ユマニチュード入門

本田美和子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784260020282
ISBN 10 : 4260020285
フォーマット
出版社
発行年月
2014年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
145p;21

内容詳細

魔法? 奇跡? いえ「技術」です。
「この本には常識しか書かれていません。しかし、常識を徹底させると革命になります。」——認知症ケアの新しい技法として注目を集める「ユマニチュード」。攻撃的になったり、徘徊するお年寄りを“こちらの世界”に戻す様子を指して「魔法のような」とも称されます。しかし、これは伝達可能な《技術》です。「見る」「話す」「触れる」「立つ」という看護の基本中の基本をただ徹底させるだけですが、そこには精神論でもマニュアルでもないコツがあるのです。開発者と日本の臨床家たちが協力してつくり上げた決定版入門書!

はじめに

 人口の高齢化は、日本でも、世界でも、急速に進んでいます。病院においても高齢の患者さんの占める割合が年々高くなってきています。わたしは総合病院で働く内科の臨床医ですが、近年、自分がこれまであまり経験することのなかった出来事に遭遇することが増えてきました。

 病院は“病気を治す場所”として、体調を崩した方が次々に訪れます。医師としてのわたしの仕事は、病院を訪れる理由となったその人がおもちの病気を診断し、その治療を行うことです。医師や看護師は疾患の病態生理やその診断の方法、選択すべき治療の内容などについての教育を受けています。知識とともに自分たちの経験の蓄積もあり、その実践には自信をもっています。

 しかし、患者さんが脆弱な高齢者である場合、疾患だけを治していても、その方の健康を取り戻すことはできないことを痛感するようになりました。たとえば、肺炎で10日間入院しているあいだに歩けなくなってしまったり、自分で食事がとれなくなってしまった人。認知の機能が低下して自分がどこにいるのかわからず、入院中であることを理解できない人。治療の意味がよくわからずに点滴を自分で抜いてしまい治療の継続が困難な人……。

 このような人々に出会うことがごくごく普通のことになってきています。そして、このような人々の多くは、入院の直接の原因となった疾患は治っても、自宅での生活に戻ることができなくなる場合が少なくありません。 (略)
目次:
Section 1 ユマニチュードとは何か
1 ケアをする人と受ける人
2 その人に適したケアのレベル
3 害を与えないケア
4 人間の「第2の誕生」

Section 2 ユマニチュードの4つの柱
1 ユマニチュードの「見る」
2 ユマニチュードの「話す」
3 ユマニチュードの「触れる」
4 ユマニチュードの「立つ」
5 人間の「第3の誕生」

Section 3 心をつかむ5つのステップ
第1のステップ−出会いの準備
第2のステップ−ケアの準備
第3のステップ−知覚の連結
第4のステップ−感情の固定
第5のステップ−再会の約束

Section 4 ユマニチュードをめぐるQ&A

ユマニチュードとの出会い
著者紹介

【著者紹介】
イヴ・ジネスト : ジネスト‐マレスコッティ研究所長。トゥールーズ大学卒業。体育学の教師で、1979年にフランス文部省から病院職員教育担当者として派遣され、病院職員の腰痛対策に取り組んだことを契機に、看護・介護の分野にかかわることとなった

ロゼット・マレスコッティ : ジネスト‐マレスコッティ研究所副所長/SASユマニチュード代表。リモージュ大学卒業。体育学の教師で、1979年にフランス文部省から病院職員教育担当者として派遣され、病院職員の腰痛対策に取り組んだことを契機に、看護・介護の分野にかかわることとなった

本田美和子 : 国立病院機構東京医療センター総合内科医長/医療経営情報・高齢者ケア研究室長。1993年筑波大学医学専門学群卒業。内科医。国立東京第二病院にて初期研修後、亀田総合病院等を経て米国トマス・ジェファソン大学内科、コーネル大学老年医学科でトレーニングを受ける。その後、国立国際医療研究センター・エイズ治療研究センターを経て2011年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • こばまり さん

    晩年に認知症を患った祖父と接する時この手法を知っていたなら、もっと楽しい時間を過ごせたかもしれない。諏訪市土木課に勤務した祖父は諏訪湖に浮かぶ人工島、初島の造設に携わった。私は今もおじいちゃんの島と呼んでいる。

  • ハイポ さん

    ■ユマニチュードの哲学は相手を人間として尊重すること。ユマニチュードの理念は「絆」とも書いてある。人間は他者に依存しないと生きていけないという意味で、「絆」は非常に重要(fatal)なものといえる。「絆」が無いことは死を暗示する。「絆」のないケアは死を感じさせるため、ケアを受ける人が防衛的な態度をとる原因になるのか。■今、祖父の介護を手伝っている。以下の事を心に留めておく。「対等に関わる。健康な人と関わるときのように、普段通りの礼節を守った態度で接する」「強制も抑制もしない」「ポジティブな言動で接する」

  • 紫羊 さん

    ユマニチュードの技法を、個々に実践している看護や介護の専門職は、私の周りにも沢山います。でも、なぜそのケアが有効なのかを、言語化し体系化することの大切さを、この本を読んで痛感しました。さらに詳しい内容の本も刊行されたようですので、こちらもぜひ読んでみたいです。

  • じゅき さん

    テレビでこのケアのことをやっていたのをみて興味があり読んでみました。専門職の技術かもしれないけど「見る」「話す」「触れる」「立つ」。認知症だけでなく高齢者介護を行う時、相手に対して大切に接するということ。改めて勉強になりました。

  • 禿童子 さん

    再読。認知症の人の介護にともなう困難を減らすための画期的な技法「ユマニチュード」は、人間らしいふれあいを取り戻すことなんでしょうか。老齢や病気で衰弱した人でも残っている「立つ力」が過剰な介護によって損なわれることがあります。介護施設に老親を預けた経験があり、ゆくゆくは自分たちもお世話になるかもしれないと考える私にとって大いに参考になる本でした。親しみやすいイラストがある紙の本の方が読みやすく分かりやすかったです。どなたにもおススメします。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

物理・科学・医学 に関連する商品情報

おすすめの商品