漱石と日本の近代 上 新潮選書

石原千秋

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784106038051
ISBN 10 : 4106038056
フォーマット
出版社
発行年月
2017年05月
日本
追加情報
:
240p;20

内容詳細

「自意識は強いのに他者との関係に自信が持てない」―漱石文学の主人公たちは皆、早く生まれすぎた“現代人”だったのかもしれない。『それから』まで主要な前期六作品を取り上げ、「漱石的主人公の誕生」という新たな解釈をもとに物語の奥に込められたテーマを浮き彫りにしていく。時代を超えて通じる閉塞感と可能性を読む!

目次 : 序章 漱石的主人公の誕生/ 教育と資本―『坊っちゃん』/ 主人公と観察―『草枕』/ 女性と自由―『虞美人草』/ 事実と意味―『坑夫』/ 言葉と都市―『三四郎』/ 法と権力―『それから』

【著者紹介】
石原千秋 : 1955年生まれ。成城大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程中退。東横学園女子短期大学助教授、成城大学文芸学部教授を経て、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。日本近代文学専攻。現代思想を武器に文学テキストを分析、時代状況ともリンクさせた“読み”を提出し注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 抹茶モナカ さん

    夏目漱石に関する評論の本。「日本の近代」という観点よりも、「女性論」的な所に重点が置かれているような気がした。夏目漱石の女性観、日本近代の女性観とか。僕が夏目漱石を読んだのは高校生時代で、それから遊民に憧れて、就職を嫌ったのを懐かしく思い出した。いろいろな評論家の評論を多く引用していて、夏目漱石に関して著者が熱意を持って研究なされているのが伝わって来た。

  • 勝浩1958 さん

    漱石の作品は時代を超えた普遍性を有していると感じていたのですが、「漱石文学は早く生まれすぎた「現代人」を書いたのかもしれない。」と述べられています。そうではあるのですが、一面では明治民法という時代の精神にある程度縛られてもいたようです。それは致し方のないことだと思います。いや、ひょっとすると当時の読者に分かりやすいように作品を創作したのであって、漱石の思想はもっと時代の先を走っていたのかも知れない。

  • Happy Like a Honeybee さん

    人間の性格は1時間毎に変わる。変わるのは当然で、変わるうちには矛盾が出来る筈だから、つまり人間の性格は矛盾が多い意味になる(坑夫) 就職しない近代知識人や遺産相続を巡る話が多い、夏目漱石の特徴を作品毎に解説する一冊。 女性の謎こそ、高度に商品価値を持った小説のテーマ。 日常的に女性と接点がなかった中産階級の男性知識こそ、漱石の支持者であり共感者であったと。 三四郎の同衾事件。深読みするほど、漱石の魅力に取り付かれていく…。

  • くにお さん

    「他人がどう思うかということしか考えていないにもかかわらず、他人のことを少しも考えたことがない」そんな現代人を漱石は早くも描いていた、というドキッとする序章でつかまれた。日本の近代というテーマでゆるく繋がった漱石作品の論考集。上巻は「坊っちゃん」から「それから」まで。漱石研究に詳しくはないので、本書の「読み」がどれだけ斬新かは判断できないが、「坑夫」以外は全部読んだことがあるので、内容を思い出しながら十分に楽しめた。特に、18世紀的な客観性の否定の物語として『草枕』の読解はすっと腑に落ちた。

  • 朝乃湿原 さん

    下巻ではこの選書を読んでから漱石の小説を読んだが、上巻は小説を読んでからこちらを少しずつ読み進めてみた。つまり漱石の小説を読んでも読まなくても楽しめる素晴らしい読解本である。石原氏の漱石研究はまず丁寧な時代背景の説明があり、明治大正時代の知識がなくても理解できる。そして登場人物の行動や思想を様々な観点から解き明かしているので興味深く読了できた。

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石原千秋

1955(昭和30)年生まれ。成城大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程中退。早稲田大学教育学部教授。専攻は日本近代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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