司馬遼太郎の時代 歴史と大衆教養主義 中公新書

福間良明

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121027207
ISBN 10 : 4121027205
フォーマット
出版社
発行年月
2022年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
278p;18

内容詳細

『竜馬がゆく』『坂の上の雲』など、売上げが累計1億冊を超える大ベストセラー作家司馬遼太郎(1923〜96)。日本史を主たるテーマに、人物を個性豊かに、現代への教訓を込めて記した作品は、多くの読者を獲得。「司馬史観」と呼ばれる歴史の見方は論争ともなった。本書は、司馬の生涯を辿り、作品を紹介しつつ、その歴史小説の本質、多くの人を魅了した理由を20世紀の時代とともに描く。国民作家の入門書でもある。

目次 : 序章 国民作家と傍流の昭和史/ 第1章 傍系の学歴と戦争体験―昭和戦前・戦中期/ 第2章 新聞記者から歴史作家へ―戦後復興期/ 第3章 歴史ブームと大衆教養主義―高度成長とその後/ 第4章 争点化する「司馬史観」―「戦後五〇年」以降/ 終章 司馬遼太郎の時代―中年教養文化と「昭和」

【著者紹介】
福間良明 : 1969年(昭和44年)熊本県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。出版社勤務、香川大学経済学部准教授などを経て、立命館大学産業社会学部教授。専門は歴史社会学・メディア史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    司馬遼太郎が国民的作家となった理由を、彼の戦争体験や学歴・職歴の二流性に求める。昭和の軍民エリートの傲慢さを見続けた経験が大衆向け歴史小説を書かせてドラマや映画に格好の素材とされ、文庫本で手軽に入手できたため読者層が広がり、いわゆる司馬史観が広まったと。この経歴や視点は、もう一人の大作家松本清張とほぼ重なる。司馬が戦国や明治の自由に生きられた時代と暗い昭和を引き比べたのに対し、清張は昭和の闇自体を解明しようとした。歴史と現代を相補うように書いた両作家が、学者や知識人の正統的史観を排するほど受容されたのだ。

  • 六点 さん

    学歴・軍歴・職歴・文学歴のいずれを取ってみても傍流の出身者である司馬遼太郎が如何なる逕庭を経て「おじさんたちの教養」に成り遂せたかを論じたかを緻密に論じている。書中で殆ど触れていないが、司馬遼太郎の初期の長編は雑誌・新聞の連載小説であり、かなり細分化したぶつ切れ読書になって、それも相まって「余談」の多い文体とマッチしたのでは無いだろうか?と、敢えての論を立ててみる。

  • trazom さん

    私は司馬作品の大ファンである。だから生誕百年を前にして出版された中公新書に喜んで飛びついた。残念ながら、極めて不愉快で後味が悪い読後感。「大阪外国語学校、産経新聞という二流を歩んだ」ことが司馬さんの原点だとして、「二流」という言葉が本書を貫いて何度も登場する。私はそもそも、学歴・職歴に一流・二流というレッテル張りをする態度を心から憎む。更に「大衆教養主義」がわからない。教養を、エリートと大衆で差別して何の意味があるのだろうか。「歴史は手を出しやすい教養」として司馬作品を位置づけるのが、正しいのだろうか。

  • kokada_jnet さん

    主に長編作品を使った、この本の時代分析はよくできていると思うが。司馬遼太郎の短編作品が好きな自分としては、わりと、どうでもいい本であった。特に連作短編集が好き。短編作品は、比較的「文学」していると思う。

  • HANA さん

    司馬遼太郎作品が何故あれほど人々に受け入れられたのか。本書はその理由を当時の時代背景と共に探った一冊。著者は司馬作品を構成する要素、傍流としての視線とか昭和軍部への怨念とかを元に分析している。一番興味を持って読んだのは「司馬史観」に関する部分だけど、歴史学者には酷評されるものの知を横断する立場の人からは評価が高いというのは面白い。やはり戦後歴史学者はそろってルイセンコみたいなものなので、読む価値は低そうだなあ。昔司馬作品に嵌りほとんどの作品を読み込んだ身としては、各作品が懐かしく思い出されました。

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