伊東静雄詩集 岩波文庫

杉本秀太郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003112519
ISBN 10 : 4003112512
フォーマット
出版社
発行年月
1989年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
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追加情報
:
252p;15

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詩人として、詩人の目で、現在の自分を描き...

投稿日:2021/04/11 (日)

詩人として、詩人の目で、現在の自分を描き出す。そこに詩的雰囲気があらわれたり、一種独特(薄暗闇の中のほの暗い一隅のよう)の風景がたちあらわれる。またこの人は(特定のものではない)宗教的な趣もある。人物として興味が出る。

ぷぅさん さん | 兵庫県 | 不明

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読書メーターレビュー

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  • 新地学@児童書病発動中 さん

    読むたびに詩的な緊張感を湛えたこの詩人の言葉に圧倒される。近代詩人の中で一番美しい詩を書いた人ではないかと思う。難解なのだが、特に『わがひとに与ふる哀歌』の凛とした言葉の美は一度読んだら忘れがたい印象を読者の心に残す。一つ一つの詩にこめられた作者の激しい情念が心の一番深いところまで伝わってくるのだ。お気に入りの一節をご紹介。「太陽は美しく輝き あるひは 太陽の美しく輝くことを希ひ 手をかたくくみあはせ しずかに私たちは歩いて行つた かく誘ふものの何であろうとも 私たちの内の 誘はるる清らかさを私は信ずる」

  • かんやん さん

    ずっと昔、意味はしかとは判ぜずとも、その浪漫的憧憬に惹かれていた『わがひとに与ふる哀歌』よりも、今は晩年の『反響』の平易な言葉使いに打たれる。ある種の短編小説を詩のようなと形容することがあるけれど、ここでは詩の方がまるで小説であるかのような。切り取られたある情景、掬いあげられたある心象が、懐かしく、また哀しく響く。気づかぬうちに、小さな手帖に記された詩人の祈りに同調している。「われに不眠の夜をあらしめよ/光る繭の陶酔を恵めよ」それはやはり到達点であり、その先にあるのは死でしかなかった。

  • ロビン さん

    明治生まれの昭和の詩人で、京都大学に学び、ヘルダーリンやリルケ、古今和歌集を愛読し影響を受けたという。「わがひとに与ふる哀歌」が萩原朔太郎に激賞され、また「春の雪」は三島由紀夫に愛された。寡作な詩人ではあるようだが本書には約100の作品が収められている。やさしい言葉つかいながらも、一読して意味が分かる詩というのは少ないのだが、「思ひみよ 岩そそぐ垂氷をはなれたる 去年の朽葉は春の水ふくるる川に浮びて いまかろき黄金のごとからむ」のような、清澄かつリリカルで繊細な美しさが不思議な魅力を放っている。

  • メタボン さん

    ☆☆☆☆ 文庫を変えて伊東静雄詩集を再読。ページの配置、行間の違いで、ガラッと受ける印象が変わるのが面白い。言葉のつながり方が美しくうっとりとしてしまう。杉本秀太郎の解説、私と半身の往還という解釈はなるほどと思った。

  • SIGERU さん

    伊東静雄。高踏的な詩法を駆使した第一詩集「わがひとに与ふる哀歌」で夙に知られ、若き三島由紀夫が真の詩人として畏敬し、「花ざかりの森」への序文を依頼したエピソードも残っている。ここに紹介する戦後詩『訪問者』は、戦前の作風と打って変わり、語りは平易そのものだ。だが、平易ということが、作品の価値を貶めるものではない。むしろ、「思想を難解な言語で伝えるのはあたりまえ。誰にでも理解できる易しい言語で伝えてこそ達人」という通言は、この詩にこそふさわしい。以下、抄出する。詩人志望の少女の訪問を受けた。時に伊東は四十歳。

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