戦争の深淵 コレクション 戦争と文学

浅田次郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784081570126
ISBN 10 : 4081570124
フォーマット
出版社
発行年月
2013年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
729p;20

内容詳細

戦争が引きずり出した人間の深い闇の奥底

戦争はむき出しの暴力のみではない。戦争文学は戦場、戦闘、殺戮を描くもののみではない。
より深く「人々を貶める魔物」──性暴力、生体実験、カニバリズム等。個人や国家の隠蔽を暴く作品群。

【著者紹介】
大岡昇平 : 1909(明42)・3・6〜88(昭63)・12・25東京生。京大仏文科卒。29年4月、河上徹太郎、中原中也らと同人誌「白痴群」創刊。44年6月、臨時召集により出征、7月、フィリピン・マニラ着。8月、ミンドロ島サンホセで暗号手の任務に就く。45年1月、マラリアにかかり、山中を彷徨中に米軍の捕虜となる。レイテ島で敗戦、12月帰還。48年2月「俘虜記」を「文学界」に発表。翌年、同作品で横光利一賞受賞。52年2月「野火」(読売文学賞)刊

富士正晴 : 1913(大2)・10・30〜87(昭62)・7・15徳島生。旧制三高(現・京大)中退。高校一年の31年11月、奈良に志賀直哉を訪ね、詩人竹内勝太郎を紹介され師事する。32年10月、野間宏、桑原(のち竹之内)静雄と同人誌「三人」創刊。高校中退後、家庭教師、大阪府職員、編集者などの職に就く。44年3月応召、中国に出征。華中より華南の桂林近くまで行軍。江西省南昌市で敗戦。46年5月復員。47年10月、島尾敏雄、林富士馬ら九人で同人誌「VIKING」創刊。51年6月「敗走」を「群像」に、65年2月「徴用老人列伝」を「文学界」に発表。71年、大阪芸術賞受賞

有馬頼義 : 1918(大7)・2・14〜80(昭55)・4・15東京生。第一早稲田高等学院(現・早大高等学院)中退。37年9月、初の作品集「崩壊」刊。40年応召、満洲に渡り43年除隊。同年、同盟通信社(現・共同通信社)の記者となる。44年「晴雪賦」で国民演劇脚本情報局賞受賞。45年、戦前農相だった父頼寧が戦犯指定で巣鴨に拘置され、全財産を差し押さえられる。生計のため、ビルのガラス磨きのかたわらカストリ雑誌に小説を書きとばす。54年「終身未決囚」で直木賞受賞

古山高麗雄 : 1920(大9)・8・6〜2002(平14)・3・11新義州生。旧制三高(現・京大)中退。1942年10月応召、翌年よりマニラ、マレー、ビルマ、中国雲南省を転戦。44年10月、マラリアで野戦病院に入院、翌年2月退院。プノンペン、サイゴンを経て、5月、ラオスの俘虜収容所に転属、敗戦。46年3月、戦犯容疑で拘置、翌年11月復員。50年から出版社数社を経て、67年「季刊芸術」編集専従となる。69年、初の小説「墓地で」を「季刊芸術」に発表

田村泰次郎 : 1911(明44)・11・30〜83(昭5)・11・2三重生。早大仏文科卒。学生時代は主に、評論を「詩と詩論」などに発表。33年5月、坂口安吾、北原武夫、矢田津世子らと同人誌「桜」創刊。36年、武田麟太郎の「人民文庫」執筆グループに加わり、7月から翌年1月まで「大学」を連載。40年5月応召、11月再応召、敗戦まで中国北部を転戦。46年2月復員、帰郷。8月頃上京(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 那由多 さん

    戦争をテーマにした、圧巻の736ページ。4部構成で、@軍隊体験者のノンフィクションA生体実験と大量殺戮BカニバリズムC空襲、事故、拷問と戦時における闇を取り上げている。あまりの深淵に動悸する。加害者も被害者も、どちらもが恐怖と狂気の中にいる。それが戦争。二度と侵してはならない過ちだと、本が叫んでいる。目を背けたくなる、現実にあった過去から我々がどう学ぶかが重要。

  • 勝浩1958 さん

    遠藤周作氏の『海と毒薬』に描かれた生体解剖や武田泰淳氏の『ひかりごけ』での カニバリズムや金石範氏の『乳房のない女』で語られる拷問や殺戮の事実は、人の倫理はおのれの生への執着(死の回避)や圧倒的な国家権力の強制の前ではひれ伏すしかないことを示している。おのれの死に直面するとき、ひとの倫理を問うてはいけないのだろうか。ひとは強くない生き物だとしても、反倫理を許してしまって良いものだろうか。戦争は国家の強要による殺人だから仮に許されるとしても、人を殺した当人は苦しみ続けたならば、そこに倫理はある。

  • ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね さん

    『ひかりごけ』『海と毒薬』田口ランディ『死の池』など収録。戦争で見たもの、戦場でやったこと、日常に戻ってから吹き出してくるもの。死んでしまえば、すべてが終わりになるのか、どうか。

  • yurari さん

    どの話も非常に重く、ほんの少しずつしか読み進められなかった。コレクション戦争と文学、全20巻。おそらく最もヘビーな1冊を手にとってしまったようだが、他も読みたい。特に印象深かったのは、童貞/富士正晴、海と毒薬/遠藤周作、ひかりごけ/武田泰淳、雪鰻/浅田次郎、さかしま/梁石日

  • しょうご さん

    戦争のテーマとしては切り口は多種あるのですが大枠のテーマとして挙げるのと「強姦」「人食」でしょうか。戦争は人間を獣にした上で戦場に送り出します。獣は獣、欲求の赴くまま、いつ果てるかも知れない命、生き延びるため、何でも人間は出来るのです。動物ですから。しかし、戦後、強姦や人食をした人は、一生、誰に言うことも出来ず、悪夢にうなされ、何年・何十年経とうが、色褪せることなく記憶から薄れることもないのです。戦争がなければ、そのような経験をせずに済んだものを。決して綺麗事で粉飾することはできない事実に目を向けましょう

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品