AI vs.教科書が読めない子どもたち

新井紀子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784492762394
ISBN 10 : 4492762396
フォーマット
出版社
発行年月
2018年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
287p;19

内容詳細

AIの誤解・限界を示す一方で、日本人の読解力の低下を指摘。AI化が進んだ未来の行き着く先は、教育の劣化を伴った最悪の恐慌だ。

東ロボくんは東大には入れなかった。AIの限界ーー。しかし、”彼”はMARCHクラスには楽勝で合格していた!これが意味することとはなにか? AIは何を得意とし、何を苦手とするのか? AI楽観論者は、人間とAIが補完し合い共存するシナリオを描く。しかし、東ロボくんの実験と同時に行なわれた全国2万5000人を対象にした読解力調査では恐るべき実態が判明する。AIの限界が示される一方で、これからの危機はむしろ人間側の教育にあることが示され、その行く着く先は最悪の恐慌だという。では、最悪のシナリオを避けるのはどうしたらいいのか? 最終章では教育に関する専門家でもある新井先生の提言が語られる。


目次

はじめに

第1章  MARCHに合格――AIはライバル

AIとシンギュラリティ
偏差値57.1
AI進化の歴史
YOLOの衝撃−−画像認識の最先端
ワトソンの活躍
東ロボくんの戦略
AIが仕事を奪う

第2章 桜散る――シンギュラリティはSF

読解力と常識の壁――詰め込み教育の失敗
意味が理解しないAI
Siri(シリ)は賢者か?
奇妙なピアノ曲
機械翻訳
シンギュラリティは到来しない

第3章 教科書が読めない――全国読解力調査

人間は「AIにできない仕事」ができるか?
数学ができないのか、問題文を理解していないのか?−−大学生数学基本調査
全国2万5000人の基礎的読解力を調査
3人に1人が、簡単な文章が読めない
偏差値と読解力

第4章 最悪のシナリオ

AIに分断されるホワイトカラー
企業が消えていく
そして、AI世界恐慌がやってくる

おわりに

【著者紹介】
新井紀子 : 国立情報学研究所教授、同社会共有知研究センター長。一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事・所長。東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院数学研究科単位取得退学(ABD)。東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学。2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ろくせい@やまもとかねよし さん

    自然言語処理に挑む数学者の論説。情報科学成果AIを題材に、その限界を述べつつ、それによる経済的効用を指摘しながら、それを取り巻く社会環境変化による人間変化を憂う。自身の研究成果から、それらを論理的に紹介。「科学を過信せず、科学の限界に謙虚であること」は、いつの時代でも人類が肝に命じなければいけない言葉として心に残る。人間意識は多様である。多様な人間が形成する社会は多くが未開であり、これまでの知識の論理的、統計的、確率的集合のAIでは未開を突破しない。そのためには読解力の向上が不可欠との指摘はは大いに賛同。

  • きみたけ さん

    ・AIの登場により消えていく仕事があったとしても何とか乗り越えるもの。過去から新たな技術が登場する度に通ってきた道、いちいち悲観しない ・教科書を読解する力が今後の教育のカギ

  • もりやまたけよし さん

    AIが意味を解さないと言う事を知ることが出来てホッとしました。ただ今後は、AIによる大きな波がやって来ることは確かなようです。インターネットや産業革命のように。

  • rigmarole さん

    印象度A-。実に鋭利な頭脳の持ち主です。AI技術の開発には限界があり、多くの人はAIの将来を楽観し過ぎていると警告しています。私には、著者の想定外のブレイクスルーがいずれ発見されていくような気もしますが、例えば落合陽一の楽観論と比べると、開発経験に基づく冷静で現実的な彼女の認識の方に説得力があるように思われます。ともあれ、やはり教育は大切。人材育成は個人にとっても社会にとっても、生き残りの鍵でしょう。だた、読書習慣や学習習慣と読解力との間に相関が認められなかったというのは意外。常識に反省を促してくれます。

  • 徒花 さん

    おもしろかった。東大ロボプロジェクトの発案者による、人工知能と教育、未来の雇用についての提言書。単に人工知能について語るだけではなく、その調査の過程で「じつは多くの子どもが読解力が足りないせいで教科書の内容を理解できていない」ということに強く警鐘を鳴らしている。AIと差別化するために重要な人間の能力のひとつが「読解力」であるというのはちょっと新しい。残念ながら、いまだになにが読解力を高めるファクターなのかを突き止めるところまでは解明されていないらしいが。

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