ヰタ・セクスアリス 新潮文庫

森鴎外

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101020037
ISBN 10 : 4101020035
フォーマット
出版社
発行年月
1993年06月
日本
追加情報
:
16cm,146p

内容詳細

哲学講師の金井湛君は、かねがね何か人の書かない事を書こうと思っていたが、ある日自分の性欲の歴史を書いてみようと思いたつ。六歳の時に見た絵草紙の話に始り、寄宿舎で上級生を避け、窓の外へ逃げた話、硬派の古賀、美男の児島と結んだ三角同盟から、はじめて吉原に行った事まで科学者的な冷静さで淡々と描かれた自伝体小説であり掲載誌スバルは発禁となって世論をわかせた。

【著者紹介】
森鴎外 : 1862‐1922。本名・森林太郎。石見国鹿足郡津和野町に生れる。東大医学部卒業後、陸軍軍医に。1884(明治17)年から4年間ドイツへ留学。帰国後、留学中に交際していたドイツ女性との悲恋を基に処女小説「舞姫」を執筆。以後、軍人としては軍医総監へと昇進するが、内面では伝統的な家父長制と自我との矛盾に悩み、多数の小説・随想を発表する。近代日本文学を代表する作家の一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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 現代で読むとなんかほのぼのとした自伝小...

投稿日:2021/04/17 (土)

 現代で読むとなんかほのぼのとした自伝小説なのだが、この時代では性欲がうんぬん、花魁がうんぬんというだけで十分、エロティックで挑発的であったのだろう(事実、そういう話は漱石の小説には出てこないものな)。  自分は性欲がないと告白しながら実生活では五人の父親であった作者の矛盾に思わず、「何でやねん!」

boggie999 さん | 神奈川県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO さん

    これも鴎外の「青年」と同様にかなり昔読んだ覚えがあるのですがすっかり忘れていました。発禁処分となったということですが今の状況からは考えられない気がします。どちらかというと教養小説の一種なのでしょう。見開きで註釈があり以前と比べ読みやすくなっています。私は学生時代に読んだときに主人公が備忘録を「紺珠」という表題にしていてそれをかなりの期間真似をしていたことを思い出しました。学生の頃の思い出です。

  • ヴェルナーの日記 さん

    森鴎外自身の体験を元にセクスアリス(性的欲望)を描いた作品。鴎外の作品の中で口語体で書かれてあるため、比較的読みやすい。発刊当初は、発禁処分になったいわくつきの作品だが、現代においては何ら問題なく出版されると思う。当時の遊郭とか、母が娘に教える秘密のお話などのエピソードが描かれていて、とても面白く読むことができた作品である。

  • 優希 さん

    自分の性欲について書かれているようですが、そこまで性的なものは感じませんでした。悶々と心の中に抱え込んできたものを吐き出せないまま大人になった人物が書いたという印象です。淡々と書いているために性的要素をあまり感じなかったのかもしれません。割と普通の小説として読めますが、発禁となったくらいですから、男色や吉原などの性に対する描写が当時からすればスキャンダラスなことだったのかもしれません。固い時代にこのような作品を描いたことが凄いと思います。

  • 青蓮 さん

    再読。どの辺が発禁処分に引っかかったのか気になる。「性」へのタブー視の度合いが現代と違うのは興味深い。

  • gtn さん

    自分の性欲の歴史を明らかにし、それがノーマルなのかアブノーマルなのか判断しようというのが執筆動機の一つという。読了し、鷗外の性欲史自体はノーマルであった。しかし、これを公表したいという欲求がアブノーマルである。

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森鴎外

本名森林太郎。1862(文久2年)に、石見国鹿足郡津和野で生まれる。本来は津和野藩亀井家の14代典医となるはずだが、時代が明治となって、典医だった森家は没落。大学卒業後、陸軍軍医となって、陸軍省派遣留学生として4年間ドイツに留学。帰国後は小説家・評論家・翻訳家として文学活動を盛んに行なう。また陸軍で

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