基本情報
内容詳細
災厄とはそもそも何なのか。災厄の前に現れ出る自己とは何か。災厄そのものの淵源を大きく問いつつ、村上春樹、小田実等の震災文学から根源的に迫ろうとする。また、災厄の痕跡として、関東大震災直下の連載小説を読み解きながら、現在を照らしてゆく。災厄を文学から思考する野心的な書。
目次 : 第1部 災厄の起源―文学を通じて考える意味と可能性(「災厄」を引き起こした「わたし」とは何者か/ 共同性―宙吊りの「わたし」と分有の思考/ 表象―鏡像としての「震災」/ 主権―例外状態と災厄の恒常性)/ 第2部 災厄の痕跡―現在を照らす関東大震災直下の連載小説(「震災と文学」から直下の連載小説へ/ 中村武羅夫「群盲」の亀裂―ある造船争議の結末/ 震災モラトリアム(支払延期令)直下の商魂―村上浪六「時代相」の実験/ 菊池寛と婦人雑誌の被災―舞台焼失の後始末/ 震災と新聞小説挿絵―竹久夢二の「眼」/ 直下の連載小説から「文学の震災」へ)
【著者紹介】
前田潤 : 1966年、東京生まれ。早稲田大学卒業。立教大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。専攻は日本近代文学。現在、聖学院大学、予備校等の兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
(「BOOK」データベースより)
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