砂の上の1DK 角川スニーカー文庫

枯野瑛

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041128961
ISBN 10 : 404112896X
フォーマット
出版社
発行年月
2022年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
みすみ ,  
追加情報
:
333p;15

内容詳細

産業スパイの青年・江間宗史は、任務で訪れた研究施設で昔なじみの女子大生・真倉沙希未と再会する。追懐も束の間、施設への破壊工作に巻き込まれ…瀕死の彼女を救ったのは、秘密裏に研究されていた未知の細胞だった。「わたし、は―なに―?」沙希未に宿ったそれ=呼称“アルジャーノン”は、傷が癒え身体を返すまでの期限付きで、宗史と同居生活を始めるのだが―窓外の景色にテレビの映像、机上の金魚鉢…目に入るもの全てが新鮮で眩しくて。「悪の怪物は、消えるべきだ。君の望みは、間違っていないよ」終わりを受け入れ、それでも人らしい日常を送る“幸せ”を望んだ、とある生命の五日間。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 星野流人 さん

    未知の生物に寄生された少女との、奇妙な同棲生活の物語。“アルジャーノン”と名付けられた存在が、無垢ですくすくといろんなことを吸収して成長していく様子がかわいらしかったです。きな臭いストーリー展開の一方で、そこここでのかわいらしい展開が良い清涼剤になっていたと思います。1冊の中で綺麗にまとめられている一方で、クライマックスからオチにかけてはもう少し細かくいろいろ書いてくれる方が個人的には嬉しかったかなとも思いました。闇医者の老婆と、そこで働く孫娘のナースのキャラクターがかわいくて好きでしたね。

  • よっち さん

    産業スパイの江間宗史が研究施設で再会した昔馴染の女子大生・真倉沙希未。 直後に施設への破壊工作に巻き込まれて始まる、人に宿った未知の存在と青年スパイの期限付きの逃亡生活。抗争の原因となった研究施設で秘密裏に研究されていた未知の細胞。沙希未の傷が癒えて身体を返すまでという期限付きで沙希未に寄生し、宗史と同居生活との中で、人としての生活を学習しながら積み重ねてゆくかけがえのない日々があって、様々な思惑が絡み合う中で唐突に迎えたその終わり、そして譲れないもののために戦い抜いた結末にはぐっと来るものがありました。

  • オセロ さん

    産業スパイの江間宗史が任務で訪れた研究施設で昔馴染の女子大生・真倉希沙美と再会したのも束の間、研究施設がの破壊工作に巻き込まれ、希沙美は大怪我を負ってしまい。そんな希沙美を救ったのは未知の細胞だったが、この細胞にはある秘密があって。 希沙美に宿った細胞と一体化した彼女をアルジャーノンと名付け、江間との奇妙な共同生活を通じてアルジャーノンに様々な感情が生まれる中で、アルジャーノンの身に起こる異変、謎の細胞を狙う組織とのスパイらしい情報戦。 切なくて儚いないけれど納得のラストでした。

  • ツバサ さん

    スパイと未知の細胞が同居して、築いていく関係。そして崩れていく感情。起床転結が非常に良く出来ていて、素直に流れるがまま読み進められました。独特のコミュニケーションと譲れない個人の矜持が魅力的な作品でした。続いて欲しいです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/09/02/210000

  • TERU さん

    秘密裏に研究されていた未知の細胞は、己の自我を保有していた。 ある日起きた研究所の事故により、瀕死の重傷を負った彼女に『それ』は寄生した。彼女の命を救ったそれは、傷が癒え身体を返すまでの期限付きで、俺と同居生活を始める事になる。 それには全てが美しく見えた。だが、怪物は消えるべきだ...それは終わりを受け入れ、それでも人らしく残された五日間を生きることを望んだーー 本作はすかすか作者の新作という事で非常に期待しておりましたが、とてもらしい作品でした。

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