幻想の未来 角川文庫

筒井康隆

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041061329
ISBN 10 : 4041061326
フォーマット
出版社
発行年月
2017年08月
日本
追加情報
:
256p;15

内容詳細

この苦しみは私一人に起こったものなのか。倒れ伏す私の周囲を、廃墟の幽鬼がとり巻いて歌い踊る。放射能と炭疽熱で破壊された大都会―。長い地下生活、地上からの音信は途絶え、食糧が不足し動力が停止し、暗黒の時代がやってきた。極限状況で出逢った二人は、子をもうけたが…。進化しきった人間の未来を鬼才・筒井康隆が幻視した表題作ほか、「ふたりの印度人」「アフリカの血」等短篇十篇を収録。

【著者紹介】
筒井康隆 : 1934年大阪生まれ。同志社大学文学部卒業。主な作品に『大いなる助走』『虚人たち』(泉鏡花文学賞)『虚抗船団』『夢の木坂分岐点』(谷崎潤一郎賞)『朝のガスパール』(日本SF大賞)『文学部唯野教授』「ヨッパ谷への降下」(川端康成文学賞)『パプリカ』『わたしのグランパ』(読売文学賞)などがある。ほか、フランス・パゾリーニ賞、菊池寛賞受賞。フランス・芸術文化勲章シュバリエ章、紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 優希 さん

    鬼才ならではのSFと言ったところです。スケールが大きいメタフィクションとも捉えられますね。進化した人間の未来を幻視していますが、下手すると現実になりそうな恐怖をも感じさせます。この作品が40年以上も前に書かれていたのだと思うと、正直驚きしかありません。表題作がメインという感じで、他の9編はショートショートでしたが、ツツイワールドを凝縮している味わいが何とも言えません。古い作品ながら、新しく感じるのが魅力でしょうか。

  • chiru さん

    89ページのVの章まで、核戦争後の放射能被害者たちの話を読んでると思ったら、突然、霧が晴れるみたいに何が主人公なのかはっきりわかって、すごい衝撃を受けました! こんなにミステリアスなSFが、何もかも合理的解釈が可能な話に仕上がっていることに驚きました。謎が解けたあと、ラストの『未来』に胸が熱くなって、読み返してしまったほど。壮大で不思議な魅力の作品です。★5

  • おにく さん

    表題作は筒井さんの本気度の高いSFです。核戦争後、人類は死に絶え、過酷な環境を生き抜くため、より環境に適した異形の生物が地上に出現する。この150ページ余りの中編は、これまで余り読んだことの無いジャンルで、わずかにSF作家のジェイムズ・ティプトリー・ジュニアや、クトゥルフ神話で有名なラヴクラフトの短編“アウトサイダー”を思い浮かべました。終盤には一行の文章の中で数時間…数日、あるいは数百年の時が流れており、その壮大なスケールに、あくせくした日常が些細な事のように感じられました。お気に入りの作品です。

  • Kajitt22 さん

    筒井康隆の作品は、数編しか読んでいないと思うが、シュールでブラック、スラップスティックな印象を持っていた。昔読んで題名が頭の片隅に残っていた『白き異邦人』が氏の著作と判明し再読したが、筒井康隆らしからぬ、リリカルな短編でうっとりと読んだ。満足。表題作『幻想の未来』は壮大な思考がグロテスクな表現で語られる中編。どう考えたらこんな文章になるのか解からないほど飛んでいる。同じ作家が書いたとは思えない。多彩な才能の持ち主なのだろう。

  • たぬ さん

    ☆4 筒井氏29冊目は半分以上を占める「幻想の未来」など全部で10編。「ふたりの印度人」はやはり最もお気に入りの短編だと再認識。感情の見えない、加えて生身の人間ですらない相手がもたらす恐怖が絶品。スケールに圧倒される「幻想〜」は実際の地球も行き過ぎた科学と環境汚染で遅かれ早かれこうなっても不思議じゃないと思えた。

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人物・団体紹介

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筒井康隆

1934(昭和9)年、大阪市生れ。同志社大学卒。’60年、弟3人とSF同人誌“NULL”を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が“宝石”に転載される。’65年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。’81年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、’87年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、’89(平成元)

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