楢山節考 新潮文庫

深澤七郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101136011
ISBN 10 : 4101136017
フォーマット
出版社
発行年月
2010年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,217p

内容詳細

お姥捨てるか裏山へ、裏じゃ蟹でも這って来る。雪の楢山へ欣然と死に赴く老母おりんを、孝行息子辰平は胸のはりさける思いで背板に乗せて捨てにゆく。残酷であってもそれは貧しい部落の掟なのだ―因習に閉ざされた棄老伝説を、近代的な小説にまで昇華させた『楢山節考』。ほかに『月のアペニン山』『東京のプリンスたち』『白鳥の死』の3編を収める。

【著者紹介】
深澤七郎 : 1914‐1987。山梨県石和町生れ。少年時代からギター演奏に熱中し、戦時中17回のリサイタルを開く。戦後、日劇ミュージック・ホールに出演したりしていたが、1956(昭和31)年「楢山節考」で、第1回中央公論新人賞を受賞し作家生活に入る。’60年の「風流夢譚」がテロ事件を誘発し、放浪生活に。埼玉県菖蒲町でラブミー農場を営んだり、今川焼きの店を開いたりしながら『甲州子守唄』『庶民烈伝』などを創作、’79年『みちのくの人形たち』で谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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表題作はまさに時代を超えて読み継がれる大...

投稿日:2021/07/19 (月)

表題作はまさに時代を超えて読み継がれる大傑作だと思いました。自然や業には勝てないからこその村人たちがずっと受け継いできた掟に従い命をつないできた生々しいが崇高な日本人の姿を描いています。多くの人に読んで欲しい傑作です。

kotobuki さん | 広島県 | 不明

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表題作目あてに購入したものの、表現法に工...

投稿日:2021/06/28 (月)

表題作目あてに購入したものの、表現法に工夫が凝らされた各々の掲載作品も読後印象深いものでその才能に感服。著者がエルヴィスのファンだったというのもイメージに無く意外な発見だった。

UG さん | 埼玉県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    フォークロア語りで淡々と進行してゆくが、そこに独特の強固なリアリティがあるところが本書の最大の特質か。また、ここに描かれる世界はいたって世俗的なものでありながら、善悪といった倫理観や道徳観を超絶、もしくは峻拒しているのである。さらに、ここにはまた宗教的な救いといったものが一切用意されていない。楢山の谷底の奈落には鴉が群れ飛ぶばかりの寂寥が支配する世界しかないのである。宿命は、おりんのように自ら引き受けても、又やんのごとく拒絶しても結果は同じであり、そこに深沢の絶望とニヒリズムが垣間見えるようである。

  • zero1 さん

    現代なら安楽死?人生の終わりは自分で決める?姨捨伝説が題材。69歳のおりんは口減らしのため山へ行く覚悟を決める。息子の辰平は気が進まない。おりんが自ら石で歯を折る場面など残酷だが、雪の場面や山で口を利かず振り向かないなど深く美しい。だからこそ、今でも読み継がれているのだろう。「家族を捨てない!」は、食べ物捨てまくりのくせに飢えを知らない現代人の意見?第一回中央公論新人賞受賞作品。選考のひとりは三島由紀夫。「総身に水を浴びたよう」「文句なしに傑作を発見した」と評した。正宗白鳥は「人生永遠の書」と絶賛。

  • アキ さん

    ボーヴォワールの「老い」で取り上げられていた「楢山節考」と他「月のアペニン山」「東京のプリンスたち」「白鳥の死」短編3編。1983年カンヌでグランプリとなった今村昌平の映画では原作の世界が忠実に表現されていた。若かりし緒形拳が光っていた。姥捨て山という言葉の存在は、そうした歴史的事実の実証でもあるのだろう。中央公論新人賞で、「楢山節考」を選考委員の正宗白鳥が「人生永遠の書のひとつ」と絶賛し、白鳥が唯一つき合った深沢七郎が記した「白鳥の死」もそんな背景を知ると趣深い。

  • カブトムシ さん

    おりんの住む村は信州の山間にある貧しい村であった。この村には七十になった老人は楢山に捨てなければならぬという掟があった。口減らしのためである。心やさしい息子や後妻はおりんが山に行くことを嫌がるが、おりんは息子を励まして従容として山に捨てられに入る。おりんは息子を帰し、雪の中に端然と座っていた。民間伝承の棄老伝説を題材とした作品です。安易なヒューマニズムに堕すことなく人間の生と死のあり方を描き1983年製作の日本映画は、同年のカンヌ国際映画祭にてパルム・ドールを受賞しました。モノクロの同名の映画もあります。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    「月のアペニン山」を読み進めていたら真逆の…!最後の一文で腑に落ちると同時に日常にいつの間にか入り込んでいる異質の薄寒さに目が眩む。「東京のプリンスたち」は人間関係でも上滑りな若者達の空虚さが無償に怖い。しかもそれが今と地繋がりではないかと思うと尚更…。表題作は歯が全て生え揃っている事を恥じて石で歯を折り、捨てられる運命を毅然と受け入れたおりん。噛み合っているようで噛み合っていなかった親子の愛が真の意味で噛み合ったのはあの光景だった。あの光景を見る事で辰平はおりんと共に運命を受け入れ、執着から解放された。

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