デフォー「ペストの記憶」 2020年 9月 100分 de 名著

武田将明

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784142231171
ISBN 10 : 4142231170
フォーマット
出版社
発行年月
2020年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
109p;21

内容詳細

見えざる恐怖にどう立ち向かうべきか

17世紀ロンドンに起きたペストの大流行は、市民の暮らしと社会を一変させた。家屋閉鎖で機能停止する経済、人々の間に飛び交うデマ情報、富める者と貧しい者に生まれた格差、迫りくる第二派の感染拡大……。当時のロンドン市民が見えざる恐怖の中でとった行動は、新型コロナ禍を生きる私たちのそれと驚くほど変わらなかった! 『ロビンソン・クルーソー』で知られるデフォーが膨大な資料をもとに遺した記録文学を、わかりやすく現代にひも解く。

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • アキ さん

    NHKEテレでは良くも悪くもキャストのアクが色濃く出てしまう。東大准教授武田氏はデフォー著作「ロビンソン・クルーソー」のみならず、彼の手記など読み込んで思い入れのある作家だということがわかる。この書がその当時のイギリスでどんな意味があったのか、本の構成や記述から論考するだけでなく、現代のコロナ禍に引き寄せて人間の本質に肉薄しようとする。またデフォーのおけるこの本の書かれた時期から小説ではなく、ペストに興味を持ち記録集のような側面もあったと指摘する。武田氏の複眼的な見方が、今の時期に読むからこそ腑に落ちる。

  • shikashika555 さん

    ダニエル・デフォーが今に生きていたら、SNS記事がきっと売れていたに違いない。 現在のコロナ禍にあっても、同じような 記録と物語が混在したようなごちゃ混ぜスタイル?で記録をつけている人がいるかもしれないな。 少し前に読んだ、パオロ・ジョルダーノ「コロナの時代の僕ら」なども、このようなジャーナル系ノンフィクション(なんて言葉はあるのかな)に当たると思う。 全くの事実だけを羅列したものは学術的には大いに意味があるが、一般的に人々に語り継がれるためにはやはり、そこに物語がなくてはならないものだ。

  • かふ さん

    原作は読まなくていいかな。コロナ禍で次々にパンデミック文学の再発されているがデフォーは1966年のロンドンで起きたペスト大流行を当時の公文書や実際の逸話をもとにデフォーの視点も交えて複眼的視点で描いた作品。記録文学。デフォーは文学的には『ロビンソン・クルーソー』が植民地主義文学として批判されているが、当時のイギリスの神のご意思のもとに運命が定められているという予定説で、マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』に近いとされている。デフォーはカルヴァン派。

  • どんぐり さん

    武田先生の解説のおかげで、原著の特徴を大まかにとらえられる。約400年前に流行したペストを題材に著されたフィクションとノンフィクションをあわせたような書。 正解もなく終わりも見えない恐怖の中にこそ、人間の美しさや卑しさといった本質がみえる。様々な視点から生まれる葛藤、不条理と、どう向き合うかを考えさせられる。私たちが現在おかれているコロナ感染症との関連に思いを馳せながら読みすすめる。難しい。ぼんやりしたまま読み終えた。

  • 歩月るな さん

    20年ほど前の「人は誰かになれる」と言うよくご存知のフレーズがなぜか私の心底に焼き付いているが、真の意味のなりきりプレーヤーはどんな事ができるのか。リュパン、二十面相、そして某エンヴィー、更にはマネマネの実。ふざけているわけではなく、「テクストの力」でそれらをやってのけてしまうのがデフォーである。記録的散文である『ペストの記憶』を生々しく活写する謎の筆力、まさに力強いテクストだった。語り手すら墓の下に葬る事で、作品として完成されたような印象を抱く。鴻巣氏の論考を参照してたりするのが繋がりを感じて良かった。

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