TIGER&BUNNYの世界観に魅了され、本書と設定資料集「TIGER&BUNNY KING OF WORKS」(¥5,880)のどちらを購入するかを悩んでいる人もいるのでは。どちらもキャラクターの絵はありますが、後者は主要登場人物に関しては主に立ち姿が掲載されているだけです。メインの人物&ヒーローデザインの変遷を見たい人は、こちらがお薦めです。
桂正和氏のキャラクターデザインの軌跡を綴った本書。雑誌連載分の漫画のオールカラー版やDVDパッケージ等のカラーイラストは、デザイン集の内容と比べるとおまけに過ぎません。
1人の登場人物を誕生させるまで、桂氏は描いては没、描いては没を一体何度繰り返したのだろうか。虎徹やワイルドタイガーの没デザイン画だけで、本が1冊仕上がってしまいそうな勢いです。鉛筆でのラフ画が中心ですが、完成に近づくにつれてカラーバリエーションのパターンも増えてきます。試行錯誤を繰り返し、満足のいくデザインが生まれる一方、時には妥協すことも…そんなプロの仕事を垣間見ることができる1冊です。
もし没デザインのキャラクター達が採用されていたら、どんな風に動くか…等と想像してみるのも一興です。パイロット版PVに登場したブルーローズのデザインもこの本で確かめることができます。
桂氏はこの本を発売後も、TIGER&BUNNYのイラストや劇場版のOP絵を描かれていますので、今後はそれをまとめた画集の発売にも期待。