河合隼雄

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プロフィール

1928年‐2007年。臨床心理学者。京都大学名誉教授。京都大学教育学博士。2002年1月から2007年1月まで文化庁長官。国際箱庭療法学会や日本臨床心理士会の設立等、国内外におけるユング分析心理学の理解と実践に貢献。『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞受賞。1995年紫綬褒章受章、1996年日本放送協会放送文化賞、1998年朝日賞を受賞。2000年文化功労者顕彰
こころの天気図 「自分」を知る146のヒント PHP文庫』より

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商品ユーザーレビュー

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  • @昔話は人間の心の深層構造を物語るものだとして、河...

    投稿日:2021/07/19

    @昔話は人間の心の深層構造を物語るものだとして、河合隼雄氏は日本人の心の在り方、生き方を探るべく、日本の昔話を全体で24の昔話の内20の日本の昔話を取り上げ、ユング派分析家としての分析を臨床経験を踏まえ行った。A昔話では登場人物は老人、父、母、継母、男、女、息子、娘、姉、妹、鬼、生き物、殿様、王様などが出てくるが、一つの話の中での登場人物はそれぞれ最大でも5〜6人程度で、この中で母11回、娘10回、父9回、息子7回、生き物6回の順で登場が多くなっている。それぞれ父-息子、娘、母-息子、娘の関係を中心に姉、妹、弟等のきょうだいの関係等と生き物のことも含めて、日本人の自我の構築過程を辿って行っている様である。B日本人の自我は女性像での表現がふさわしいと言っているが、「女性像」に注目することで、昔話の分析の中で日本人の心の在り方、生き方について分析し、結論つけたということだと思う。必然的に女性の登場回数が多くなっている。 C西洋との比較の中での日本人の自我へのアプローチは昔話だけではなく、キリスト教文化と日本神話との比較も含めて宗教的な背景やギリシャ神話と日本の神話の違いに由来する、それぞれの文化的、精神的な構造について歴史的な視点も含めて行われており、古事記や日本書紀やギリシャ神話についての改めての知識欲も掻き立てられた。元々河合氏がユングの分析派の資格取得の論文テーマとしていたのが日本神話であり、その流れからの昔話分析と思われます。その後「日本神話と日本人の心」の書籍が出版されています。D更にこれまでも河合氏は先に「母性社会日本の病理」「中空構造日本の深層」も出版しており、それらもベースに発展させた内容として、西洋の父権意識による自我の確立過程に対する日本における母権意識をベースとした自我の脆弱さを指摘しながらも、女性の意識は可変性なり老人・少年・男・女の意識を重層的に備えており、多様化する世界に向けては日本の方が対応力があるとも言っている。E日本人の自我の確立が曖昧で、中空的だとの指摘の背景に母性が支えてきた包容力、受容性があるとすれば、そのことが忍耐することと共に多様に対応していく力として新たに今後に向けて転用していける全体性というものを持ち備えているということを示唆されている様にも感じられる。F自我の成立過程を考えた時の補償の概念からは、逆に補償作用がなければ成立もできないということの裏返しでもある。

    brian さん |70代

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  • 正にあとがきにもあるように、当「神話と日本人の心」...

    投稿日:2021/07/19

    正にあとがきにもあるように、当「神話と日本人の心」は、自分自身の心のルーツを辿ろうとした時に、日本人としての心のルーツも併せて探ろうとすると考えるが、その大きなヒントを授けてくれる一冊だと思う。  「昔話と日本人の心」も体系だった内容であったが、「神話と日本人の心」は河合隼雄がユングの分析者資格取得のための論文であっただけに、更に体系立てられていると共に日本人の考え方の源を感じることができ、集大成と言える内容である。  改めてキリスト教文化圏における個人主義と自己の確立過程との違いを感じさせられた。それは自分の中にある曖昧さや決断することの良し悪しを周囲を意識する中で逡巡してしまう様な有り様にも気づかさせられるところであった。  自己の確立を求めようとし、しかし必ずしもそのことが絶対的に求められていることでもない社会性が自分の中に揺るぎない葛藤をもたらしていたのではないかとの、曖昧模糊としていたものが、今疑いが少し晴れたような思いをさせてもくれる内容でもある。  日本人の場合、明確な自己の確立を求めようとするほど、そのことを強く求めようとはしない暗黙の家族や社会の雰囲気 があるような気がする。しかも誰一人責任と決断を無理にリードしようとはしないのかもしれない。  そんな日本人には多数決と言う民主主義が似合っているのかもしれない。「赤信号みんなで渡れば怖くない」とはよく言ったものだと思う。だからこそ平和を好み、平穏に取り繕おうとする国だから、日本は良い国であることは間違いない。  日本神話から日本人の考え方、心理を把握しようとすると、均衡・調和・恥の意識が認識されるが、グローバルな世界の中での主体性、決断力、責任感という課題を乗り越えるためには、日本神話の時代からの続いてきた日本文化あるいは日本人としての特性から大きく離れて飛躍できないことを考えると、現実的には持ち味としての均衡・調和に対する取り組みを活かすことが大切になるのではないだろうか。均衡・調和を重んじるということは民主的に物事を進められる能力であるとも言い換えられるし、具体的にはコミュニケーションや論議の中からその均衡・調和を実現して行くことが求められるのではないだろうか。  論議をすればするほど、結論がすぐ出るというものでもないが、その生みの苦しみの中から、主体性は磨かれていくのでは。  河合隼雄氏が述べているように、ヒルコをどう受け入れるのか、どう再帰させるのかの課題への対応ということだと思う。

    brian さん |70代

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  • ●「母性社会日本の病理」(1976)、「昔話の深層」(...

    投稿日:2021/07/25

    ●「母性社会日本の病理」(1976)、「昔話の深層」(1977)に続いて「中空構造日本の深層」(1982)が刊行されている。続いて当時の昔話に関する分析研究に関する集大成として「昔話と日本人の心」(1982)が刊行されているが、これらはユング心理学、西洋と日本の自我の確立過程や文化の違い、そのルーツとしての神話や昔話に関する分析研究の理論展開がシリーズ的に読み解くことができる。 ●「中空構造日本の深層」は前著「母性社会日本の病理」では日本人の母性原理に基づく心性の分析に対し、西洋だけではなく、アジアと比較すると父性原理と母性原理の中間的な位置づけの分析にシフトされている。●それは日本神話からも紐解かれ、心理構造としてのルーツとしての神話、昔話の引用がなされている。冒頭にも神話の知の話があるように、自らの神話を探すとのテーマがベースにある。●自分自身の心性を考える時、自分自身のルーツとしての両親やその教育に近視眼的に目が行くが、更にその底辺に流れる日本における精神文化や、精神史としての日本神話や意識化の過程の中で潜在化した無意識を統合し、全体性の回復の象徴としての昔話のテーマが自分自身の中にも脈々と流れ続いてきているものとするならば、やはり自分にとっての神話を探していく必要があると思う。●日本神話の誕生、そして長い年月の中で語り継がれてきた、あるいは語り変えられ固められてきた昔話の中には、心の全体性に関する深い知恵が隠されているとも言える。それは単に論理的で明快な説明ではない、父性原理、母性原理、意識、無意識、夢や幻想などが織り混ぜされた広大な宇宙観のようなものではないだろうか。それらのことを考えさせてくれる心の深層への深い洞察に誘ってくれる一冊である。

    brian さん |70代

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