蒲団・重右衛門の最後 新潮文庫

田山花袋

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101079011
ISBN 10 : 4101079013
フォーマット
出版社
発行年月
2003年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,227p

内容詳細

蒲団に残るあのひとの匂いが恋しい―赤裸々な内面生活を大胆に告白して、自然主義文学のさきがけとなった記念碑的作品『蒲団』と、歪曲した人間性をもった藤田重右衛門を公然と殺害し、不起訴のうちに葬り去ってしまった信州の閉鎖性の強い村落を描いた『重右衛門の最後』とを収録。その新しい作風と旺盛な好奇心とナイーヴな感受性で若い明治日本の真率な精神の香気を伝える。

【著者紹介】
田山花袋 : 1871‐1930。栃木県邑楽郡館林町(現・群馬県)に生れる。6歳で父を失い、貧困の中で育つ。1891(明治24)年に尾崎紅葉を訪ね、江見水蔭を知り、彼の指導で小説を書き始める。1907年、女弟子との関係を露骨に告白した『蒲団』が文壇に異常な衝撃を与え、自らの地歩を確実にするとともに、自然主義文学の方向性を決定した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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 これは多分、実話なんだろうなぁ。  ...

投稿日:2021/04/17 (土)

 これは多分、実話なんだろうなぁ。  妄想ばかりが広がる、自分を師と慕う女学生に惚れてしまったはいいが、どこまでもプラトニックな哀れな中年作家。ああ、田山先生って絶対にもてなかったんだろうなぁ、と嘆息してしまう。  だめだめ君は明治も平成もそんなに変わらないということがわかる名作です。

boggie999 さん | 神奈川県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • yoshida さん

    高校生の時に国語便覧で見つけて以来、読みたかった田山花袋。「布団」と「重右衛門の最後」を収録。「布団」は田山花袋の私小説ですね。中年で妻も子もある作家は、うら若い作家志望の弟子に激しく恋慕する。生活に疲れ今の妻と一緒にならねば、弟子を伴侶に出来たと懊悩する。弟子には若い恋人が出来、結局は父親に連れられて作家の元を去り田舎に帰る。作家は弟子の使っていた部屋で布団の残り香を嗅ぎ泣く。正直、泣くところに引いた。若い弟子に惹かれるのは、分からないでもない。泣かなくてもいい。当時と現在では世情が違うのを肌で感じた。

  • ykmmr (^_^) さん

    日本にも、海外にも『自然派』があるが、彼は普段の普通の『風景』に『アクション』を加えるが、しかし、何だか、それが微妙に「主人公本意」というか…主人公が我が道を進むが、それが最後には崩れるというか、そんな印象を受ける。しかも、オチが甘くて、余計に失態を広げてしまうような…。まあ、『田舎教師』と比べると、こちらはさっぱりとしたコメディかなと。『重右衛門の最後』は片田舎の閉塞感と起こりうることの、比例差が…。重いながらも読みを進めてくれちゃう。作家としても、正直、「微妙な存在感」。作者も描きながら、

  • ehirano1 さん

    「自然主義文学」なるものに初めて触れました、多分・・・。『重右衛門の最期』が印象的で、主人公というか語り手が「環境的自然」と「人間の本質的な自然」を交えての考察にはえらく考えさせられました。

  • 夜間飛行 さん

    とりあえず性欲に取り憑かれてしまった男の話である。女弟子を意識し始めると同時に、自分の性欲が思いもかけぬ大問題になってしまったのだ。性欲と向き合うからには、やはり精神的な次元だけでは解決できず、必ず何か行動を起こさなくてはならなくなる。そこに行くまでさんざん迷い、捌け口を求めて煩悶し、女を恋い焦がれて空想し、結局どこにも出口がないことを知るばかり。後は何のことはない、この男は諦めるのである。それもすっぱりと潔くではない。女弟子がいなくなった後の、彼女の蒲団のにおいを胸一杯吸い込み、泣くのである。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    高校の国語便覧で『蒲団』が紹介されていた時、余りの赤裸々すぎるあらすじにドン引きした思い出がある。今、読んでもその心情は変わらなかった。奥さんへの態度といい、明治期の作品は女性蔑視があるものが多くて読むと鬱々とします。一方で「重右衛門の最後」が色んな意味で心に刺さってきます。性格が悪いという理由で疎まれる重右衛門。ところが彼が火付けを命じたという確証はないのだ。それにも関わらず、私刑で殺され、罪人達は罪を免れる。彼の不遇な死を嘆き、悼んでくれたのが同じく、村人たちに爪弾きされる野生児だという事実が胸を突く

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