抱擁、あるいはライスには塩を

江国香織

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087713664
ISBN 10 : 4087713660
フォーマット
発行年月
2010年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
624

内容詳細

神谷町の洋館に暮らす柳島家は、ロシア人の祖母、変わった教育方針などの事情で周囲から浮いていて…。時代、場所、語り手を変え、幸福の危うさ、力強さを綴る、3世代にわたる風変わりな一族の物語。

【著者紹介】
江国香織 : 1964年東京生まれ。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、04年『号泣する準備はできていた』で直木賞、07年『がらくた』で島清恋愛文学賞、10年『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文芸賞を受賞。小説のほか童話、詩、エッセイ、翻訳など幅広い分野で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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家族の百年にわたる物語を、一人ひとりが、...

投稿日:2011/05/29 (日)

家族の百年にわたる物語を、一人ひとりが、その時々に語る、あるいは回想するという形の小説です。表面的には幸せで、穏やかな家族を描いていますが、影の部分では言葉に尽くせないほどの葛藤があった人々ではないかと想像させます。装丁も美しい、いつまでも置いておきたい本です。 PS:江國さんの翻訳絵本、『シェイカー通りの人びと』のハーキマー姉妹を思い起こします。

jun-aki さん | 愛知県 | 不明

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読書メーターレビュー

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  • 優希 さん

    再読です。不思議なクロニクルと言える作品だと思いました。様々な時代を生きる家族たち。語り手はその時々で変わるのに、違和感なく全てが美しい物語に紡ぎあげられているように感じます。短編小説のようでありながら1つの家の形へと昇華されているからでしょう。刺激的なことは起きず、ずっと柔らかな空気が流れているのが江國さんらしいところだと言えるでしょう。みずみずしい世界観に浸るのが心地よかったです。また時期を見て読み返したい作品です。

  • れいぽ さん

    神経質だけれども大らかで、奇妙なんだけど由緒正しい家族の物語。時代や語り手が鮮やかに交代しながら浮き彫りにされるエピソードはプリズムのようにキラキラしていて、積み重なりながら心地よくて物悲しい旋律にかわっていく。幕間に交わされるセリフは「かわいそうなアレクセイエフ」「みじめなニジンスキー」。あー。なんか、久しぶりに好きな江國さんに出会えた感じです。読めてよかった!!

  • nyanco さん

    洋館で暮らす風変わりな桐島家の物語。優雅に高潔に暮らしてきた3人の子供達は突然、学校に行かされる。そこは動物園の折の中の様だった。このシーンから物語を始める…江国さんの巧妙さ。風変わりなこの一族の暮らしを浮き彫りにする見事なオープニング。彼ら独特の暮らしぶりが興味深く、一気に物語に引き込まれていく。家族各々に語らせ、その時代と家族の変化を伝える各章の構成も見事。たまに家族以外の人に語らせるスパイス使いも素晴らしい。4人の兄妹達が成長し、家を出る者、残る者、そして逝く者…と描かれた三世代の物語。続→

  • ann さん

    風薫る五月末から初秋を感じる八月末の今日まで。丸々三か月、私は柳島家に居候していた。彼らと別れるのが嫌で、寄り道しながら出たり入ったり。似たような家族構成、生きた年代、先達の思い。今までの自分の半生を柳島家に重ねながら、これからの残りの時間を生きて行く覚悟のようなものを得る事ができた気がする。「節目に読んだ本」ではなく「読んだから、今が節目になった」本。しばらくは馥郁たる余韻に浸ることになりそう。最高の感動。「かわいそうなアレクセイエフ」「みじめなニジンスキー」そして「ライスには塩を」。

  • あつひめ さん

    年代が行ったり来たりしながらの中、自分がその時の年齢を当てはめその当時の世の中を思う浮かべながら読み進めた。家族と言う小さな塊と社会と言う大きな塊。弾きあうような溶け合うような不思議な感じを受けながら読んだ。どの家も自分の家こそ普通の一般家庭だ・・・という思いを持って生きていると思う。その中で、学校に通わせずに家庭で学ばせる、そして学校に行って初めて自分たちの家庭は少し変わっている?と思うあたりが家族で守られてきた証のような気がした。代々どこかで何か受け継いでしまう・・・恐ろしやDNAとでも言うべきか。

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人物・団体紹介

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江国香織

1964年東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で「小さな童話」大賞、1989年「409ラドクリフ」でフェミナ賞を受賞。以後、坪田譲治文学賞、紫式部文学賞、路傍の石文学賞、山本周五郎賞の受賞を経て、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞を受賞。さらに島清恋愛文学賞、中央公論文芸賞、川端康成文

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