基本情報
内容詳細
明治、西洋からの輸入によって始まった日本の哲学は、東洋的な精神性をまといつつも、思想的近代性によって日本的土壌を批判しもする特異な営みであった。西田幾多郎に始まり、現在まで引き継がれるその流れの特徴はいかなるものなのか。本書では「垂直性と水平性の交錯」「現在中心主義」「主語の不在」などをキーワードに、日本哲学史の原理を探り、分析の切先において列島の彼方へと可能性を解き放つ。西田幾多郎没後70年、いま再び新たな哲学論。
本書で扱う主な哲学者:西田幾多郎、和辻哲郎、九鬼周造、田邊元、三木清、廣松渉、木村敏、坂部恵、大森荘蔵
「「拡散する京都学派」として、いわゆるアカデミズム哲学のなかでの「日本哲学」の水脈を辿ったこの探求の先にとらえられるべきものは、京都学派そのものを多層的に縦断・横断している深さと切断における別の日本である。それはすでに、「アカデミズム」の枠内での「日本哲学」からも、とりわけ西田の、何者かに憑依されたかのような文体からも、はみだしていくものであるはずだ。」(本書より)
檜垣立哉檜垣立哉
1964年埼玉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授。博士(文学)。専攻はフランス哲学・日本哲学。 著書に、『哲学者、競馬場へ行く』(青土社)、『子供の哲学』(講談社選書メチエ)、『ヴィータ・テクニカ 生命と技術の哲学』(青土社)、『生権力論の現在』(編著、勁草書房)、『西田幾多郎の生命哲学』(講談社学術文庫)、『瞬間と永遠 ジル・ドゥルーズの時間論』(岩波書店)、『フーコー講義』(河出ブックス)、『ドゥルーズ入門』(ちくま新書)、『賭博/偶然の哲学』(河出書房新社)、『ドゥルーズ/ガタリの現在』(共編、平凡社)、『生命と現実 木村敏との対話』(河出書房新社)、『生と権力の哲学』(ちくま新書)、『ドゥルーズ 解けない問いを生きる』(NHK出版)、『ベルクソンの哲学』(勁草書房)など。 訳書に、N・ローズ『生そのものの政治』(監訳、法政大学出版局)、L・ベルサーニ+A・フィリップス『親密性』(共訳、洛北出版)、H・ラパポート『ハイデッガーとデリダ』(共訳、法政大学出版局)、J・L・マリオンほか編『現象学と形而上学』共訳、法政大学出版
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人物・団体紹介
桧垣立哉
1964年、埼玉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。大阪大学にて博士号取得(文学)。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授。専門は哲学、現在思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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