聖断 昭和天皇と鈴木貫太郎 PHP文庫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784569666686
ISBN 10 : 456966668X
フォーマット
出版社
発行年月
2006年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,562p

内容詳細

聖断がくだり、そして戦争は終わった―。連合艦隊の壊滅、沖縄の陥落、広島・長崎への原爆投下、ソ連の満洲侵攻など、刻一刻と破局へと突き進んでいった敗戦末期の日本。本土決戦が当然のように叫ばれ“一億玉砕論”が渦巻くなか、平和を希求する昭和天皇と心を通い合わせ、二人三脚で戦争を終結へと導いたひとりの老宰相がいた。昭和史最大のドラマである「日本敗戦」を描いた不朽の名作。

【著者紹介】
半藤一利 : 1930年、東京生まれ。1953年、東京大学文学部卒業。同年、文藝春秋入社。以来『週刊文春』『文藝春秋』各編集長、出版局長、専務取締役等を歴任。1998年刊の『ノモンハンの夏』(文藝春秋)では、第七回山本七平賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Book & Travel さん

    大戦末期に首相となり終戦に導いた鈴木貫太郎。芒洋として肝太く、海軍軍人であり、また侍従長として天皇と心を通い合わせた彼だからこそ、聖断を仰ぐという形で戦争を終わらせることができたのだった。沖縄戦や原爆投下を思えばもう少し早く…とも思うが、徹底抗戦に拘りクーデターも起こしかねない陸軍や連合国側の思惑など、一歩誤ると破滅に繋がる局面でのぎりぎりの対応で、軍国主義日本を終戦に導くことがいかに難しかったかがひしひしと伝わってきた。膨大な知識と資料に裏付けされた叙述は緊迫感溢れていて、心を打つ素晴らしい作品だった。

  • り こ む ん さん

    「日本のいちばん長い日」「大日本帝国最後の四か月: 終戦内閣“懐刀”の証言」「原爆の落ちた日」そして、この「聖断」終わらす事の難しさをヒシヒシと感じる。この本は、鈴木貫太郎を通してみた昭和史。茫洋とした風貌ではあるが、彼の中にはまっすぐな鋼の主柱が通っていた。彼でなければ、聖断は引き出せなかっただろう。彼でなければ、阿南陸相は辞任していただろう。彼でなければ、国内はクーデターで混乱し戦争は本土決戦なっていただろう。と、歴史にはその時々にタイミングよく必要とされる人間が出現する…シミジミ思う。

  • そら さん

    「満州蒙古の解放」だって!ずるい表現だな(○`ε´○)。侵攻と一緒なのにね。それに、「ポツダム宣言発表前に、原爆投下は決まっていた。日付け未定で発令されてた。」ってやたら強調してるけど、それって、暗に、「原爆投下と日本の対応は関係ない。日本政府は対応を間違えてない。」って言いたいのかな〜?7月26日ポツダム宣言発表→翌日の記者会見で鈴木首相が「宣言は黙殺する。断固戦争完遂に邁進するのみ。」これが世界に発信される→8月6、9日広島、長崎原爆投下→8月14日ポツダム宣言受諾。まぁ、いろいろな思惑が絡み合ってっ

  • りょう君 さん

    「日本のいちばん長い日」で話題になった半藤一利氏が執筆した名作と言えるだろう。昭和天皇と鈴木貫太郎を描いた史実の物語。太平洋戦争の終結に努力した二人。昭和天皇に戦争責任があるかどうかは意見が分かれるところだが、侍従長を長年務め、敗戦時の総理大臣までなった鬼貫太郎の苦労は想像を絶する。殺されかけた2.26事件で亡くなっていたらと思うと・・原爆投下やソ連参戦で、本土決戦を覚悟していた陸軍。「日本のいちばん長い日」で老首相を演じた山崎力や、自害した阿南陸相を演じた役所広司が目の前によみがえる・・

  • りんだりん さん

    戦争を終わらせることがどれだけ大変なことかがよく分かる。昭和天皇と終戦時の首相である鈴木貫太郎の二人を中心に、どのようにして日本が敗戦を迎えたのか、その経緯がわかり易く物語調に記されている。人というものがいかに合理的なだけでは動けない生き物か。戦争だけではなく、企業の事業についてもスケールは違うが同じようなことが起きる。撤退は本当に難しい。事業を始めた人、発展させた人、下り坂になってから関わりだした人、もうどうにもならなくなって始末をつける必要に迫られる責任者など。やはり半藤さんの本は学びがとても多い。

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