都市と農村 岩波文庫

柳田国男

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003812211
ISBN 10 : 4003812212
フォーマット
出版社
発行年月
2017年09月
日本
追加情報
:
304p;15

内容詳細

昭和初期の小作争議が頻発した時代、農政官として出発した柳田は、農村の疲弊と農民の貧困を、農村内部の問題としてではなく、都市との関係でとらえた。田舎から都市への人の流入を歴史的にたどり、文化全体をみつめるなかで、具体的な希望として農民による協同組合運営や、地方都市間の連携を提言。現代においても示唆に富む。初文庫化。

目次 : 第1章 都市成長と農民/ 第2章 農村衰微の実相/ 第3章 文化の中央集権/ 第4章 町風・田舎風/ 第5章 農民離村の歴史/ 第6章 水呑百姓の増加/ 第7章 小作問題の前途/ 第8章 指導せられざる組合心/ 第9章 自治教育の欠陥とその補充/ 第10章 予言よりも計画

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • KAZOO さん

    最近岩波文庫に柳田の著作が少しづつ納められています。この著作もその最新版ですが、書かれた当時のことが現在にも当てはまるような状況になっていてタイミング的にはぴったりでした。柳田がこの著作を書いた当時は農政官ということで各地の農村を廻っていたということで、フィールドワーク的な感じもします。当時農業は一番の産業であったことにもかかわらず、その従事している人々の格差が大きかったことも書かれています。「文化の中央集権」「農民離村の歴史」など現在の状況を見るかのようです。

  • うえ さん

    「私の想像では、衣食住の材料を自分の手で作らぬということ、すなわち土の生産から離れたという心細さが、人をにわかに不安にもまた鋭敏にもしたのではないかと思う」「本当はこのように肥料を莫大に要求する国の方が珍しいのである」「現在の共産思想の討究不足、無茶で人ばかり苦しめてしかも実現の不可能であることを、主張するだけならばどれほど勇敢であってもよいが、そのためにこの国民が久遠の歳月にわたって、村で互いに助けて辛うじて活きて来た事実までを、ウソだと言わんと欲する態度を示すことは、良心も同情もない話である」

  • よしひろ さん

    村の価値、自助、相互扶助の仕組みに驚かされる。

  • しゅう さん

    農地改革による自作農への変化が、農村社会を大きく変えてしまったことを強く実感する。各農民が土地を持つことにより、農地は財産としての価値を持ち、土地と生業の間にあった関係が切り離されてしまった。 山野河海の入会利用は農村の大きな特徴であったが、それも解体された。都市と同じ価値観のもとに農村社会も扱われたことで、様々な矛盾が生じているのだと思う。 民主化されたいまの日本で、柳田のいう「固有の共産制度」の価値を見直し、いかにして地域で実践することができるか。ますます重要なテーマになると感じた。

  • フクロウ さん

    タイトルのとおり、1929年時点での柳田國男の「都市」と「農村」についての観察と主張が書かれている。農村の小作農(151-202)及び都市に対する北国からの冬季限定出稼ぎ労働者(137-138)を始めとする原locatioの問題、人入れ稼業(人材仲介派遣業)の問題(134)、共有と公共物の違いの認識(221-222)と不在地主からの土地取上げ(186、224)及び農民組合による農業金融〜譲渡担保禁圧(199-202)、村での互選と衆議を旨とする共和制の指摘(178)など極めて示唆に富む。

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人物・団体紹介

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柳田国男

1875年、兵庫生まれ。1900年、東京帝国大学法科大学卒。農商務省に入り、法制局参事官、貴族院書記官長などを歴任。35年、民間伝承の会(のち日本民俗学会)を創始し、雑誌「民間伝承」を刊行、日本民俗学の独自の立場を確立。51年、文化勲章受章。62年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されてい

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