顔に降りかかる雨 講談社文庫

桐野夏生

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062936804
ISBN 10 : 4062936801
フォーマット
出版社
発行年月
2017年06月
日本
追加情報
:
496p;15

内容詳細

親友の耀子が、曰く付きの大金を持って失踪した。被害者は耀子の恋人で、暴力団ともつながる男・成瀬。夫の自殺後、新宿の片隅で無為に暮らしていた村野ミロは、耀子との共謀を疑われ、成瀬と行方を追う羽目になる。女の脆さとしなやかさを描かせたら比肩なき著者の、記念すべきデビュー作。江戸川乱歩賞受賞!

【著者紹介】
桐野夏生 : 1951年金沢市生まれ。成蹊大学卒業。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、’98年『OUT』で日本推理作家協会賞、’99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、’04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、’05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、’08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、’09年『女神記』で紫式部文学賞、’10年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞、’11年同作で読売文学賞を受賞。’15年、紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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桐野作品、やっぱり重い。でも社会問題をえ...

投稿日:2018/12/30 (日)

桐野作品、やっぱり重い。でも社会問題をえぐる近年の作品よりは、まだまだストレートな、初期の作品なのだなあと感じさせられた。ハードボイルド系はあまり好きではないが、桐野作品はもちろん、柴田よしき作品にしても、女性作家のハードボイルドには何か別の魅力がある。ミロシリーズ、読破していきたい。

紫の君 さん | 東京都 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 夢追人009 さん

    1993年に刊行された第39回江戸川乱歩賞受賞作の桐野夏生さんのミステリ小説デビュー作です。本書は当時の日本では珍しい女私立探偵ジャンルの先駆的作品なのですね。まあ実際はヒロイン・村野ミロはズブの素人で職業探偵ではないのですが、高齢の父が元私立探偵なのでした。久々に読む女性ハードボイルド作品は新鮮でとても面白かったですね。ヒロインの村野ミロは最初は否応なしに事件に巻き込まれ、経験もないからか荒削りの行き当たりばったりではありますが、それでも何が何でも執念の捜査で粘り最後まで諦めない根性が素晴らしいですよ。

  • 修一郎 さん

    桐野夏生さんの初期作品。モチーフのネオナチやSMは,壁崩壊直後のベルリンを旅したことから発想したのだそう。壁の崩壊から30年だ。乾いた語り口で減らず口少な目のハードボイルド,死体写真愛好家やら,しょっぱなから相当ややこしい事案に巻き込まれる女探偵村野ミロの誕生です。自分も成瀬との情交はいらないと思ったけども,次回以降に必要な条件だというのでやむなし。あんまりいい結末を迎えないシリーズらしい,けど次作「天使に見捨てられた夜」は読みますよ。

  • 優希 さん

    江戸川乱歩賞受賞作。曰く付きの大金を持って失踪した親友の行方を捜すために翻弄する物語。夫が死別していなければ女探偵となり、裏稼業に手を出さずに済んだのみならず、穏やかな生活が送れたのではないかと思います。しかし、ミロは探偵という道を選び、危ない橋を渡っていく。そこが魅力と言えば魅力なのですが。女性ならではの脆さとしなやかさで展開する物語に引き込まれました。面白かったです。

  • はるを さん

    🌟🌟🌟🌟☆。(ややオマケ3.8くらい)大好きな桐野夏生さんのデビュー作。『村野ミロシリーズ』第一弾。失踪した友達と大金の行方を巡って主人公自身も災難に巻き込まれながら謎の真相を解き明かすサスペンスミステリー。デビュー作にしてこの完成度か、と思わせるほど夢中になって読んだ。謎を追うプロセスやミロの視線が面白い。半分過ぎても手掛かりが分からずページを繰る手が止まらない。桐野小説の特徴は2つある。女性主人公は短気でキレ易い人が多い気がする。もうひとつは前半が凄く面白いだけに後半がやや失速気味に感じる事。

  • ケンイチミズバ さん

    少し古い映画の再放送を見たような、そしてよくできていて心地よい気持ちになった。なんとなくハードボイルドでもあり、ラストの男と女のセンチメンタルな部分も良かった。季節が今と一致し雨の描写も読んでいて効き目がある。外車や洋服のブランドのディテールは人物を効果的に表しており、女性作家ならではと思えます。エゴイストが出てきた部分で自分の経験からなんだか笑ってしまった。当時、それをプンプンさせていた男が今は直属の部下だから。震えていた彼女だが、知らず知らず探偵としての才能が垣間見え、次第に強くなっていくのがいい。

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桐野夏生

1951年、金沢市生まれ。93年『顔に降りかかる雨』で第39回江戸川乱歩賞受賞。98年『OUT』で第51回日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で第121回直木三十五賞、2003年『グロテスク』で第31回泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で第17回柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で第5回婦人公論文芸賞

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