皇国史観 文春新書

片山 杜秀

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784166612598
ISBN 10 : 416661259X
フォーマット
出版社
発行年月
2020年04月
日本
追加情報
:
232p;18

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タイトルがまぁ直球というか何というか。刺...

投稿日:2021/07/01 (木)

タイトルがまぁ直球というか何というか。刺激的というか、さすが文藝春秋、さすが片山杜秀といったところか。但しどちら向きにせよある種のイデオロギー的なものを予見するのは見当違いと言っていい。むしろ周到に一歩引いたところから「皇国史観」というものの変遷を読み解いており、取り上げられている論者は江戸時代から平成にまで至る。そう、これは「皇国史観」史と呼ぶべきものであり、その中には「この人は”皇国史観”の人なの?」と思うような人も入っている。だが、著作の中で、特に最後に著者が触れている通り、「皇国」というものがあって、それは何であるか、と考えれば、なるほどこういうことなのか、と腑に落ちる仕掛けになっている。面白い。

Verdi さん | 神奈川県 | 不明

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読書メーターレビュー

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  • やいっち さん

    博覧強記の片山節が炸裂。どうやら講義録らしい。音楽評論家とばかり思っていたら、近現代史に詳しく、思想史の研究家のようだ。本書には、さすがに目次はあるものの、索引もなければ、参考文献もない。解説もない。したがってどういう経緯で書かれた(記録された)のかも分からない。語調からして講演か講義だったのかなと推察できるだけ。あるいは、著者は記憶だけで講義したのだろうか(さすがに文中に参照文献は書いてあるが、その本に言及するのだから、書名を書くのは当然だろう)。

  • trazom さん

    江戸から現代までの天皇論の推移が、とても分かりやすく整理されている。水戸学/五箇条の御誓文/大日本帝国憲法/南北朝正閏問題/天皇機関説事件と歴史を辿った後で平泉澄に到るのは、極めて順当な構成だが、そのあとに「柳田国男と折口信夫」「網野善彦」という二章が加えられているのが抜群にいい。アジール論と後醍醐天皇観に対する平泉澄と網野先生の対比、更に、「平成天皇は、国民の近くに寄り添う折口的天皇像。令和天皇は、より持続可能な柳田的天皇像」という片山先生の考察は、柳田・折口・網野各先生の本質を見事に象徴している。

  • 樋口佳之 さん

    水戸学成立の経緯とか、平泉澄にまつわる話とかなるほどと思うのだけど、福本イズム山川イズムなんてレアな話にまで言及があるのに、非戦論反戦論の系譜、弾圧立法の強化とか3.15などの記述が無い。この枠取りをすることで、著者の描く国民像は読みやすくはあるけれども、ちょっとゆがんでいるよなあと思いました。

  • 軍縮地球市民shinshin さん

    皇国史観というと、平泉澄や戦前の文部省が想起されるが、本書はそういった狭い意味での皇国史観ではない。前期水戸学から稿を起こし令和の代替わりまで扱っている。著者の天皇がいる限り「皇国史観」は続くという結論には同意する。網野善彦のところが面白かったか。彼はマルクス主義から出発し若い頃にその思想は捨てたが、生涯「反天皇」であったことは確かだ。「人類の歴史で見ればたかだか1300年の歴史」と嘯いていたというが、やはり網野は死ぬまで保守思想、つまり皇室が長く続く意味は理解できなかったと感じた。

  • かんがく さん

    著者の作品は3作目。この本の意味する「皇国史観」は広い。戦前の天皇機関説、南北朝正閏問題などにおける民衆のエリートに対する勝利について扱う前半部のみでなく、戦後の天皇観のを柳田・折口の民俗学や網野史学から扱う後半部まで、天皇と歴史をテーマとして語られていて面白い。最後は令和に至る譲位についても書かれている。

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人物・団体紹介

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片山 杜秀

1963年宮城県仙台市生まれ。政治思想史研究者、音楽評論家。慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学法学部政治学科卒業、同大大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。大学時代からライター生活に入り、『週刊SPA!』で1994年から2003年まで続いたコラム「ヤブを睨む」は『ゴジラと日の丸―片山杜秀の「ヤ

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