Blue And Green

細川正彦のピアノ・トリオ作品としては2作目。同じメンバーとの録音であるが、今回は格段に前作品の内容を上回るものとなった。それは、このジャケと手にした瞬間から瞬時にして理解できる。しかも録音の性質が向上というか前向きになっているところも好感できる。実はこの秋初めてこの細川さんと会った。東京で、市ヶ谷の居酒屋で。話し込んだ。初対面で居酒屋もなんだかな、と思ったけど、なんか居酒屋方面へボクをして向かわせるようなものがあった。まず大きな誤解。名前だけからの印象でひどく痩せた人なハズだったのに、実はボクよりもいい感じで肉ついていて。一回りは若いと思い込んでいたら実はほぼ同学年。福岡へ移住する前には東京のど真ん中に住んでいた、とととと色々符合が合わない部分が、出てきて。なんとも楽しい誤解。ジャズ以外にもクラシック音楽にも精通しており、ヨーロッパの感覚には見事に通じているようだった。
そんな体験下において、もう一度聴いて更に彼のトリオが好きになった。あの躯体から奏でられる繊細な音色。彼のヨーロピアンな感覚。ボクが作っているハクエイ・キムにもなにやら通じるものも感じるし。

「alone together」、「blue in green」、「my one and only love」などのスタンダードもやっていますが、「beginning」、「futaego」などの彼のオリジナル曲も興味深いものあり。ヘイデンの「ellen david」採用しているところがニクイ。
福岡というある意味東京よりは何も束縛されない空気の下で感じるものを、淡々と表現しているようでもあります。　（山本隆 -2007年発売当時のインフォメーションより）

細川正彦 （p）
小牧良平 （double bass）
中村健 （ds,per）

2007年4月録音