文学部教授

高橋公明 : 1949年生まれ。名古屋大学卒業。現在、名古屋大学大学院国際開発研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • KAZOO さん

    小学館の日本史の全集もそうでしたが、時たま通史ではなくこのような問題点を特集した巻が収められています。これは四方を海で囲まれた日本をその周縁部分に焦点を当てたもので3人の学者さんが書かれています。列島東北部からの観点、琉球とシナ海から、海域世界の交流面から分析したものです。私は最後の対馬や鬼界が島について書かれたところに面白さを感じました。

  • かんがく さん

    東北地方、南西諸島、海域世界から見た「日本史」。こういった巻があるのがこのシリーズの醍醐味。日本という枠組みを取っ払い、中国や朝鮮、東南アジアなどを含めた大きな視点から書かれていて視野が広がる。地図も多く挿入され、地理的な把握もできた。

  • 翠埜もぐら さん

    奥睦や対馬なんかが周縁と言うのは認識していましたが、沖縄は全く別の国と言う認識だったので、日本の周縁として取り上げられていたのに自分の認識不足を再認識。確かに後に薩摩の属国になってはいたし、明との貿易での最大経由地は沖縄だったわけで、中世の物と人の流れを考える上では外すことはできませんね。詳しい歴史も把握できて面白かったです。対馬、朝鮮、済州島などの海域が、国などと言う明確な線引きができない世界であったことも感覚的には理解できました。物を動かして生計を立てる人々の歴史はダイナミックですね。

  • coolflat さん

    64頁。奥州藤原氏の歴史的評価に関しては二つの見方がある。一つは奥州藤原氏が奥羽の歴史のなかから生まれた独自のいわば奥羽の自前の政治権力であることを強調する意見であり、もう一つは奥州藤原氏が京都の国家の支配の末端に連なるものであることを強調する見解である。前者は蝦夷の族長→前九年合戦の安倍氏→後三年合戦の清原氏→藤原氏へとつづく奥羽土着の勢力の成長の歴史の最後に藤原氏を位置づける。これに対して後者は鎮守府将軍や俘囚の上頭などの地位に伴う京都の国家からの授権なしには奥州藤原氏の政治権力は成り立たないという。

  • sibasiba さん

    境界人という言葉がキーワード。蝦夷・琉球・東シナ海の三つの地域について日本との関わり。どれも興味深いがどこも大して資料が残っていなさそうで大変そう。中国も朝鮮も必死で半賊半商の海の人たちを支配下にあるいは滅ぼそうとしたが、日本は殆ど放置して関心を示さない温度差が興味深い。島国なのになんでここまで無関心なのか。琉球を統一した王の側近に中国人がいたとか明の海禁も積極的な明人の海外進出を押しとどめたりは出来なかったり。

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人物・団体紹介

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網野善彦

1928‐2004年。東京大学文学部史学科卒業。日本常民文化研究所研究員、東京都立北園高等学校教諭、名古屋大学文学部助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学大学院歴史民俗資料学研究科教授、同大学経済学部特任教授を歴任。日本中世史を中心に列島の歴史像の変革に挑戦し、「日本」とは何かを問い続けた歴史家

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