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細川俊夫 (1955-)

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  •    細川俊夫の新譜は「庭gaeden」に題をとった作品...

    投稿日:2019/11/20

       細川俊夫の新譜は「庭gaeden」に題をとった作品集。いつもの細川節で強さと深さ、そしてしなやかさを併せ持った音楽が終始している。庭にちなんだ曲が多くあるのは知っているがこうしてまとめて一枚に収まっているのは初めてではないだろうか。 そしてこのディスクを聴いていてふと思い出したのは、武満徹も庭に題をとった曲を多く書いていたなあ、ということ。両氏の間では少なからず交流があったと記憶しているが、「庭」についての話がでたことはあるのだろうか?    武満徹の庭に関した曲への私の印象は絵画的・文学的であること。色彩感があり、雨や空気の湿り気のような感覚も感じられる面白さが好きである。 対して細川俊夫の本作で感じるのは能舞台。そこで演じられるのは水墨画のような色合いで秋の寒さを感じるような舞い。両氏の著作や対談集を読んで、二人とも日本らしさを意識的に表現するタイプでないと解釈している。「日本らしさ」をあからさまに出してきたり海外受けするために日本を「ダシ」に使うことを戒めている二人だが、それでもその根本には日本の文化や歴史思想が離れ難くついている気がする。    両者の庭の曲を聴いて私がイメージするのは日本の庭園であり、その空気。バラの花がかぐわしい西洋の庭ではない。バックボーンとして古来からの日本文化や芸術思想、精神構造が本人の意思に関わらず出るのであろう。その表出の方向は異なるとしても。   だからこそ世界中でTakemitsu・Hosokawaが「日本出身の、独自の作風(声)を持つ作曲家」として聴かれるのだと思う。特に(テレビで面白おかしくやる類の)日本自慢をする気はないが、その文化に尊敬の念とプライドを持つべきであろう。その意味で当盤は、作曲者である細川俊夫、そして武満徹の二人の関係や役割、作品思想について考えるよいきっかけになった。       

    うーつん さん

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  •  我々日本人にとって、自然の牙が剥き出しになって襲...

    投稿日:2018/09/12

     我々日本人にとって、自然の牙が剥き出しになって襲い掛かった2011年3月11日は忘れることができない「分岐点」となることであろう。 「体験」が「記憶」になることが将来的に何をもたらすのかまだ判らないが、音楽を通してその痛みや喪失、そしてそこから立ち上がる再生を考えるのも一つの方法と思う。   このディスクに収録された曲はすべて軽い気持では聴けないものばかり。ただ、それでも聴かずにはいられない。そして、あの震災に、自然の驚異に想いを馳せずにはいられない。   音楽の語法は細川俊夫らしいものであるが、そのパレットに描かれた風景の激しさといったら…。 氏の既存の作品とは一線を画す、圧倒的に痛烈な自然の凶暴さをそのままに表現していく。対して小さな存在である人間は、か細い声でしかその存在を表現できない。   「嘆き(2013 ver.2015)」はディスク化を切望していたものだけに真っ先に聴いたが、他の曲も聴くうちに「4曲全体でひとつの作品」と思えるようになった。先の震災をテーマにしてはいるが、もっと根本では「自然への畏れ」でつながっているからだ。   ライナーノートからの引用を行わせてもらうが、「嘆き」の曲冒頭に歌われるこの一節をご覧いただければこのディスクのメッセージが少しでもご理解いただけると思う。   『・・・最近、恐ろしい出来事があり、私はもはやその影から逃れることができない。敬愛する友よ、私の人生はわずか数日の間に筆舌に尽くしがたいほど無残に壊された。そして痛みをも拒む無言の苦悩だけが残っている・・・ 』 (ゲオルく・フォン・トラークルが友人に宛てて書いた手紙の一節、当盤解説ノートより)

    うーつん さん

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  •   舞台は原発の燃料棒を思わせる無機質に光るオブジ...

    投稿日:2020/05/24

      舞台は原発の燃料棒を思わせる無機質に光るオブジェが上から吊り下がるシンプルなつくり。歌は前作「松風」と比べてもかなり直情的で激しい表情付けがされている。地震などの衝撃を、家族を亡くした感情の揺れを伝えるためだろうか。打楽器による激しい出だしも今までにないやり方。動きも抑制され逆に激しい歌いぶりが余計に目立つことになる。 母親クラウディア役の表情は能の物狂いにも似た感じで痛切にその哀しみを突き付けられた。クラウディアの義姉ハルコ役の藤村実穂子も役柄にはまっていた。人間の悲劇が繰り広げられる中、それでも海は静かにそこにある。最後はみな海のかなたに目線を送りながら様々な想いを心にひめ、幕は下りていく。   東日本大震災、その津波によって引き起こされた原発事故…現在に生きる日本人が決して忘れることができない悲劇。 福島、隅田川…突然の悲劇で子供と離ればなれになってしまった母親の哀しい狂気。  こういう括り方は不謹慎かもしれないが、悲劇であれ芸術であれ日本という地をきちんとした形で発信し理解の一端にしてもらうことは必要なことだと思う。オペラという形式で細川俊夫が伝えた「日本」。日本という国が、大震災のあった地であり、原発事故のあった地であり、「彼岸」という祖先または故人と交流する文化風習を持つ地であり、「能」という芸術が育まれた地でもある、ということを広く知って考えてもらえるようになればよいが。   2020年に当盤を入手し視聴したためかもしれないが、放射能を防ぐ防護服のシーンなどは本年の病院内で防護服を着用し苦闘する方々のシーンにかぶって見えてしまった。2011年のあの事故だけでなく2020年に起きている災厄にも通じるような感覚をもって観ることにもなるかもしれない。

    うーつん さん

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