島津四兄弟の九州統一戦 星海社新書

新名一仁

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065105757
ISBN 10 : 4065105757
フォーマット
出版社
発行年月
2017年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
256p;18

内容詳細

九州を統一目前まで切り取った島津四兄弟(義久・義弘・歳久・家久)。彼らは固い絆で結ばれ、無類の強さを発揮して九州統一に邁進した―。このような四兄弟のイメージには、実は史料的な根拠を見いだすことができません。それでは、なぜ島津氏は北へと攻めのぼり、数々の合戦に勝利を収めることができたのでしょうか?本書では、これらの疑問に答えるべく、一次資料をもとに九州統一戦を追っていきます。その結果、「面目」が島津氏の行動原理となっていたこと、そして必ずしも「団結」とは言えない、四兄弟の個性が浮かび上がってきました。九州統一戦の挫折より、430年。いま、戦国島津氏研究の新境地がひらかれます!

目次 : プロローグ 島津四兄弟のイメージ/ 第1章 薩隅日三か国統一/ 第2章 高城・耳川合戦の衝撃―九州政治構造の解体/ 第3章 肥後進攻の開始/ 第4章 龍造寺隆信との対決と肥後平定/ 第5章 筑後・筑前・豊後への進攻と豊臣政権との対決/ 終章 島津氏にとっての「九州統一戦」の意義

【著者紹介】
新名一仁 : 戦国史研究者。1971年、宮崎県生まれ。鹿児島大学法文学部人文学科卒業。広島大学博士課程前期修了。同博士課程単位取得退学。博士(文学・東北大学)。みやざき歴史文化館、宮崎市きよたけ歴史館学芸員を経て、鹿児島大学、志學館大学非常勤講師。南北朝期から戦国期という長いスパンで、南九州の政治史を研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 岡本 さん

    島津義久が当主になってから戦国時代の終わりまでを一次資料を基に纏めた一冊。最終章では考察を含めて確り纏められており、我々の知る島津四兄弟のイメージが史実とは異なる部分が多い事を知る。取次同士の諍いや名門島津家のプライドからくる外聞を気にし過ぎた事などが拡張路線と九州統一戦の失敗に繋がった。戦国島津家の認識を改める良書。

  • yutaro13 さん

    一次資料をもとに島津四兄弟の九州統一戦を辿る。戦国島津家の外交・軍事方針の決定に他国の国衆と太守・義久を繋ぐ取次が重要な役割を果たしていたことや、一般的なイメージほど四兄弟の結束が一筋縄ではなかったことが指摘されており興味深い。ちょくちょく義久の方針に反して武将が暴走するのが島津家が特徴。これが織田家なら打首ものだろう。先に読んだ歴史小説『破天の剣』では、主人公・家久がやたらと戦上手として描かれていたが、研究者の著者をして「家久の前線における神がかった軍功」と書かしめるほどの歴史的事実ではあったようだ。

  • スー さん

    25圧倒的な強さを誇る島津家その理由は?やはり日新斎が認めた4兄弟が強力してたからと思ってましたけど実際はそうでもなかったようです。戦略的な視点を持った義久が前線指揮官としては強いがより大きな軍の指揮となるとまとめられない義弘、影が薄い歳久(手紙の発給数が極端に少ないのでどうやら抹殺されたらしい)、戦には天才的だが根回しが苦手で独善的な為に家中で孤立気味の家久等とゆるい規律で繋がり命令違反が多い家臣団を苦慮してまとめなんとかやっていたのが実状だったよう。義久の苦労がよく読み取れました。

  • さとうしん さん

    九州統一のために兄弟四人手を取り合って邁進したというイメージが何となく持たれている島津義久・義弘・歳久・家久。しかしその実態は、長兄の太守義久の統治権が弱く、他の兄弟三人がそれぞれの思惑で動いており、島津家は彼ら近親や一門、老中らによる「談合」で動いていたというのが見えてくる。彼らの姿が「中世」のあり方を思わせるとともに、島津家が秀吉に屈服するさまが中世と近世への移り変わりを思わせる。義久と義弘の関係は足利尊氏・直義の関係と比較すると面白いかも。

  • MUNEKAZ さん

    島津家の九州統一戦、その中でも四兄弟や家中の対立を重視して書かれた一冊。当主・義久の権限が弱く、談合や神慮を重視する意思決定や、従属する国衆のために暴走する取次の老中や一門の姿はなかなか面白い。とくに末っ子・家久は独断専行で暴走を繰り返し、兄たちから叱責されながらも大戦果をあげるなど、もはやマンガである。こうした統治権の弱さを島津家の「古さ」とあげつらうことも出来るが、同時に義久は和平も模索しており、ある意味で戦争責任の分散に繋がっていたのではないかとも思う。

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