頭の中の昏い唄 竹書房文庫

生島治郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784801924543
ISBN 10 : 4801924549
フォーマット
出版社
発行年月
2020年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
528p;15

内容詳細

どうにもならない。どうにもならない。ドウニモナラナイ…。男の未来は暗い。仕事仕事の毎日は彼を狂わせる。単調な日々に倦んだ男が、ある夜団地の屋上で、耳ざわりな童謡を歌っている少女と出逢い、人生が変わる表題作「頭の中の昏い唄」。香港に赴任した男が食と色の欲に溺れていく、脳味噌と胃袋を刺激する美食譚「香肉」。老人たちによってこき使われ搾取される若い世代が、ある日肩に現れた緑色の小人によって一致団結してゆく「世代革命」。スランプにおちいった作家に“やつ”がささやき、人格を乗っ取ろうとする「誰…?」など、必ずやあなたに悪夢をお贈りする、クールで鋭利な奇妙の味の短篇集。星新一による解説を再録。

目次 : 1(香肉/ 過去の女/ 蜥蜴/ 遺伝/ 夜歩く者/ 念力/ 頭の中の昏い唄/ ダブル・ショック/ 殺しあい/ ヤブイリ/ 世代革命/ 夢幻器/ 誰…?/ 名人/ 前世/ 大脱走/ いやな奴/ 顔/ ゆたかな眠りを/ 暗い海暗い声)/ 2(ああ、神様!/ 恋の痛み/ 哀しい道化/ しつこい男/ MAMMY‐O)/ 東京二〇六五

【著者紹介】
生島治郎 : 1933年、上海生まれ。早稲田大学英文科を卒業後、早川書房に入社。「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」編集長を勤めたのち、退社。その後、『傷痕の街』でデビュー。1967年、『追いつめる』で第57回直木賞受賞。ハードボイルド小説や『黄土の奔流』のような冒険小説が有名だが、いわゆる“奇妙な味”の短篇にも傑作が多い。2003年死去

日下三蔵 : 1968年、神奈川県生まれ。出版社勤務を経てフリー編集者、ミステリ・SF評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • geshi さん

    ハードボイルド作家というイメージしかなくてフックにかからなかったけど、奇妙な味やSFのバリエーション豊かな作品揃いで素直に驚いた。『香肉』中国の秘密パーティーの雑多でアングラな空気感に取り込まれる魔。『頭の中の昏い唄』校正の仕事へのノイローゼがやけにリアル。屍体に執着することで人生が開けちゃう冷静から狂気へのジャンプ。『夢幻器』夢が自由にみられる機会による社会変化のSFらしい描写があるからオチが綺麗に決まる。『東京二〇六五』本道のSFハードボイルド。短い中にちょっとしたトリックを入れてて読みやすい。

  • くさてる さん

    短編集。60〜70年代の作品が主ということで時代を感じさせるものもあるけれど、「頭の中の昏い唄」は以前「異形の白昼」で読んでからずっと忘れられない話で、この一作は時代を超えていまでも異様な存在感を放つものだと思う。このテーマは、かたちを変え表現手法を変え、いまだに悪夢のように人々の目の前に立ち上がっているものではないか。

  • re; さん

    匂い立つ文章に、たまに出会う。グルメや花に纏わるよい香りではなく、それは大抵不穏な血生臭さであるのだが、不思議と不快な感情は湧かず、文字が五感をさかなでるその妙な感覚にそわそわと身を任せる快感。不思議な世界に迷い込む。そこは過去とも未来とも違う世界。次元の裂け目から覗き見る、あなたとは違うあなたの物語。生島治郎という作家を、今この瞬間知れたことに喜びを感じると共に、彼はもうこの世に居ないという現実に打ちひしがれる。好きな作家の新作を読める事は、本当に幸せなことなんだなぁ。

  • miicha さん

    「あなたに悪夢を」を読んだことがあるみたい。「香肉」めっちゃリアルに記憶に残ってる!!素晴らしい短編だと思います。星先生の解説にいちいち頷いてしまう。前に読んだときは講談社版ではなかったような気がしますが(解説の記憶がない)「黄土の奔流」も是非読みたいです。

  • クロノ さん

    初めて触れる作家さん。大胆で尖ったデザインの表紙とあらすじに惹かれ読んでみた。ハードボイルド作家だとずっと思っていたのでこういう作品を書いていたのは驚き。収録作品全て好みの差はあってもつまらないものは無く、どれも楽しんで読めた。ショート・ショート作品が特に好み。巻末の編者解説も興味深い。奇妙な味の短編たちをたっぷり味わえた満足の一冊。

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人物・団体紹介

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生島治郎

1933年上海生まれ。早稲田大学英文科を卒業し、デザイン事務所勤務を経て早川書房に入社。日本版『エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン』創刊に携わり、のち第二代編集長に就任する。退社後の64年に長編『傷痕の街』を刊行し作家デビュー。67年、『追いつめる』で第57回直木三十五賞を受賞する。89年から

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