コンビニ人間 文春文庫

村田沙耶香

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167911300
ISBN 10 : 4167911302
フォーマット
出版社
発行年月
2018年09月
日本
追加情報
:
176p;16

内容詳細

「普通」とは何か?
現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作

36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。
日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、
「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。

「いらっしゃいませー!!」
お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。

ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。

累計92万部突破&20カ国語に翻訳決定。
世界各国でベストセラーの話題の書。

解説・中村文則

【著者紹介】
村田沙耶香 : 1979年千葉県生まれ。小説家。玉川大学文学部芸術学科芸術文化コース卒業。2003年、「授乳」で第46回群像新人文学賞優秀作受賞。09年、『ギンイロノウタ』で第31回野間文芸新人賞受賞。13年、『しろいろの街の、その骨の体温の』で第26回三島由紀夫賞受賞。16年、「コンビニ人間」で第155回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

総合評価

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最後、思わず「よっしゃ!」とガッツポーズ...

投稿日:2021/04/25 (日)

最後、思わず「よっしゃ!」とガッツポーズしたくなる、少なくとも私にとって、そういう結末でした。主人公のコンビニ人間=恵子が、コンビニ人間として勝利するラストは、作者の意図がどうであれ、爽快感がありました。途中「恋人」として恵子の家に居座る白羽という男への嫌悪感も、恵子の「覚醒」を勝利と感じさせた要因です。白羽のネチネチとしたこじれ方に対する嫌悪は、そこに私自身の内面を見出してしまうからこそ抱く嫌悪でもあるのですが・・・。

チキンラーメン さん | 不明 | 不明

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私はコンビニで働いたことはないもの、筆者...

投稿日:2021/04/12 (月)

私はコンビニで働いたことはないもの、筆者と同じような感覚や状況には何度も陥ったことがある。言葉に出来ないもやもやっとした気持ちを村田さんが絶妙に言語化してくれて、(話自体は救いのないストーリではありますが)読後、少しほっとした気持ちになりました。

stelle さん | 東京都 | 不明

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第155回芥川賞受賞作ということで読んでみ...

投稿日:2021/04/09 (金)

第155回芥川賞受賞作ということで読んでみました。普段からあまり本を読む方ではないですが、難しい言葉や表現などもなくすらすらと読めました。少女漫画のような小説で、冒頭から引き込まれ一気に読んでしまいました。

ayu さん | 富山県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • W-G さん

    仕事の移動の合間に。著者の作品は『消滅世界』に次いで二作目。この流れで読むと、性の捉え方に対するひねくれというか、こじれてる感を強く感じるが、他の作品はどうなのだろうか。頁数も少なく、軽めの文章でさらっと読めるものの、割と重たい要素を含んだ内容…になるのか、全部の問題が”私”の中で完結しているから、実際は特に何事もない日常の話と捉えていいのか。現代社会の見えづらい一面を鋭く突いているのか、それっぽい風味なだけなのか、イマイチ消化出来ていないけれども面白いのはたしか。

  • ehirano1 さん

    このような読書体験はなかなか無いというか、むしろ初めてかもしれないと思いました。遠慮なく言えば、何もかもが歪でした。実はヒロインの普通ではない姿勢にはある意味プロフェッショナルを感じなくはないのですが、「自分の体はコンビニのためにある」という件は、ドイツ第三帝国で健康診断が制度化され、その理由が「ドイツ国民の体(≒健康)は総統のため」というのとなんだか似ているなぁと。小説は時代を反映するとはいいますが、これはちとコワイですね。

  • しんごろ さん

    恵子さんのコンビニ愛を超越したコンビニ愛を強く感じがしましたね。たとえおかしいと思われたって、いいじゃないの。まあ、ちょっとぶっ飛んだところはあるけどね。ひとつのことに没頭できることはいいことだね。それに比べて白羽は理屈ばかり並べて何もできない典型的にダメな奴。救いようがない。ユカリの旦那も好きではないな。白羽、ユカリの旦那を反面教師にして、これから仕事やプライベートにいかしたいですね。

  • かんた さん

    普通でない主人公によって相対化された、普通を自認する人々の方にむしろ興味が湧いた。コンビニと違って世間にはマニュアルがない。それ故、人々は普通という幻想を創り出し、マニュアルの代わりにしているのではないだろうか。標準化されたものに心地よさを感じる点は、主人公もそれ以外の人々も同じように思えた。 巻末の解説は秀逸。多様化が進むほど普通がより強く求められる近年の現象は本当に不思議。いろいろと考えさせられる作品だった。

  • さてさて さん

    白羽という存在の登場で、18年間も勤め続ける『コンビニエンスストア』での『普通』の日常を送る恵子の人生が大きく揺れ動いていく様を見るこの作品。『普通』という言葉の頻出に、私たち読者それぞれが信じる『普通』というものの有り様が揺れ動くのも感じるこの作品。『普通』という言葉に、ある意味思考することを放棄してしまっている私たちの生き様にこそ問題があるのではないか、そんな問いを突きつけられるこの作品。『普通』という言葉に対する村田さんの問いかけに、自身が信じる『普通』という感覚が揺らぐのを感じた納得の作品でした。

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