目まいのする散歩 中公文庫

武田泰淳

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784122066373
ISBN 10 : 4122066379
フォーマット
出版社
発行年月
2018年09月
日本
追加情報
:
240p;16

内容詳細

近隣への散歩、ソ連での散歩…歩を進めるうち、現在と過去がひびきあい、新たな記憶がよみがえる。死を前にした清澄なひびきを持つ晩年の秀作。野間文芸賞受賞。改版に当たり、巻末特別エッセイ「丈夫な女房はありがたい」、野間文芸賞選評(抄)、百合子夫人の「受賞の言葉」を収録する。

目次 : 目まいのする散歩/ 笑い男の散歩/ 貯金のある散歩/ あぶない散歩/ いりみだれた散歩/ 鬼姫の散歩/ 船の散歩/ 安全な散歩?/ 巻末エッセイ 丈夫な女房はありがたい/ 特別付録 野間文芸賞選評(抄)・受賞の言葉(大岡昇平/ 中村光夫/ 安岡章太郎/ 武田百合子)

【著者紹介】
武田泰淳 : 1912(明治45)年、東京・本郷の潮泉寺住職大島泰信の息子として生まれる。旧制浦和高校を経て東大支那文学科を中退。僧侶としての体験、左翼運動、戦時下における中国体験が、思想的重量感を持つ作品群の起動点となった。43(昭和18)年『司馬遷』を刊行、46年以後、戦後文学の代表的旗手としてかずかずの創作を発表し、不滅の足跡を残した。76(昭和51)年10月没。73年『快楽』により日本文学大賞、76年『目まいのする散歩』により野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • どんぐり さん

    脳血栓を患った著者晩年の「散歩」という名のついた8篇に、「丈夫な女房はありがたい」の巻末エッセイと野間文芸賞選評の特別付録を収載。全篇にわたって登場するのが、彼女、女房、女、女性の三人称で書かれている武田百合子さん。特に、あごに白いひげを生やした男が目玉の大きいのんきそうな女と散歩する「鬼姫の散歩」が抜群に面白い。白土三平の「サスケ」に出てくる眼玉の大きな少女「鬼姫」そっくりだと言い、ユーモラスに描かれている。「船の散歩」「安全な散歩?」の2篇は、武田百合子の『犬が星見た』の外伝として読むことができる。

  • chanvesa さん

    『司馬遷』のような緊密な初期の作品に比べて、晩年のこの作品はどこか諦念のような、あるいはのんびりしたような雰囲気が漂い、独特な趣きがある。「たとえば『あたしも今に死ぬのね。イヤだなあ。いつ死ぬのかしら』と、死にそうもない顔つきで女房に問いかけられるさいは、笑ったような笑わないような表情で『ウフフ』と答えるのが、目下のところ一番無難である。(43頁)」微笑ましいような、寂しいような。「船の散歩」「安全な散歩?」は、口述筆記の際に、議論の上で細部に彼女の意見が反映されたところも少しはあったとしたら面白い。

  • ぱせり さん

    大病後の作品とは思えないほどの伸びやかな「散歩」は、一種の達観なのかもしれない。人生が散歩、と思うなら、わたしの今このときも散歩の途上。ときに道に迷ったり、思いがけないところで躓いたりしても仕方がない。休み休み、思うままの歩調で、歩くことを楽しめたらいいな、と思う。

  • moyin さん

    再読するとき、今まで気づかなかった点、つまり百合子の日記が一部の文章の下敷きになっていることが目に入った。泰淳は『犬が星を見た』を読んだらどう思うか。

  • ふるこ さん

    冷静で簡潔な中に愛情を感じる文章。これを武田百合子が口述筆記していたのかと思うと感慨深い。昔の景色や気持ちを良く覚えてるもんだなぁ。家族のためにこの本を残したかったのかな。富士にいても東京にいてもロシアにいても変わらない人だな。

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武田泰淳

1912(明治45)年、東京・本郷区の浄土宗の寺に生まれる。東京帝国大学支那文学科中退。僧侶としての体験、左翼運動、戦時下における中国体験が、思想的重量感を持つ作品群の起動点となつた。43(昭和18)年『司馬遷』を刊行、46年以後、戦後文学の代表的旗手として『蝮のすゑ』『ひかりごけ』『富士』など、数

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