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【中古:盤質A】 主題と変奏、他 高関健、野平一郎

松平頼則(1907-2001)

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A
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基本情報

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カタログNo
8555882J
レーベル
International
フォーマット
CD
その他
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輸入盤

商品説明

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NAXOS日本作曲家選輯中の白眉!
オーケストラによる雅楽、王朝絵巻とクラシックのアマルガム!
黄門様で有名な水戸徳川家支流の嫡男として明治40年に生を受けた松平頼則は、名門華族の出身らしく雅楽の調べと西欧の前衛主義を結びつけたユニークな作風が魅力的です。

「ピアノとオーケストラのための主題と変奏」は、昭和26年に作曲され、カラヤンがウィーンと東京で指揮したことでも名高い作品。雅楽「盤渉調越天楽」の主題が、ジャズの語法までも交えて様々な意匠を凝らして変奏されます。王朝絵巻の音楽版とも呼べる華麗で雅やかな音色が紡がれる名作です。

 「ダンス・サクレとダンス・フィナル」は昭和34年に作曲され、岩城宏之とN響によって初演。「サクレ」は雅楽の「振鉾」という舞をテーマとして、セリエ主義風に変容させたもので、「フィナル」は雅楽の催しの通例では最後に演奏される「長慶子」という曲を模したもの。ソプラノとアルトのサックスまで加わる変幻自在で豊饒な音楽です。

「左舞」は昭和33年に作曲され、ギーレンの手で初演。古代中国由来の楽想をアルト・サックスや多種の打楽器を含む独特な編成の管弦楽が多彩な表情をつけて演奏します。弦は主として雅楽の笙のコードを模し、オーケストラとは思えない玄妙な色調は唯一無二のものです。

「右舞」は昭和32年に完成しエルネスト・ブールによって初演されました。「序」「破」「急」の三部構成を採用。古代朝鮮にルーツを持つとされる楽想が、多数の管、打楽器、ハープ、ピアノと弦楽四重奏で奏でられます。雌雄一対の竜の戯れを描いた舞に相応しく、即興的な楽想が徐々に盛り上がります。

 以上三作品は別々に作曲されたものですが、このCDでは雅楽の舞で演じられる通りの配列になっています。普段なかなか耳にする機会のない雅楽の天上的な世界に聴く人を誘い込み、宮中の雅やかさを垣間見させてくれる秀逸な編成といえるでしょう。

 高関健指揮大阪センチュリー交響楽団の演奏技量の高さも特筆ものです。現代音楽を得意とする指揮者らしく、研ぎ澄まされたような鋭利な音色や静寂の中に幽かに霞立つ高雅な調べをオケから引き出し、日本の生んだ貴族的傑作の真価を十分知らしめる卓越した秀演をしています。英国で評価の高いK&Aプロが大阪に乗り込んで収録しただけあり、鮮明で楽器の定位に優れた優秀音質もこのCDを寸毫の瑕疵もない完璧なものとしています。

 ちなみにジャケットには、石岡藩主松平侯の作品にふさわしい、東照神君家康公を祀った日光東照宮に将軍様が参拝する絵柄が用いられています。
 古代のみやびと現代の刺激が出会う「マツダイラ雅楽」を高関・大阪センチュリーの定評ある演奏で。



徳川将軍の末裔「松平」

御三家水戸徳川家支藩常陸府中(石岡)藩主の正嫡として、世が世なら立派な大名であった松平頼則は、1907年最後の石岡藩主松平頼孝子爵の嫡子として東京に生まれました。
 慶應義塾大学仏文科在学中に、フランスのピアニスト、ジル・マルシェックスの演奏会に接したことからフランス音楽に魅了され、1930年には清瀬保二や菅原明朗、橋本國彦達と新興作曲家連盟を設立します。チェレプニン賞やワインガルトナー賞を手にするなど、早くから国際的な評価を受け、若くしてすでに日本人作曲家の中では白眉の存在でした。1940年には紀元2600年奉祝曲の作曲も委嘱されます。
 戦後は「ピアノと管弦楽のための主題と変奏」がISCMに入選し、初来日時のカラヤン指揮NHK交響楽団によって日本初演される栄誉に浴します。その後も「左舞」がISCMローマ入選するなど、合計13回もISCM音楽祭に入選し、世界的に高い評価を受けつづけます。
 戦後世界楽壇を風靡した前衛・現代音楽界の日本における旗手として、最晩年まで旺盛な活動を続け、メシアン、ジョン・ケージ、ブーレーズといった大物も賞賛を惜しみませんでした。
 松平は長生し、2001年94歳で大往生を遂げますが、残念なことに、祖国日本ではそれほど人気を博していたとは言えません。
 しかし、代表作が集められたこのナクソス盤を聴いてみると、最高度に洗練された極上の響きによって精巧、繊細に組み立てられた粋の極致ともいうべき音楽を耳にすることができます。
 欧州の前衛最先端の作風を用いながら、桂離宮や竜安寺を思わせる日本的な美意識が鮮やかに感じ取れます。日本が生んだ代表的な作曲家だったと実感する方も出てくることでしょう。



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松平頼則(1907-2001)作品集

ピアノとオーケストラのための主題と変奏
ダンス・サクレとダンス・フィナル〜ダンス・サクレ(振鉾)
左舞
右舞
ダンス・サクレとダンス・フィナル〜ダンス・フィナル(長慶子)

演奏/高関健(指揮)大阪センチュリー交響楽団、野平一郎(ピアノ)

総合評価

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冒頭の龍笛風のフルートの音をきいて間もな...

投稿日:2017/05/19 (金)

冒頭の龍笛風のフルートの音をきいて間もなく、購入して正解だったと確信した1枚です!雅楽を西洋音楽に取り込むことは、松平作品以外にも試みられていますが、彼ほど細部まで忠実に(特に琵琶や箏の模倣には驚かされました)表現しえた人はいないのではないかと思います。セリーを採用した左舞や右舞などの作品を聴いても、何となく雅やかな雰囲気をもたらすためにのみ雅楽を織り込んだのではなく、あくまで雅楽そのものに内在する精神、そしてその本質に迫るような音楽です(これを聴き終えた後に実際の演目(盤渉調越天楽、長慶子など)を聴いてみると面白いと思います)。アルバム発売から大分経てからの投稿となってしまい恐縮ですが、ナクソス日本作曲家選輯の中でもお気に入りの1枚です。

ブルノのおっさん さん | 北海道 | 不明

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この作曲家の作品はこのCDで初めて知ったの...

投稿日:2010/10/30 (土)

この作曲家の作品はこのCDで初めて知ったのだが、冒頭のピアノとオーケストラのための主題と変奏が、なかなか聴きやすくて、面白い。 野平氏のピアノも良い。 一方、他の曲は現代音楽に近く、やや難解かなと印象ですがなかなか個性的です。 高関&大阪センチュリー交響楽団も好演、そしていつもながら、片山氏の解説もすばらしい。

レインボー さん | 不明 | 不明

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高関/大阪センチュリー響のコンビは定期演...

投稿日:2006/05/26 (金)

高関/大阪センチュリー響のコンビは定期演奏会で積極的に現代音楽を取り上げたことで、関西の音楽シーンに多大な貢献をした。 その高関の素晴らしい統率力と構築は、このCDで十分に示されている。それに応えた大阪センチュリー響の音色と機敏さは、他のオーケストラでは聴けない素晴らしさだ。オーケストラのきらめくような粒だった音色が松平の傑作の魅力を十二分に表現している。

プゼロ さん | 大阪府 | 不明

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