アメリカとヨーロッパ 揺れる同盟の80年 中公新書

渡邊啓貴

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121025043
ISBN 10 : 4121025040
フォーマット
出版社
発行年月
2018年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
240p;18

内容詳細

第二次世界大戦の終結後、世界は超大国アメリカとソ連の動向に左右される。ヨーロッパ各国は個々に外交戦略を模索。その動きは徐々にEUへと結実し、アメリカとの特殊な関係を築いていく。冷戦の始まりから、デタント(緊張緩和)、中東危機、ソ連崩壊、9・11、そして現代へ…。本書は、複雑な軌跡を歩んだ米欧の80年を、同盟関係に軸足を置きながら論じる。現代史を動かし続ける両者の姿、その本質を描き出す。

目次 : 第1章 アメリカは「招かれた帝国」なのか/ 第2章 アメリカの覇権下での同盟の安定/ 第3章 米欧同盟の動揺―揺れるヨーロッパ/ 第4章 デタントの時代/ 第5章 新冷戦から冷戦終結への序曲/ 第6章 冷戦終結と米欧関係/ 第7章 増長するアメリカとヨーロッパ―「協調と対立」の同盟の本質/ 第8章 米欧蜜月時代は続くのか/ 終章 トランプショックとヨーロッパ―「協調と対立」構造の中の同盟

【著者紹介】
渡邊啓貴 : 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。1954年生まれ。東京外国語大学卒業、慶応義塾大学・パリ第1大学大学院博士課程修了、高等研究大学院客員教授(パリ)、リヨン高等師範大学校、ジョージ・ワシントン大学シグール研究センター客員教授、在仏日本国大使館公使、雑誌『外交』『Cahiers du Japon』編集委員長などをへて現職。著書『ミッテラン時代のフランス』(芦書房、1991年、渋沢・クローデル賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 巨峰 さん

    第二次世界大戦後のアメリカと西ヨーロッパ諸国との同盟関係を詳細に解説した書。それにしても現代史は難しいわ。知っているようで全然知らなかった。

  • 佐島楓 さん

    冷戦期にキューバ危機のみならずヨーロッパの核配備によってどこでも戦場になる可能性があったのだと知った。またアメリカとフランス、旧西ドイツの関係性についての変遷も記されている。その文脈でいくと現在のアメリカの反応は歴史的に反復している面もあるのかなと思った。西洋史は概論だけでわかった気になっていたらだめなのだなとも感じた。

  • skunk_c さん

    主に第2次世界大戦後の米欧関係をほぼ時代に沿って記述したもの。圧倒的なアメリカのヘゲモニーの時代から、例えばド・ゴールのようにヨーロッパ主義を打ち出すなど、実際は一筋縄でいかなかった様子が分かる。本書での気づきとしては、NATOはアメリカがイニシアティヴを握っていて、それとは別の安全保障をヨーロッパが模索していたこと。特に冷戦後はヨーロッパ連合の東への拡大や対ロシア関係で、アメリカとの利害関係が随分変化した訳で、その中でのドイツの動きが大きな焦点のようだ。さてトランプという劇薬がどう影響するのか興味深い。

  • coolflat さん

    主にNATOを軸とした戦後米欧関係史。19頁。戦後、ヨーロッパ各国では、共産主義が大きな勢力となっていた。共産党はナチの支配からの「解放」のための「レジスタンス(抵抗)」の中心勢力であり、戦後の社会改革の旗手として大きな期待がかけられていた。しかしその後のアメリカの「封じ込め政策」に伴って西ヨーロッパ諸国は大きく右旋回していく。西ヨーロッパの右旋回に大きな役割を果たしたのがCIAである。CIAは、アメリカ労働総同盟と協力して、フランスとイタリアの共産党系労組に対抗するため、反対勢力への支援政策をとった。

  • TS10 さん

    安全保障を基軸に据えた戦後の米欧関係史。アメリカによる「見捨てられ」を恐れるドイツがフランスとの関係を強化し、ソ連との緊張緩和を図ろうとするや、独ソ間の提携を恐れたフランスがアメリカとの関係の再強化へ向かうこと等、各国の地政学に基づく「複雑怪奇」な国際政治の様相が戦後においても連綿と続いてきたことが確認できる。他に、域外の情勢への対応を巡る米欧間の感覚の齟齬は、将来の日米関係を占う上でも示唆的だと感じた。とはいえ、日米関係は二国間関係である以上、舵取りは相当困難になるものと思われる。

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