そして同年1996年にもう一作アルバムを発表しています。『MODE OF RISING SUN』というアルバムです。このアルバムで特筆しておきたいのは、5曲目に、あの天下の細野晴臣と、細野プロデュースで『スウィング・スロー』などを出している、細野さんとも付き合いの長い越美晴が作曲で参加しています。細野さんを知らない方の為に少し触れておくと、「はっぴぃえんど」、「YMO」で活躍し、ソロ・アルバムではエキゾチックな名盤を数枚、ヒーリング・ミュージックを編集している「フォア・レコード」というレーベルも立ち上げた偉大な人だと思います。余談はさておき、このアルバムではタイトルが示しているように、「朝」を感じさせる、すがすがしく、きれいな空気のようなアルバムに仕上げています。優しい光、夢うつつで窓から入ってくる光、目覚め…と、聴けばなんだが気持ちが良くなるようなアルバムです。
その翌年の98年、東儀の曲がCM/TVなどで幅広く起用されており、話題を呼びはじめた頃ですが、タイミング良く、CMなどで使われた楽曲と、リミックスで構成された作品『TOGISM』というアルバムを発売しています。1曲目の「STARLIGHT CRUISE」という曲は資生堂ネプチューン・ラジオCMでつかわれていた曲です。そして2曲目は『MODE OF RISING SUN』に収録されていた「夢路まどか」のアナザー・ヴァージョン。3曲目はサントリー三ツ星紅茶CMの可愛らしく優しいメロディーが印象的だった曲「三ツ星」、5曲目は「JALステージスペシャル金閣寺音舞台」という番組のテーマ曲として使われた「翼」、6曲目はファースト・アルバムに収録されていた「夕なぎ」のアナザー・ヴァージョンです。そしてラストを、2曲目同様『MODE OF RISING SUN』にも収録されていた「風のかたみ」のアナザー・ヴァージョンが飾っています。CMで気になっていた方にはこのアルバムがお勧めです。また東儀ファンはアナザー・ヴァージョン狙いで買いでしょう。
『TOGISM2』の方にはTBS系番組『ヒューマン・ロード』のテーマ曲として起用されている「セリメの風」、NHK総合『新アジア発見』のこちらもテーマ曲「NEW ASIA』、新曲「WINDS OF GALAXY」、名曲「生きていたぼくたちへ」のトーギズム・ヴァージョンなど新録音&リミックスが収録されているので、前作を持っている方でも楽しめる内容です。それではその2枚のアルバムについて少し触れてみます。
上記のアルバムと同時に発売されたこの『TOGISM2』は、1998年に発表されたベスト・ミニ・アルバムと称される『TOGISM』の続編とでも言えるでしょう。4曲目の「ヘイ・ジュード〜イエスタディ」はレノン/マッカートニーの言わずと知れた名曲、そして岡野貞一による6曲目の「ふるさと」以外の曲を東儀秀樹が作曲/アレンジを施しています。宇宙空間という無限の世界を描いた新曲「WINDS OF GALAXY」、これからのアジアが飛躍するように願いを込めた「NEW ASIA」、童話「葉っぱのフレディ」のメイン・テーマ曲「生きていたぼくたちへ」、そして東儀秀樹がトルコへ旅をした時にメロディーが浮かんだとされる「セリメの風」等、充実した内容です。
全作品について軽く触れてみましたが、いかがでしたでしょうか?『MODE OF RISING SUN』で、細野晴臣と共演したり、最近ではバレエダンサー熊川哲也との共演、クイズ番組の準レギュラー回答者など今後の幅広い活躍も追っていくと、面白くなりそうです。