小さき者へ・生れ出ずる悩み 岩波文庫

有島武郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003103661
ISBN 10 : 4003103661
フォーマット
出版社
発行年月
2004年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,141p

内容詳細

「小さき者よ。不幸なそして同時に幸福なお前たちの父と母との祝福を胸にしめて人の世の旅に登れ」―妻の死から一年半足らず、有島武郎(1878‐1923)が一気に書き上げた短篇。一方、芸術か生活か青年の懊悩を描いた中篇は、北海道の自然の絵画的描写と海洋小説の趣でも知られる。傑作二篇。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Willie the Wildcat さん

    人生の岐路に直面した愛すべき人たちへの激励が、両作品の根底。苦悩が人生の糧となり、愛する/愛した家族への敬意であると激励する最後の件が、それぞれ印象的。差異は、『小さき者へ』では未完の軸を育ませることだが、『生れ出ずる悩み』では既に育んでいる軸に向き合わせることが主眼。子供たちの成長を踏まえ、『小さき者へ』がより身につまされる。役に立つことであれば何でも子供たちに伝えたいし、嫌なことであれば代わってやりたいと思うのが親の心。でも、見守るしかないんだよなぁ。春は来る!絶対に来るからね!

  • セロリ さん

    『小さき者よ』の最後はこう締め括られる。>小さき者よ。不幸なそして同時に幸福なお前たちの父と母との祝福を胸にしめて人の世の旅に登れ。前途は遠い。そして暗い。しかし恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。行け。勇んで。小さき者よ。 これには、グッときた。テンポが良いのと、前途洋々だなんて嘘付かないところがいい。夫としての有島武郎はイマイチだが。『生れ出ずる悩み』は、本当は芸術を極めたい青年が、家族を支えるために漁夫として働きながらも、そこに埋もれ切ることのできない苦悩を描く。自分を責める善良さが悲しい。

  • Miyoshi Hirotaka さん

    妻の死はそこにもここにも倦きはてる程夥しくある事柄の一つに過ぎず、他人に重大視される程、世の中の人は暇ではない。ところが、愛する者を失ったものにとっては、何物にも代えがたく、悲しく、口惜しいこと。立ち直るためには、失ったものの大きさだけでなく、死者が残したものの意味を考えるべき。形があってもなくても、死者の意思やメッセージが読み取れるものなら違いはない。確かに自分は愛されたという記憶は愛として、恐れずに死を受け入れたという記録は勇気として次の世代に受け継がれる。愛する者の死は不幸だが幸福でもあるのだ。

  • 双海(ふたみ) さん

    「世の中の人は私の述懐をばかばかしいと思うに違いない。なぜなら妻の死とはそこにもここにも倦(あ)きはてるほどおびただしくある事がらの一つに過ぎないからだ。そんな事を重大視するほど世の中の人は閑散ではない。」・・・有島さん、そんなことないよ。私はあんたの切々とした心境告白に心打たれたよ。名篇だよ、「小さき者へ」は。

  • 冬見 さん

    「生れ出ずる悩み」絵画きの才能を持ちながら生活を支えるために漁師の仕事を始めた「君」は、芸術への情熱は捨てられず、けれども芸術で身を立ててゆく自信を持つこともできずにいた。「君がただ独りで忍ばなければならない煩悶─それは痛ましい陣痛の苦しみであるとはいえ、それは君自身で苦しみ、君自身で癒さなければならぬ苦しみだ。」自分にとっての真剣の仕事を理解されない孤独。実生活の中では永遠に満たされず、実生活を尊敬するからこそ罪悪感は募る。芸術と向き合えば実生活は凍結する。ぼろぼろと固く崩れ落ちる飯粒のように。

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