林芙美子「放浪記」 2023年 7月 100分 de 名著

柚木麻子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784142231539
ISBN 10 : 4142231537
フォーマット
出版社
発行年月
2023年06月
日本
追加情報
:
116p;21

内容詳細

私は宿命的に放浪者である――。

飢えに苦しみながらもあっけらかんとした明るさを失わず、絶望が心を塞いでも世の中に啖呵をきる。林芙美子の自伝的小説『放浪記』には、舞台化により広まったイメージとはまったく異なる魅力が詰まっている。激動の昭和初期を生き抜く女性の姿に、新たな光を当てて読み直す。

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読書メーターレビュー

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  • どりーむとら   本を読み深めたい さん

     放浪記を書いた林扶美子のことが分かりやすく書いてあった。その中で印象深かったのが、彼女が食レポの名人であったということである。私が好きな作品で、食事の場面の柿化が上手なのは「鬼平犯科帳)である、そこでも食事に関する蘊蓄が述べられているけれど、「放浪記」の中でも「熱いご飯の上に、伏兵戦にして、ムシャリと頬張ると、おこている事もまんざらではない」などの素晴らしい表現がある。それによって食べ物によって元気になっている様子が伝わってくる。この方面の表現は日常生活の中で私は使うことがなかったので使ってみたい。

  • アカショウビン さん

    林芙美子がずっと気になっていた。たまたま桜島、尾道の記念碑などを随分昔に見たが、読むことはなかった。本書を読み、その理由の一端を自覚した。カフェーの女給を自殺に巻き込んだ人物(太宰)が書いた文学とカフェーの女給が書いた文学、という対比が素晴らしい。戦争協力についての筆者の考えには、全く共感した。「前線にいる兵士という庶民の姿」を伝えたかった。突然の死を迎えるが、葬儀委員長川端の挨拶がなかなかいい。

  • Iwata Kentaro さん

    前半はめっちゃ面白かった。文章も舞台も未体験だけどとても興味深かったし、舞台の解釈も秀逸でした。定型に落ちてはいけないという主張から結局定型に落としてしまった後半はジレンマ。

  • kaorin さん

    とても面白い!100年も前の女性作家林芙美子の日常の本音が、柚木麻子さんの導によってグッと身近に引き寄せてくれた。 柚木さん目線で選ばれた芙美子の本音が書かれた引用箇所が、すごくいきいきとしていて、思わず笑ってしまう。まさかこんなに共感するとは思いもしなかった。 きっと、原作を先に読んでいたら読みづらさで、芙美子の魅力に気づく事なく挫折していたかもしれない。柚木さん、名ガイド! 柚木麻子著「らんたん」を読んで、河合道の事を身近に感じられた感覚が、この「100分で名著」でも再現されている。

  • die_Stimme さん

    林芙美子の本を読んだことがなかったけど、この柚木さんによる解説を読んでとても興味を持った。性格が悪くても周囲のひとを惹き付ける人というのは確かにいると思う。結局のところ信頼できる人というのも林のように自分の悪辣さも弱さも見せてくれる人なのかもなーと思う。

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人物・団体紹介

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柚木麻子

1981年生まれ。大学を卒業後、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞受賞。同作は、高校生が

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