帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い

朴裕河

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022511737
ISBN 10 : 4022511737
フォーマット
出版社
発行年月
2014年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
朴裕河 ,  
追加情報
:
20

内容詳細

性奴隷か売春婦か、強制連行か自発的か、異なるイメージで真っ向から対立する慰安婦問題は、解決の糸口が見えないままだ。大日本帝国植民地の女性として帝国軍人を慰安し続けた高齢の元朝鮮人慰安婦たちのために、日韓はいまどうすべきか。元慰安婦たちの証言を丹念に拾い、慰安婦問題で対立する両者の主張の矛盾を突くいっぽう、「帝国」下の女性という普遍的な論点を指摘する。2013年夏に出版された韓国版はメディアや関連団体への厳しい提言が話題になった。本書は著者(『和解のために』で大佛次郎論壇賞受賞)が日本語で書き下ろした渾身の日本版。

【著者紹介】
朴裕河 : 1957年、ソウル生まれ。韓国・世宗大学校日本文学科教授。慶應義塾大学文学部国文科を卒業、早稲田大学大学院文学研究科、日本文学専攻博士課程修了。『反日ナショナリズムを超えて』(2005年、河出書房新社)で、日韓文化交流基金賞を受賞。『和解のために―教科書・慰安婦・靖国・独島』(2006年、平凡社。現在、平凡社ライブラリー)で大佛次郎論壇賞受賞。夏目漱石、大江健三郎、柄谷行人などの作品を翻訳し、韓国に紹介(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • GAKU さん

    先月韓国二審で有罪判決となった、朴裕河(パクユハ)・世宗大学教授の著書「帝国の慰安婦」の翻訳版。韓国側でも日本側でもなく資料や証言に基づき、真実を中立の立場で冷静に書かれていると感じた。単に「強制連行」はあった、無かった。幼い少女達までが犠牲になった。などの机上の水掛け論ではなく、今まで知り得なかった事実を垣間見ることが出来たような気がします。「従軍慰安婦」に関する書物は何冊か読んできたが、最初にこの著書に出会っていたらと痛感しました。日韓問わず多くの人に読んでもらいたい良書。⇒

  • 金吾 さん

    慰安婦の話全体は全面的に白、黒と言える話ではないと思いますが、国家による強制性については、はっきりしているのではないかと思います。著者の考えには同意できない点もありますがこのような本を韓国で書いたことには凄いと感じました。

  • ぐうぐう さん

    2011年12月、ソウルにある日本大使館前に少女慰安婦の像が設置された。それは慰安婦問題をめぐる日韓の溝が取り返しのつかないほど大きく開いてしまった象徴的出来事であった。その約2年後の2013年8月に『帝国の慰安婦』はまず韓国で出版された。つまり、日韓の対立がピークに達した時期と言っていいだろう。慰安婦の声に耳を傾けることに徹する姿勢で書かれた本書は、慰安婦問題が再燃する遥か以前、1973年に刊行された千田夏光の『従軍慰安婦“声なき女”八万人の告白』の証言を重要視する。(つづく)

  • RASCAL さん

    私の祖父は日中戦争に応召され北京に駐屯していた。その祖父から一度だけ慰安所の話を聞いたことがある。この本に書かれていることは祖父の話とも符合する。日韓の市民団体が主張する「軍が強制連行した性奴隷」でもウヨクの人がい言う「民間の娼婦」とも違う、日本の帝国主義政策が必然的に生み出したもの、これが歴史の真実なのだと思う。元慰安婦を置き去りに右翼対左翼の政治問題となり、解決不能と思われたこの問題が、安倍・朴両国首脳会談で電撃合意された。歴史はこの本の著者の希望するとおりの方向に進んでいる。日本人必読の良書。

  • takeapple さん

    高橋源一郎が、とても孤独な本という意味の発言をしているが、正にその通りだろう。著者の事実認識に同意する韓国の人も日本の人もいるのだろうかと思ってしまうが、冷静に考えれば、慰安婦という存在が一面的なものではなく、様々な状況で慰安婦に成らざるを得なかったこと、人間である以上、どんな境遇でもそこに希望や誇りを見つけないと生きていけないことはよくわかるはずである。著者は文学研究者なので、そうであるはず、という想像で論を進めて行くことや、韓国人だけに韓国政府や韓国世論に厳しくなっている部分がある。そこをどう判断する

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  • 作成者:さん